普通の女の子みたいに
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(夕方。海でのドタバタを終え、一行は宿へと向かう)
(瓦屋根に木造三階建て、温泉街の中心にある、どこか懐かしい旅館)
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玄関前
リリサ「到着〜。ここが今夜の宿よ。」
ティナ「わーっ!すごい!古いけど、いい雰囲気!」
リオナ「まぁっ……これが“庶民の旅館”というものですのね!」
グレイ(小声)「お嬢様、声のボリュームをお控えに。」
リオナ「あら、ごめんなさい、つい興奮してしまって!」
(サラは既にテンションMAXで荷物を肩に)
サラ「温泉〜!ごはん〜!夜更かしぃ〜!!」
カレン「はしゃぎすぎ!倒れるよ!」
リリサ(苦笑)「……まぁ、元気なのはいいことね。」
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客室
ティナ「わぁ〜!畳だぁっ!」
(ごろんと寝転がり、畳の匂いをスンスン)
ティナ「この香り……なんか懐かしい……」
カレン「見てティナ!浴衣あるよ!」
リオナ「まぁっ……これが“庶民の部屋着”ですのね!意外と上品ですわ!」
(くるっと回って袖をひらめかせる)
サラ「お嬢、似合ってるじゃん☆ポスター映えする〜!」
リリサ「ふふ、リオナちゃんもすっかり旅慣れね。」
リオナ「お褒めにあずかり光栄ですわ!」
ティナ「うわ、この部屋落ち着くなぁ……。あーもう、ゴロゴロしたい。」
リリサ「ダメよ。少し休んだら温泉に行くんだから。」
ティナ「えぇ〜、もう少しダラダラしてたいのに〜」
カレン「ほらティナ、せっかくだし行こ!露天あるんだって!」
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温泉に行く準備
リリサ「じゃ、タオル持って。そろそろ行きましょうか。」
サラ「よっしゃ〜〜っ!!温泉ターイム☆」
リオナ「まぁっ……これが“温泉文化”!心も体も清める聖域ですのね!」
カレン「なんか修行みたいな言い方してるけど、まぁそういうこと!」
ティナ(タオルを抱えながら)
「(……やばい。温泉って、みんなで入るんだよな……?)
(中身おっさんの俺にはハードモードすぎる……!)
(やましい気持ちは本当にない!けど、これは気まずいっ!!)
(絶対どこ見ても地雷!天国であり地獄ッ!!)」
ティナ(顔真っ赤)「……うぅ……」
カレン「ティナ、どうしたの?顔赤いよ?」
ティナ「な、なんでもないっ!!」
カレン「え?もしかして……恥ずかしいの?」
ティナ「っ!!そ、そそそそそんなわけないだろ!?ぜ、全然!!」
カレン(ニヤリ)「図星だ〜」
ティナ「ちがっ……いやまぁ……ちょっとだけ……」
カレン「ふふっ、可愛いとこあるじゃん」
ティナ「うるさいっ!!」
サラ「ギャル的には温泉とかテンションぶち上がりなんだけどぉ☆」
リリサ「ふふ、ティナは温泉初めてだからね。」
ティナ「はは……(笑えねぇ……)」
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廊下
(提灯の灯りがふわりと揺れる)
リオナ「……なんだか胸が高鳴りますわ!湯けむりに包まれて、心の洗濯ですのね!」
ティナ「いや、なんで毎回名言っぽく言うの……」
カレン「リオナ、ほんと真面目すぎ」
ティナ「(いや、真面目なのはいいけど……俺だけ心の中カオスなんだが……)」
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浴場の入り口
グレイ(姿勢正しく立ち、一礼)「皆さま、ごゆっくりどうぞ。」
リオナ「グレイも一緒に入ればいいのに。」
グレイ「いえ、お嬢様方の警護が任務ですので。」
リリサ「そう。じゃぁ、よろしくお願いね。」
グレイ「かしこまりました。」
サラ「さ〜て☆ 脱衣所いっくぞ〜〜!!」
リオナ「湯加減チェックは任せてくださいまし!」
カレン「それ係員の仕事!」
ティナ(小声)「……やばい、逃げたい。今ならまだ……」
リリサ(にこり)「ティナ?行くわよ?」
ティナ「ひぃ……はいぃぃぃ……」
(観念したティナ、脱衣所の扉を開ける――)
(脱衣所)
サラ「ギャルのターン☆ 温泉で開放ぉ〜!」
(ばさっと服を脱ぎ捨て)
カレン「早い!もうタオルだけ!?」
リオナ「まぁ……大胆すぎますわっ!」
リリサ「まったく、サラは落ち着きがないんだから。」
サラ「いーじゃん先生☆ 裸の付き合いってやつでしょ〜?」
(リリサ、ため息)
ティナ(端のロッカーで背中を向けながら)
「(……こ、これほんとに入るの?)
