潜入!獣人喫茶299!〜威厳、くまたんに敗る〜
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(週末。朝から雲ひとつない青空が広がっていた。街の通りには雪が残り、光を反射してきらきらと輝いている。人々の会話と甘い焼き菓子の香りが混ざり合い、週末の賑わいを告げていた。)
(ティナは息を弾ませながら通りの角を曲がる。)
ティナ「お〜い! カレン、リオナ〜! お待たせ〜!」
(店の前では、すでに二人が立っていた。店の看板には可愛らしい肉球のロゴ――“獣人喫茶299(にくきゅう)”の文字が輝いている。)
カレン「ティナ遅いよ〜。どれだけ準備に時間かかったの?」
ティナ「ごめんごめん、ちょっと寝坊しちゃって……」
リオナ「うふふ、もしかして――今日が楽しみで眠れなかったのかしら?」
ティナ「正解!」
(ティナの声に、カレンとリオナが顔を見合わせて笑う。
扉の向こうからは、カランと心地よい鈴の音が響いた。)
ティナ「……いよいよだね。」
カレン「うん! “本物の獣人喫茶”がこの街にできるなんて夢みたい!」
リオナ「それでは皆さま――“癒しのもふもふ空間”へ、参りましょうか♪」
(三人は胸を高鳴らせながら、新しく開いた扉の中へと足を踏み入れる――)
---
(白いレースのカーテンがふわりと揺れ、店内からは甘い香りが漂ってくる。
扉をくぐると、ピンクを基調としたゆるふわな内装――ハート形のテーブル、肉球模様のクッション、そして壁にはリボンの飾りがずらりと並んでいた。)
(可愛らしい音楽と笑い声が響く中、様々な動物耳の獣人たちがメイド服姿で接客している。)
猫耳獣人「にゃ〜ん♡ いらっしゃいませ〜♡」
カレン「お、おお……思ってたより萌え萌え空間……」
リオナ「ま、まるで夢の中に迷い込んだようですわね……(少々まぶしすぎますわ……)」
(笑顔を保ちながら、若干後ずさる)
ティナ(目を輝かせて)「たまんねぇな! おい!」
カレン「ティナ、鼻の穴広がってる!!」
リオナ「ティ、ティナ様!? 落ち着いてくださいまし! 淑女が“たまんねぇ”などとっ!」
(そこへ、猫耳のウェイトレスがトレーを抱えて近づいてくる。)
猫耳獣人「お嬢様方、ごあんにゃ〜い♡ 本日のお席はこちらですにゃ〜♪」
(猫耳獣人の尻尾がふわりと揺れ、鈴の音がチリンと鳴る。
ティナは目を輝かせ、リオナは凍りつき、カレンは周りをキョロキョロし、挙動不審。)
---
(ティナたちは席に案内され、ふかふかのピンク色のソファに腰を下ろした。店内のあちこちでは獣人たちが笑顔でお客をもてなしている。ハートのランプが柔らかく灯り、空気はほんのり甘い香りに包まれていた。)
カレン「やっぱり本物は全然違うね……萌えの暴力がすごい……」
リオナ「そ、そうですわね……店員の方たちの笑顔と店内が……まぶしいですわ……
少し目がチカチカしますの……」
ティナ(鼻息荒め)「ここが……天国……! ここが幻想郷かぁ!!」
カレン「落ち着けおっさんエルフ!!」
リオナ「とりあえず、何か注文いたしましょう?」
(テーブルの上には、肉球柄のランチョンマットとピンクのメニュー表。
ページを開くと、ハートやリボンのイラストが目に飛び込んでくる。)
カレン「“くまたんオムライス”、“わんわんバーグカレー”、“癒しのにゃんにゃんパフェ”……」
ティナ「なんだこの破壊力……読むだけで血糖値が跳ね上がる……!」
リオナ「……この“わんわんバーグ”というのは、犬のお肉を使用しているのかしら……?」
カレン「ハンバーグが犬の形してるだけだから!怖い事言わないで!!」
ティナ(ページをめくりながら)「あっ、これ見て! “もふもふセット”!
