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えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日  作者: ひなゆづ
中学生活編

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49/51

リリサの故郷

※今回は少し静かなお話です。


えるてん!は毎日午後8時に更新中!

『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は

毎朝6時に更新中!☀️


通勤・通学、朝ごはんのお供に

ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪

今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨



(湖畔の家、昼下がり。)


(空気は少し湿っていて、遠くで蝉の声が途切れ途切れに聞こえる。)

(湖面は陽の光を反射してきらきらと眩しく光っていた。

ティナはリリサの横で靴紐を結びながら首を傾げる。)


ティナ「今日は街に行くんじゃないの?」

リリサ(小さく微笑んで)「今日は……少し遠出するわ。」


リリサは肩掛けの鞄に小さな花束を入れている。

理由を告げないまま、ふたりは森の奥、普段は通らない道へと歩き出した。



---


(森の小道)


(木々の葉が陽をはじくたび、無数の光の粒が踊る。

草いきれが立ちのぼり、どこか甘い匂いが混ざる。)

(ティナは汗をぬぐいながら、リリサの背中を見つめていた。)


ティナ(心の声)「いつもより無口だな……

リリサ、なんか考えごとしてる?」


リリサ(振り返らず)「ティナ。……怖くない?」

ティナ「え?」

リリサ「この森、昔は“呪われた森”って呼ばれてたの。

……昔の戦で、たくさんの命が失われた場所。」


ティナ「怖くないよ。だって、リリサがいるから。」

リリサ(小さく笑う)「ふふ、あなたってほんと、変なこと言うのね。」



---


(森の奥・静かな丘)


(蝉の声が遠くで薄れていく。

木漏れ日の中に、小さな石碑がいくつも並んでいた。

リリサは膝をつき、花束をそっと置いた。

ティナは黙って隣に座り、風が頬を撫でる。)


リリサ「昔、私がいた村の跡地。……みんな、ここで眠ってるの。」

(風が吹く。緑の香りがふたりを包む。)


リリサ「ずっとね、怖かったの。

この場所に来るのも、思い出すのも。

けど……あなたが生まれてから、少し変わったのよ。」


ティナ「……変わった?」

リリサ(微笑んで)「うん。前は“失った家族”のことばかり考えてたけど、

今は“できた家族”のことを考えるようになった。――あなたのことよ。」


ティナ「そ、そんなの……俺、まだ何もしてないよ。」

リリサ「してるわよ。あなたが笑ってくれるだけで、家が明るくなるもの。」



---


(帰り道)


(西の空が茜に染まり、蝉の声がひぐらしに変わる。

湖面は金色に輝き、波が静かに寄せては返す。)


ティナ「……ねぇ、リリサ。」

リリサ「なぁに?」

ティナ「“家族”って、血が繋がってなくても、家族って言っていいのかな。」

リリサ「――ええ。むしろ、想いで繋がってるほうが、ずっと強いわ。」


ティナ「……そっか。じゃあ、リリサはやっぱり“お姉ちゃん”だな。」

リリサ「……ありがと、ティナ。」


(沈みゆく夕陽の中、二人の影が長く伸びて寄り添う。

その上を、夏の風がそっと撫でていった。)


次回【夏休み編突入!】



今日も『えるてん!』を読んでくれてありがとう♪


ティナ「学校とか仕事とか……正直めんどくさいよね!

でも“えるてん!”読んで、今日も笑顔で行こーっ!」


☀️毎朝6時更新!通勤・通学前のひとときに、ティナたちのまほうをどうぞ✨

ブクマ、評価をしてもらえると励みになります♪

それじゃ、いってらっしゃい!

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