(やましい気持ちはゼロ!ゼロなんだけど!!)
(視界に女子がいる状況がもうダメなんだよぉぉ……!)
(落ち着け俺、深呼吸……。見ない、見ない、絶対見ない……!)
(……サラ、すげぇな……反射的に目が行くじゃねぇかッ!!)」
リリサ「ティナ?まだなの?」
ティナ「う、うん!今いく!いくけど!?」
(タオルで顔を隠しながら、意を決して温泉へ――)
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(露天風呂)
(湯けむりの向こうに岩造りの湯船。
海風が涼しく、木の香りが混じる。遠くではカモメの声。)
ティナ「……ふぅ……」
(そっと肩まで沈みながら息を吐く)
(が、すぐに顔を上げる)
(目の前、リオナとカレンが湯に浸かって笑っている)
カレン「きもちい〜! 疲れ全部とれるね!」
リオナ「まるで天界の泉……神聖すぎて出たくありませんわ!」
サラ「最高〜☆ ギャル、整いましたっ!」
ティナ
「(うわぁ……やっぱ視界に困る……!)
(下手に目線動かしたら即アウト……)
(温泉で癒やしに来てんのに、気疲れしてどうすんだよ俺……)
(よし……端っこの岩陰、あそこなら……)」
(ティナ、そろ〜っと離れ、端の方に移動)
(木の影のほうで、ちょこんと体育座り)
リリサ(湯からちらりと見て)「……ティナ、なにしてるの?」
ティナ「い、いや!なんか、こっちの方が落ち着くかな〜って!」
サラ「おっ、照れてんの?ウブ〜☆」
ティナ「違う!ウブじゃなくて!!俺は…じゃなくてわたしはその……!」
リリサ(ジト目)「“俺”って言ってる時点でバレバレよ。」
ティナ「……ぐぬぬ。」
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(みんなが湯船の真ん中で笑い合う)
カレン「ティナもこっちおいでよ!」
ティナ「だ、大丈夫!ここで……温泉の温度チェックしてるから!」
リオナ「まぁ、律儀ですわね……でも寂しくありませんの?」
ティナ「だいじょーぶ!わたし、ぼっち耐性高いから!」
サラ「なんの自慢よ☆」
(全員、くすくす笑う)
ティナ
「(……でも、なんかいいな。笑い声、心地いい……)
(この空間にいられるだけで、十分癒やされる気がする。)」
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(しばし沈黙。波音だけが響く)
(リリサがそっと横に来て、微笑む)
リリサ「どう? 気持ちいいでしょ?」
ティナ「うん。……あったかくて、眠くなる。」
リリサ「ふふっ。あなた、こういう時がいちばん“この世界の子”の顔してるわ。」
ティナ「え?」
リリサ「いつも妙に達観してるけど、今は……ただの普通の女の子。」
ティナ「……そっか。普通、か。」
(照れくさそうに笑い、湯面に映る自分を見つめる)
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(カレン、バシャッと水をかける)
カレン「ほらティナ〜、隅っこでボーッとしてると眠っちゃうよ!」
ティナ「うわっ!冷たっ!」
サラ「お?水かけバトル?やるぅ〜☆?」
リリサ「やらなくていいわよ!」
リオナ「まぁ!湯煙の決闘ですの!?」
ティナ「違う違う違うっ!!」
(湯気の中に笑い声が響く)
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(空を見上げるティナ)
ティナ「(……気まずかったけど、来てよかったな。)
(こんな穏やかな時間、前の世界じゃなかったもんな……)
(まぁ……次入る時は、もっと心の準備してからにしよう……)」
リリサ「……その顔、やっぱり普通の女の子ね。」
ティナ「うるさいな……」
(湯けむりの向こう、夕空が淡く赤く染まる)
次回【花火と初恋】
今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪
ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!
でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」
☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨
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それじゃ、いってらっしゃい!




