白亜の邸宅と白銀のお嬢様
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(ヴァレンシュタイン邸・中庭テラス。
噴水の音が静かに響く。ティナは出された紅茶を手にしてキョロキョロ。)
ティナ「……うわ、なにこの紅茶……香りが上品すぎる……!
飲むたびに“お嬢様”って声が聞こえてきそう……!」
(カップを両手で持ちながら感動)
(そこへ、白銀のウェーブ髪が陽光を反射して輝く少女が現れる。)
---
???「先ほどはお父様が大変ご無礼をいたしましたわ。」
ティナ「あ、いやいや!大丈夫だよ!助けてくれてありがと!」
???「お父様はいつもあのようでして……“恋とは詩のようなものだ”と申して、
誰にでも詩を贈るのですの。」
(小さくため息)
ティナ「(いやそれナンパの詩だよ……)」
---
リオナ「改めまして、わたくしヴァレンシュタイン家の娘、
リオナ・ヴァレンシュタインと申しますの。」
ティナ「ティナ・フローレンス!よろしくね、リオナ!」
リオナ「まぁ……握手、というのですわね?素敵なご挨拶ですわ。
どうぞよろしくお願いいたします、ティナ様。」
(両手でそっとティナの手を握る)
---
(リオナの後ろで控える女執事)
リオナ「こちらは、わたくしの執事――グレイでございますの。」
グレイ「初めまして。グレイ・グレイシアと申します。
本日は当家の主が、大変な無礼を働きましたことをお詫び申し上げます。」
ティナ「あ、いえっ!全然大丈夫です!」
グレイ「……お嬢様、次からは旦那様が“詩的暴走”をなさる前に、
ワタクシが必ず止めます。」
リオナ「お願いいたしますわ、グレイ。」
ティナ「(絶対もう慣れてるやつだ……)」
---
(ティーテーブルにて、紅茶を飲みながら談笑)
ティナ「にしても、すっごいお屋敷だねぇ。庭だけで街作れそう!」
リオナ「ありがとうございますわ。けれど……わたくし、この屋敷の外に出たことがございませんの。」
ティナ「えっ!? 一度も!?」
リオナ「ええ。お父様がとても心配性でして……。
勉強も全て家庭教師の先生に教わっておりますの。」
---
ティナ「そっかぁ……でもね、外は楽しいよ!
お店もいっぱいあるし、美味しいものもたくさんあるんだ!
学校に行けば同い年の子もいっぱいいるし、すぐ友達もできるよ!」
リオナ「……お友達……ですの?」
ティナ「うん! いろんな話して、笑って、時々ケンカして、
でも最後は仲直りしてさ。そういうの、すっごくいいんだよ!」
リオナ「まぁ……なんて素敵なのでしょう……。
わたくしも、そんな日々を過ごしてみたいですわ。」
---
(ティナがにっこり笑う)
ティナ「きっと叶うよ。だってリオナ、すごく優しいし!」
リオナ「ティナ様……ありがとうございますわ。」
(小さく頬を染める)
ティナ「あ、でも“様”はいらないって!ティナでいいよ!」
リオナ「ふふっ……ですが、ティナ様はティナ様ですもの。」
ティナ「……う、まぁ……好きにして……」
(グレイ、静かにお茶を注ぎながら目元で笑う)
---
(夜。ヴァレンシュタイン邸・豪華すぎる食堂。
長いテーブルの端と端で、父と娘が静かに食事をとっている。)
---
リオナ「……お父様。」
ヴァレンシュタイン「なんだね、愛しのリオナ。
フォークの持ち方が少し変わったかい?新しい流行かね?」
リオナ「違いますの。……お話がありますの。」
ヴァレンシュタイン「なんと!?まさか結婚の申し込みか!?早い!父はまだ心の準備が!」
リオナ「違いますのっ!!」
(バンッとテーブルを叩く。グレイが後ろでわずかに驚く)
---
リオナ「わたくし、学校へ行きたいのですわ。」
ヴァレンシュタイン「……が、がっこう……? “がっこう”とはあの、“庶民が朝から机に囚われる修行場”のことかね!?」
リオナ「修行場ではありませんの! 勉強をしたり、お友達と過ごしたりする場所ですの!」
ヴァレンシュタイン「ふむ……“友達”か……。父は君の最良の友だと思っていたのだが……。」
リオナ「お父様は……お父様ですわ!」
(顔を真っ赤にして力説)
---
リオナ「今日、ティナ様という方とお会いしましたの。
とても明るくて、優しくて、笑顔が素敵な方ですの!」
ヴァレンシュタイン「……ティナ、だと?」
(すっと目を細める)
ヴァレンシュタイン「まさかあの――リリサ殿の代わりに来た小さな可憐な天使のような――」
リオナ「お父様!表現がいちいち長いですわ!」
(ツッコミが鋭い)
---
リオナ「ティナ様がおっしゃっていましたの。
学校には同じ年頃の子がたくさんいて、毎日笑って過ごしていると。
わたくしも、そんな日々を過ごしてみたいのです!」
ヴァレンシュタイン「むぅ……しかしリオナ……。
外の世界は危険に満ちている。紫外線、埃、男子生徒……!」
リオナ「男子生徒は埃と同列ではありませんの!」
グレイ「……お嬢様、言葉のチョイスが適格です。」
---
ヴァレンシュタイン「だいたい君は純粋すぎる!
もし男子が“リオナ様、今日もお美しい”などと口説いたらどうするね!?」
リオナ「お礼を申し上げますわ!」
ヴァレンシュタイン「違う!“父に報告します”と言うのだ!!」
リオナ「わたくしは密告装置ではございませんの!」
---
(グレイが控えめに一礼)
グレイ「旦那様。お嬢様の社交経験としても、外の学びは有意義かと存じます。」
ヴァレンシュタイン「ぐっ……グレイまで!?」
グレイ「なお、護衛兼登校監視としてワタクシが同行いたしますので。」
ヴァレンシュタイン「……むぅぅ……完璧な包囲網ではないか……。」
---
(リオナが椅子から立ち上がり、真っ直ぐに父を見つめる)
リオナ「お父様。どうかわたくしを信じてくださいまし。
この屋敷の外の世界を、わたくしの目で見てみたいのですの!」
(ヴァレンシュタイン、一瞬目を伏せる)
ヴァレンシュタイン「……リオナが、そんな顔をするようになったとはな……。
わかった。だが――男子に触れたら即刻退学だ!」
リオナ「触れませんの!?」
ヴァレンシュタイン「“目が合ったら”も退学だ!」
リオナ「理不尽ですわ!!」
(――食堂にリオナの声がこだまする)
次回【学校に現る高貴なお嬢様】
【評価のお願い】
面白かったら、下の☆☆☆☆☆から応援してもらえると嬉しいです!




