夏夜、花火と横顔
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(夕暮れ。温泉から上がり、髪を乾かして部屋へ戻ると、
畳の上には旅館の女将が用意してくれた豪華な夕食が並んでいた。)
カレン「うわっ!すごっ!刺身に焼き魚に、貝の味噌焼きまで!」
ティナ「おお〜、めっちゃ豪華じゃん!」
サラ「映え〜☆ 写真撮っていい?」
リオナ「まぁっ! この伊勢海老、光ってますわ!」
リリサ「ふふ、食べきれるかしら。ティナ、焼き魚の骨は気をつけてね。」
ティナ「わかってるって!……あ、これ中骨あるやつだ!」
(箸で格闘中)
カレン「ほら〜。やっぱ子ども扱いされても仕方ないよ?」
ティナ「うるさいっ!」
(みんな笑う。海の音と笑い声が重なる)
リオナ「こうしてみんなで食卓を囲むの、素敵ですわね。」
サラ「海に温泉にご馳走、サイコー☆」
リリサ「ふふ、明日はもう帰るのが惜しいくらいね。」
ティナ「まだ夜があるでしょ? 花火、楽しみだな。」
---
(夜。浜辺。)
(波打ち際に並ぶ提灯が、ゆらりと風に揺れている。
潮風が髪を撫で、花火の準備をする手元が明るい。)
ティナ「……夜の海、意外と静かだな。」
カレン「うん。さっきまで騒いでたのに、今は落ち着く。」
リオナ「波の音が子守唄のようですわ。」
サラ「よっしゃー! 花火いくよっ☆」
(シュボッと音を立てて火花が散る)
カレン「わっ、キレイ!」
ティナ「火の粉、海に映ってる。なんかいいな、こういうの。」
サラ「リリサー!打ち上げ花火やっていい?」
リリサ「ダメに決まってるでしょ。」
サラ「チッ☆」
(火花の明かりが、浴衣姿のティナの横顔を照らす。)
前髪がさらりと揺れ、頬に落ちる光。
ほんの一瞬だけ、その横顔が儚げに見えた。
カレン「(……え、なに、今の。やば。普通に……綺麗。)
(いつも騒いでるのに、こういう時だけ妙に大人っぽいんだよな……)」
ティナ「カレン? どうかした?」
(花火の合間に振り返る笑顔)
カレン「へっ!? な、なんでもないっ!」
(焦って顔をそらす。耳まで真っ赤)
ティナ「ふーん? 怪しいなぁ。」
カレン「怪しくないっ!」
(線香花火を持つ手が震え、火の玉がぽとりと落ちる)
リオナ「まぁ、落ちましたわよ!」
サラ「おぉっと残念☆」
リリサ「カレンちゃん、顔赤いけど大丈夫?」
カレン「は、花火熱いだけ!」
ティナ「(カレン、妙に挙動不審だな……まぁ楽しそうだしいっか。)」
ティナ「来年も、こうして来れたらいいな。」
カレン「(“来年も”か……うん、来年も……一緒がいいな。)」
---
(花火が終わり、夜の潮風を背に宿へ戻る。
廊下の提灯がゆらめき、窓の外には波の音。
部屋に戻ると、すでに布団が敷かれていた。)
リリサ「ふぅ……花火も満喫したし、あとは寝るだけね。」
サラ「まだ寝るには早いっしょ☆ 夜といえば枕投げ〜!」
リオナ「まぁ! それが庶民の夜の遊びというものですのね!」
ティナ「いやいや、庶民でも毎晩やらんて!」
カレン「……まぁ、ちょっとくらいならいいかもね。
(ティナの浴衣……なんか妙に似合ってる。ちょっと見ないようにしよ……)」
サラ「じゃあ行くよーっ☆ えいっ!」
(ボフッ! 枕がリリサの後頭部に命中)
リリサ(低い声)「……今の誰?」
ティナ「ひっ……! サラだって!」
サラ「ちょ、告げ口すんなよ〜!」
(次の瞬間、リリサが無言で枕を構える)
リリサ「……倍返しよ。」
(ドスッ! サラ即沈)
リオナ「お見事ですわ、先生!」
リリサ「“先生”言うなってば。」
(ティナ、笑いながら枕を手に取る)
ティナ「ほらっ! 次はこっちの番だ!」
(ボスッ! カレンの顔面に直撃)
カレン「ぐはっ!? おま、狙っただろ!」
ティナ「たまたまだって!」
カレン「やったなぁ……このっ!」
(二人、取っ組み合いの枕合戦に突入)
リオナ(避難しながら)「戦場ですわ……! この光景を歴史に刻みたいですわ!」
リリサ(苦笑して)「ほんと、元気ね……」
サラ「ふふ、青春だね〜☆」
---
(しばらくして、みんな布団に倒れ込み、息を整える)
ティナ「はぁー……もう動けない……」
カレン「久々に全力出した……」
リオナ「わたくし、笑いすぎてお腹が痛いですわ……」
リリサ「ふふ、いいストレス発散になったみたいね。」
(しばらく静寂。外では虫の音が響いている。)
ティナ「……なんかさ。」
カレン「ん?」
ティナ「こうやって皆で笑ってると、時間が止まればいいのになーって思う。」
(ぽつりと呟いた声に、みんな一瞬だけ黙る)
リオナ「ティナ様、それは少しロマンチックすぎますわ。」
サラ「でもわかる〜☆ この瞬間が永遠に続いたらいいのにね。」
リリサ(微笑んで)「だからこそ、こういう時間が大切なのよ。」
(ティナ、天井を見上げながら)
ティナ「(……前の世界じゃ、こんなふうに笑える時間なんてなかった。
でも今は……悪くないな、こういうの。)」
---
(消灯後、波の音が遠くからかすかに聞こえる。)
(隣のカレンが小声で)
カレン「ティナ、寝た?」
ティナ「ううん、起きてるよ。」
カレン「……今日、ありがと。」
ティナ「え?」
カレン「なんでもない。おやすみ。」
ティナ(少し照れくさそうに)「……おやすみ、カレン。」
(カレン、そっと横を向きながら心の声)
「(やっぱり……好きかも。)」
(波音が静かに響き、
少女たちの笑い声が夢に溶けて消えていく――)
次回【カレンと2人、夜風に吹かれて…】
今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪
ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!
でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」
☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨
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それじゃ、いってらっしゃい!