選ばれしお客さんだけ、獣人スタッフが“癒しのもふもふハグ”してくれるって!!」
リオナ「ハ、ハグですって!? な、なんて大胆なサービスですの!」
カレン「頼むなよティナ、絶対頼むなよ!!」
ティナ「いや……もう頼む以外の選択肢がない!」
(その瞬間――)
猫耳獣人「お待たせしましたにゃ〜♡ 本日担当の“みぃ”ですにゃ♪」
(トレーを持った猫耳メイドがテーブルにやってくる。
ふわふわの尻尾が左右にゆらゆら揺れて、首元の鈴がちりんと鳴った。)
ティナ(即死)「ッッ!!」
カレン「うわティナ、目のハイライト消えた!!」
リオナ(引きつり笑い)「と、とても可愛らしい店員さんですわね……ええ、とても目に鮮やかで……!」
猫耳獣人「にゃふふ♡ ご注文お決まりになりましたかにゃ〜?」
ティナ(震える声)「あ、あの……“もふもふセット”ひとつ……!」
カレン「やっぱり頼んだぁぁ!!」
リオナ「ええと……わたくしは“白うさたんラテ”をお願いできますかしら?」
猫耳獣人「はぁ〜い♡ ミルク多めでお作りしますにゃ♪」
カレン「じゃああたしも“カフェラテセット”で!
えっと……普通のやつで大丈夫です!」
猫耳獣人「かしこまりましたにゃ♡
もふもふセット、白うさたんラテ、ラテセットですにゃ〜♪」
(猫耳獣人が軽やかに去っていく。尻尾がふわりと揺れ、首元の鈴がちりんと鳴った。)
ティナ(恍惚)「あの尻尾……尊い……この世の幸福、ぜんぶ詰まってる……」
カレン「ティナ、また半分魂抜けてるよ!」
リオナ「ええ……瞳がまるで“猫じゃらし”に釣られた猫そのものですわね……」
ティナ「“にゃ〜ん♡”が脳内でリピート再生されて止まらない……」
カレン「音の幻聴!? ティナ戻ってこーい!!」
---
(注文を終えてまったりと待つティナたち。
――そこへ、突然ドアの鈴が鳴った。)
カランッ──。
(入ってきたのは、黒いローブに身を包んだ大柄な男。
背筋を伸ばし、ただ立っているだけで空気が張り詰める。
店内のBGMが一瞬小さく聞こえた気がした。)
ティナ「えっ!?ま、魔王さま!?!?」
カレン「えっ!?うわほんとだ!!!」
リオナ「ま、魔王さまって……魔王国の頭首の、あの魔王さまですの!?」
ティナ「そうそうその魔王さま!!なんでこの“ゆるふわ空間”に降臨してるの!?」
(周囲の客たちがざわざわし始める。)
「うわっあの人でっか!」「何か暗黒オーラ出てる」「“威厳が擬人化”してきた?」
魔王さま(重々しい声で)「クックックッ……良い店だな……」
(席に案内され、ローブの裾を整えながら椅子に腰掛ける魔王さま。)
(テーブルがわずかに“ギシッ”と音を立てた。)
魔王さま(メニュー表を手に取り)
「ふむ……“わんわんバーグカレー”……“にゃんにゃんパフェ”……
クックックッ……どれも面白い名だな……」
(少し間を置いて)
魔王さま「では……この“くまたんオムライス”を一つ、頼もうか。」
(犬耳の店員が元気よく駆け寄る)
犬耳獣人「かしこまりましたワン♪ ケチャップのおまじないがオプションで選べるワン♪」
魔王さま「……おまじない、だと?」
犬耳獣人「はいっ♡ ハートとかワンワンとか、愛情をこめて書きますワン♪」
魔王さま(わずかに笑みを浮かべ)
「クックックッ……面白い。では、頼もうか。」
(犬耳獣人「わふっ♪」と笑顔で走り去る。)
