真夏の日の使いっ走り
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(夏の始まり、昼。照りつける日差し、遠くで鳴く蝉。
ティナ、午前授業のため制服のまま家に帰ってくる。)
ティナ「あっづ〜〜……!地面から熱気出てる……これ溶岩じゃない……?」
(玄関に倒れ込む)
ティナ「ただいま……もう無理……」
リリサ「おかえり。お昼食べたら、ちょっとおつかいお願いしたいの。」
ティナ「絶対やだ!今日はもう動けない!このまま床と一体化する!」
リリサ「お願い、街の丘の上にあるお屋敷、
“ヴァレンシュタイン邸”に、このポーションを届けてほしいの。」
(小箱を差し出す)
ティナ「……お屋敷って。丘の上って。絶対暑いじゃん。」
リリサ「お駄賃、上乗せするから。」
ティナ「……いくら。」
リリサ「アイス2個。」
ティナ「3個。」
リリサ「……交渉成立。」
ティナ「……くっ、交渉上手め……!」
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(数十分後。ティナ、汗びっしょりで坂を登る)
ティナ「……絶対怪しい。リリサが“お駄賃上乗せ”とか言う時は、ろくな事がない。」
(額の汗を拭いながら)
ティナ「しかも丘の上って……これ、もうおつかいってより修行でしょ……。
てかアイス3個で命懸けの任務請け負ってんだけど俺……」
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(蝉の声がジリジリ響く)
ティナ「はぁ……坂の角度90度あるよこれ……もう登山だよ……。
山岳部かよ……。水筒持ってくりゃよかった……。」
(途中で休憩しながら、手にしたポーションの箱を見つめる)
ティナ「こんな高温多湿な環境で薬運んで大丈夫?
いや、絶対溶けないけど……俺が溶ける……。」
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(さらに歩くと、丘の頂上に巨大な門と真っ白な屋敷が現れる)
ティナ「……でっか!? 屋根キラッキラしてる!?
え、なにこの建物、金持ちのテンプレ?
庭だけで俺ん家10軒分あるんだけど!?」
(門前で立ち尽くすティナ)
ティナ「えっと……チャイム……とか……ある?」
(見上げてみる)
ティナ「……ない。てか、デカすぎてどこが入り口かわかんない。」
(しばし沈黙)
ティナ「……いやこれ、絶対庶民の来るとこじゃないでしょ。」
(汗をぬぐいながら、しぶしぶ門を押す)
ティナ「よし、届けたら即帰る!アイス3個、早く食べたい……!」
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(白亜の大邸宅、ヴァレンシュタイン邸。
ティナ、汗だくのまま門を押して入ると、涼しい風が頬をかすめる。)
ティナ「……す、涼しい……これは魔法……?」
中庭を抜けると屋敷の玄関が見えてきた。
(玄関前に立っていたのは、黒の燕尾服に身を包んだ女執事。
背筋がピンと伸び、無表情ながらどこか気品を感じさせる。)
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女執事「失礼ですが、どちら様でしょうか。」
ティナ「あ、あのっ、ポーションを届けに来ました!リリサから預かってて……!」
女執事「……フローレンス様の使いの者ですか。なるほど。では、こちらへ。」
(静かにお辞儀をして、ティナを屋敷の中へ案内する)
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(廊下の長いこと長いこと)
ティナ「(長ぇ!廊下が永遠に続いてる!どこまで行くのこれ!?)
(壁の絵、全部金フレームなんだけど!?一枚で俺の全財産吹っ飛ぶやつじゃん!)」
(案内された先は広々とした応接間。ティナはふかふかのソファにおそるおそる座る。)
ティナ「うわ、座るたびに沈む……これ絶対高いやつだ……。
なんでこんな緊張すんの……。ただのおつかいだよね……?」
(そこへ、重厚な扉が開く音)
???「おや……今日はリリサ殿ではないのか。」
(現れたのは、金髪をオールバックにし、キザな笑みを浮かべた中年紳士。
やたらと胸元が開いたシャツ。指にはやたらキラつく指輪。)
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ヴァレンシュタイン「なるほど……なるほど……。
あのリリサ殿の代わりに来たのが、こんなに可憐なお嬢さんとは……!」
(指を鳴らす仕草)
ヴァレンシュタイン「まるで風に揺れる白百合のようだ……。
この出会いもまた、運命という名の魔法なのだろうね。」
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ティナ「えっ!? い、いやあのっ!?わたしはただの配達で……!」
ヴァレンシュタイン「ふふ、照れる姿もまた美しい……。
良ければお茶でもどうかね? 君のような可憐な花には、紅茶の香りがよく似合う。」
ティナ「(あーこれだ!これ絶対リリサが逃げた理由!!)
(しかも俺を身代わりに出したな!?ズルいぞお姉ちゃーん!!!)」
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ヴァレンシュタイン「リリサ殿にもいつも申し上げているがね、
私は誠実な男だ。愛をもって接する。年齢差など些末な問題……!」
ティナ(涙目)「(だからなんの話してんのこの人ぉぉぉ……!!)」
(ティナ、完全に挙動不審)
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(その時、後方から甲高い声)
???「お父様っ!!」
(パタン、と扉が開く。白銀のウェーブ髪を揺らして、
小柄で上品な少女が現れる。)
???「お客様に何をなさってますの!?困っておられるではありませんの!!」
(ティナ、救いの女神を見た表情)
ティナ「た、助かったぁぁぁ!!」
次回【お嬢様初登場ですの!】
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