魔王と魔王国
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(夕方。ティナとリリサ、いつものようにティータイム。)
ティナ「なぁ〜んかさぁ、この世界って平和だよねぇ。」
リリサ「……急にどうしたの?」
ティナ「だってさ、異世界転生って言ったらさ、普通“チート能力で無双して魔王倒してハーレム!”とかそういう展開じゃん?」
リリサ「展開て。」
ティナ「いやでもホントに。こっちの世界、めっちゃ穏やかだし、コンビニないけど暮らしやすいし。
……そもそも“魔王”とかいないの?」
(リリサ、紅茶を置いて微笑む)
リリサ「いるわよ。」
ティナ「……は?」
リリサ「“魔王さま”はちゃんといらっしゃるわ。」
ティナ「おいおいマジか!やっぱりいたのか魔王!?」
リリサ「でも、あなたが想像してる“世界征服する悪の支配者”とはちょっと違うかもね。」
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(リリサ、立ち上がって棚から地図を広げる)
リリサ「ほら、これがこの大陸の地図。
東側が王国、西側が魔王国。
その間にある中央山脈が国境線ね。
で、ここ——南の湖畔の街。これが私たちの街。山脈から少し下ったところ。
王国側に近いけど、もともと交易が盛んな地域でね。
魔王国と王国の両方から人が行き来する、いわば“中立地帯”なの。」
ティナ「へぇ〜、なるほどねぇ。……てか、その魔王さまってどんな人なん?」
リリサ「ふふっ、会ったらびっくりするわよ。
見た目は威厳があって、でも優しい平和主義者。笑い方は“クックックッ”。」
ティナ「あ、笑い方クセ強ぇ!」
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リリサ「魔王国は今の魔王さまになってから、戦争をやめて王国と同盟を結んでるの。
国益の中心は“輸出産業”ね。
薬草、鉱石、はちみつ——そして観光業。」
ティナ「はちみつって……」
リリサ「そう。ティナがこの前食べて“うまっ!”って言ってた“はちみつバターサンド”、
あれ、魔王国産よ。“養蜂”が魔王さまの趣味なの。
兵士たちの訓練場の裏に巨大なハチの巣箱が並んでるらしいわ。」
ティナ「えぇっ!?あの味、魔王さまの趣味の産物だったの!?」
ティナ「魔王、めっちゃピースフル!!」
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リリサ「魔王さまは言ってたわ。
“自軍の兵士にも敵軍の兵士にも家族がいる。
だから、争いではなく会話で問題を解決するべきだ”って。」
ティナ(ぽかん)「……魔王が一番人間的なんだけど。」
リリサ「それで今は、戦じゃなくて“交易”で国を豊かにしてるの。
魔族が幸せに働ける平和国家。
労働制度もすごく整っててね——」
リリサ(説明モードON)
「1日の労働時間は7時間。
有給休暇25日、年間休日125日。
産休・育休あり、しかも男性育休取得率100%。」
ティナ(即ツッコミ)「ホワイト企業か!!」
リリサ「スローガンは“仕事より家族を大切に”。」
ティナ「魔王国、入社したい。」
リリサ「福利厚生もバッチリよ。養蜂体験もできるらしいわ。」
ティナ「魔王、社員旅行まで完備!?」
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ティナ「……ねぇリリサ、もういっそさ。
魔王国に引っ越さない?」
リリサ「あら、残念だけどそれは無理ね。」
ティナ「え、なんで?向こうの方が圧倒的に住みやすそうじゃん!」
リリサ「魔王国は、魔族と魔物しか住めないの。
観光や商用での出入りは自由だけど、定住は許可されていないのよ。」
ティナ「えぇ〜……そこは転生者特権でなんとか……」
リリサ「転生魔法が違法なの、もう忘れたの?」
ティナ「……ぐぬぬ。」
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リリサ「でも、観光で行くのはおすすめよ。
“魔王国遊園”とか、“サキュバスの館”とか。」
ティナ「サキュバスの館、観光地扱いすんな。」
リリサ「国民満足度98%らしいわよ。」
ティナ「残り2%は何!?」
リリサ「“サキュバスの館が混んでいた”らしいわ。」
ティナ「平和の極みだなこの世界!!」
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(リリサが紅茶を飲みながら、ふと)
リリサ「でもティナ、あなたも十分チートじゃない。」
ティナ「えっ!?やっぱなんか能力あるの!?」
リリサ(にっこり)「チート級に可愛い。」
ティナ(真っ赤)「も、もうっ!!」
リリサ(肩をすくめて)「現実を受け入れなさい、チート美少女。」
ティナ「うるさいっ!!」
(窓の外、湖畔を渡る風がふわり。)
次回!【ティナとカレンのファッションセンス-平和な世界に必要なのはセンスと羞恥心】
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