ティナ(小声で)「魔王さま……なんか馴染んでる!?!?」
カレン「ケチャップのおまじないとか受け入れるの!?器でけぇ!!」
リオナ「威厳と可愛さが共存しておられますわ……!!」
ティナ「これはもう獣人達より魔王さまを観察するしかない!」
カレン「やっぱそうなる!?」
---
(数分後。魔王さまのテーブルに“くまたんオムライス”がそっと運ばれてくる。)
(チキンライスは熊のキャラクターの形に整えられ、ふわとろ卵がまるで掛け布団のように包み込んでいる。
プレートの端にはケチャップで小さな足跡が描かれていた。)
犬耳獣人「お待たせしましたワン♡
こちら“くまたんオムライス”ですワン♪」
(魔王さま、目を細めてしばし無言。
あの威厳の塊が、目の前の“くまたん”と真正面から向き合っている。)
魔王さま「……なんと……これは……可愛らしい料理だな。」
犬耳獣人「では、おまじないをかけますワンっ♪」
(姿勢を正し、指をハートの形にして──)
犬耳獣人「もえ〜♡ もえ〜♡ キュンっ♪」
(リズミカルな掛け声とともに、ケチャップでくまたんの掛け布団にハートが描かれていく。)
(その瞬間、店内の空気が静止。
誰もが固唾をのんで魔王さまの反応を見守っていた。)
魔王さま「……クックッ……クククク♡」
(威厳陥落。魔王さま、頬を赤らめる。)
ティナ「堕ちた!?魔王さま今堕ちた!!!」
カレン「完全に萌えの魔法に取り込まれた!!」
リオナ「ま、魔王さま……表情が柔らかく……!」
(魔王さま、スプーンを手に取り、くまたんの耳の部分をひと口。)
魔王さま「……うむ……この甘み……この愛……確かに、心に染み渡る……クックックッ…」
ティナ「“愛”感じちゃってるよ!!?」
カレン「魔王国の威厳どうしたの!!!」
リオナ「ですが……とても幸せそうなお顔をされていますわね……」
(周囲の獣人スタッフたちは拍手と歓声を上げる。)
猫耳獣人「やったにゃ〜♪ 萌え萌えスマイルいただきましたにゃ〜♡」
(店内中がふわふわした空気に包まれる。)
ティナ「まさか……萌えの力が、魔王すらも救うなんて……!」
---
(店を出て、外の冷たい空気に当たる三人。
カフェの扉の向こうからは、まだ楽しげな笑い声と鈴の音が聞こえてくる。)
ティナ「……なんか、凄いもの見ちゃったね……」
カレン「うん……“魔王さまが萌えに浄化される瞬間”とか、一生見られないやつ……」
リオナ「わたくし、歴史の一ページを目撃した気分ですわ……」
ティナ「いやほんと、“くまたんオムライス”にあそこまで感動する人初めて見た……」
カレン「しかも笑顔だったよね。あの魔王さまが!」
リオナ「世界が少し、平和になった気がしますわね……」
ティナ「“萌えは国境を越える”って、こういうことなんだね……」
(三人、顔を見合わせて笑う。)
ティナ「さ、帰ろっか。リリサに報告したら絶対信じてくれないだろうけど。」
カレン「証拠写真撮っとけばよかった〜!」
リオナ「でも……あの光景は、わたくしたちの記憶の中に永遠に残りますわ♪」
(雪道を歩く三人の足跡が、街の通りへと続いていく。)
――その日、湖畔の街に新たな伝説が生まれた。
“魔王さま、獣人喫茶に堕つ”――である。
次回【女の子らしさってなんなの?】
【評価のお願い】
面白かったら、下の☆☆☆☆☆から応援してもらえると嬉しいです!




