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えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日  作者: ひなゆづ
夏休み 旅行編

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55/61

普通の女の子みたいに

『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は

毎朝6時に更新中!☀️


通勤・通学、朝ごはんのお供に

ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪

今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨



(夕方。海でのドタバタを終え、一行は宿へと向かう)

(瓦屋根に木造三階建て、温泉街の中心にある、どこか懐かしい旅館)



---


玄関前


リリサ「到着〜。ここが今夜の宿よ。」


ティナ「わーっ!すごい!古いけど、いい雰囲気!」


リオナ「まぁっ……これが“庶民の旅館”というものですのね!」


グレイ(小声)「お嬢様、声のボリュームをお控えに。」


リオナ「あら、ごめんなさい、つい興奮してしまって!」


(サラは既にテンションMAXで荷物を肩に)


サラ「温泉〜!ごはん〜!夜更かしぃ〜!!」


カレン「はしゃぎすぎ!倒れるよ!」


リリサ(苦笑)「……まぁ、元気なのはいいことね。」



---


客室


ティナ「わぁ〜!畳だぁっ!」


(ごろんと寝転がり、畳の匂いをスンスン)


ティナ「この香り……なんか懐かしい……」


カレン「見てティナ!浴衣あるよ!」


リオナ「まぁっ……これが“庶民の部屋着”ですのね!意外と上品ですわ!」


(くるっと回って袖をひらめかせる)


サラ「お嬢、似合ってるじゃん☆ポスター映えする〜!」


リリサ「ふふ、リオナちゃんもすっかり旅慣れね。」


リオナ「お褒めにあずかり光栄ですわ!」


ティナ「うわ、この部屋落ち着くなぁ……。あーもう、ゴロゴロしたい。」


リリサ「ダメよ。少し休んだら温泉に行くんだから。」


ティナ「えぇ〜、もう少しダラダラしてたいのに〜」


カレン「ほらティナ、せっかくだし行こ!露天あるんだって!」



---


温泉に行く準備


リリサ「じゃ、タオル持って。そろそろ行きましょうか。」


サラ「よっしゃ〜〜っ!!温泉ターイム☆」


リオナ「まぁっ……これが“温泉文化”!心も体も清める聖域ですのね!」


カレン「なんか修行みたいな言い方してるけど、まぁそういうこと!」


ティナ(タオルを抱えながら)

「(……やばい。温泉って、みんなで入るんだよな……?)

(中身おっさんの俺にはハードモードすぎる……!)

(やましい気持ちは本当にない!けど、これは気まずいっ!!)

(絶対どこ見ても地雷!天国であり地獄ッ!!)」


ティナ(顔真っ赤)「……うぅ……」


カレン「ティナ、どうしたの?顔赤いよ?」


ティナ「な、なんでもないっ!!」


カレン「え?もしかして……恥ずかしいの?」


ティナ「っ!!そ、そそそそそんなわけないだろ!?ぜ、全然!!」


カレン(ニヤリ)「図星だ〜」


ティナ「ちがっ……いやまぁ……ちょっとだけ……」


カレン「ふふっ、可愛いとこあるじゃん」


ティナ「うるさいっ!!」


サラ「ギャル的には温泉とかテンションぶち上がりなんだけどぉ☆」


リリサ「ふふ、ティナは温泉初めてだからね。」


ティナ「はは……(笑えねぇ……)」



---


廊下


(提灯の灯りがふわりと揺れる)


リオナ「……なんだか胸が高鳴りますわ!湯けむりに包まれて、心の洗濯ですのね!」


ティナ「いや、なんで毎回名言っぽく言うの……」


カレン「リオナ、ほんと真面目すぎ」


ティナ「(いや、真面目なのはいいけど……俺だけ心の中カオスなんだが……)」



---


浴場の入り口


グレイ(姿勢正しく立ち、一礼)「皆さま、ごゆっくりどうぞ。」


リオナ「グレイも一緒に入ればいいのに。」


グレイ「いえ、お嬢様方の警護が任務ですので。」


リリサ「そう。じゃぁ、よろしくお願いね。」


グレイ「かしこまりました。」


サラ「さ〜て☆ 脱衣所いっくぞ〜〜!!」


リオナ「湯加減チェックは任せてくださいまし!」

カレン「それ係員の仕事!」


ティナ(小声)「……やばい、逃げたい。今ならまだ……」


リリサ(にこり)「ティナ?行くわよ?」


ティナ「ひぃ……はいぃぃぃ……」


(観念したティナ、脱衣所の扉を開ける――)


(脱衣所)


サラ「ギャルのターン☆ 温泉で開放ぉ〜!」


(ばさっと服を脱ぎ捨て)


カレン「早い!もうタオルだけ!?」


リオナ「まぁ……大胆すぎますわっ!」


リリサ「まったく、サラは落ち着きがないんだから。」


サラ「いーじゃん先生☆ 裸の付き合いってやつでしょ〜?」


(リリサ、ため息)


ティナ(端のロッカーで背中を向けながら)

「(……こ、これほんとに入るの?)

(やましい気持ちはゼロ!ゼロなんだけど!!)

(視界に女子がいる状況がもうダメなんだよぉぉ……!)

(落ち着け俺、深呼吸……。見ない、見ない、絶対見ない……!)

(……サラ、すげぇな……反射的に目が行くじゃねぇかッ!!)」


リリサ「ティナ?まだなの?」


ティナ「う、うん!今いく!いくけど!?」


(タオルで顔を隠しながら、意を決して温泉へ――)



---


(露天風呂)


(湯けむりの向こうに岩造りの湯船。

海風が涼しく、木の香りが混じる。遠くではカモメの声。)


ティナ「……ふぅ……」


(そっと肩まで沈みながら息を吐く)

(が、すぐに顔を上げる)

(目の前、リオナとカレンが湯に浸かって笑っている)


カレン「きもちい〜! 疲れ全部とれるね!」

リオナ「まるで天界の泉……神聖すぎて出たくありませんわ!」


サラ「最高〜☆ ギャル、整いましたっ!」


ティナ

「(うわぁ……やっぱ視界に困る……!)

(下手に目線動かしたら即アウト……)

(温泉で癒やしに来てんのに、気疲れしてどうすんだよ俺……)

(よし……端っこの岩陰、あそこなら……)」


(ティナ、そろ〜っと離れ、端の方に移動)

(木の影のほうで、ちょこんと体育座り)


リリサ(湯からちらりと見て)「……ティナ、なにしてるの?」


ティナ「い、いや!なんか、こっちの方が落ち着くかな〜って!」


サラ「おっ、照れてんの?ウブ〜☆」


ティナ「違う!ウブじゃなくて!!俺は…じゃなくてわたしはその……!」


リリサ(ジト目)「“俺”って言ってる時点でバレバレよ。」


ティナ「……ぐぬぬ。」



---


(みんなが湯船の真ん中で笑い合う)


カレン「ティナもこっちおいでよ!」


ティナ「だ、大丈夫!ここで……温泉の温度チェックしてるから!」


リオナ「まぁ、律儀ですわね……でも寂しくありませんの?」


ティナ「だいじょーぶ!わたし、ぼっち耐性高いから!」


サラ「なんの自慢よ☆」


(全員、くすくす笑う)


ティナ

「(……でも、なんかいいな。笑い声、心地いい……)

(この空間にいられるだけで、十分癒やされる気がする。)」



---


(しばし沈黙。波音だけが響く)


(リリサがそっと横に来て、微笑む)


リリサ「どう? 気持ちいいでしょ?」


ティナ「うん。……あったかくて、眠くなる。」


リリサ「ふふっ。あなた、こういう時がいちばん“この世界の子”の顔してるわ。」


ティナ「え?」


リリサ「いつも妙に達観してるけど、今は……ただの普通の女の子。」


ティナ「……そっか。普通、か。」


(照れくさそうに笑い、湯面に映る自分を見つめる)



---


(カレン、バシャッと水をかける)


カレン「ほらティナ〜、隅っこでボーッとしてると眠っちゃうよ!」


ティナ「うわっ!冷たっ!」


サラ「お?水かけバトル?やるぅ〜☆?」


リリサ「やらなくていいわよ!」


リオナ「まぁ!湯煙の決闘ですの!?」


ティナ「違う違う違うっ!!」


(湯気の中に笑い声が響く)



---


(空を見上げるティナ)


ティナ「(……気まずかったけど、来てよかったな。)

(こんな穏やかな時間、前の世界じゃなかったもんな……)

(まぁ……次入る時は、もっと心の準備してからにしよう……)」


リリサ「……その顔、やっぱり普通の女の子ね。」


ティナ「うるさいな……」


(湯けむりの向こう、夕空が淡く赤く染まる)


次回【花火と初恋】


今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪


ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!

でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」


☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨

ブクマ、評価をしてもらえると励みになります♪

それじゃ、いってらっしゃい!

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