雪と笑いと宿題未遂
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(ヴァレンシュタイン邸・応接間。外はしんしんと雪が降り、庭園は一面の銀世界。暖炉の炎がぱちぱちと音を立て、部屋の空気をやさしく温めている。)
ティナ「よぉし、今日で宿題終わらせるぞー!」
カレン「冬休みももうすぐ終わっちゃうもんね……」
リオナ「わたくしはもう、ほとんど終わってますわよ。」
ティナ「……それ、グレイさんがやったんじゃなくて?」
リオナ「……なっ……そ、そんなことありませんわ!」
カレン「動揺してる!」
ティナ「完全に図星だねぇ……“終わってる”って、“やってもらった”の間違いじゃない?」
リオナ「ち、違いますわっ!!
わたくしはただ……少し、監修をお願いしただけですのっ!」
ティナ「監修て……原作者より監修の方が仕事してるやつじゃん。」
カレン「リオナって意外と庶民派だよね。」
リオナ「ど、どういう意味ですの!?!?」
(暖炉の火がパチッと弾ける。三人の笑い声が重なった。)
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(しばらく三人、黙ってペンを走らせる。暖炉の火がぱちぱちと小さく弾ける。)
カレン「……(カリカリ)……ふぅー。ねぇティナ、雪、けっこう積もってきてるよ?」
ティナ「見ない見ない、外見たら負けだよ。集中集中。」
リオナ「“集中”と言いながら、ペンを上下にしか動かしてませんわよ?」
ティナ「うっ……!」
(窓の外では、風が雪を巻き上げ、庭が真っ白に染まっていく。)
カレン「うわー……雪だるま作れそう。」
ティナ「やめて、フラグ立てないで。」
リオナ「ですが……外で温かい紅茶を片手に雪を眺める、というのもまた風情がありますわね。」
カレン「いいねぇ〜! それやろう!!」
ティナ「おい!! 勉強どこいったの!?!?」
カレン「だってさ〜、“風情”だよ!? リオナが言ってたし!」
リオナ「……え、わたくしのせいですの!?」
(ティナが額を押さえてため息をつく)
ティナ「……ほんと、リリサが見たら怒るよ。」
(カレンが外を覗き込みながら)
カレン「怒られる前に遊ぶのがコツ!」
ティナ「それ悪魔の理論だよ!」
(ティナが言い終えるより早く、カレンは立ち上がってコートを羽織る)
カレン「さぁ、冬の戦いの始まりだー!!」
ティナ「待てぇぇぇっ!!」
リオナ「……ふふっ、でしたらわたくしも優雅に参戦いたしますわ。」
(結局、三人はノートを閉じ、雪の庭へと駆け出していく――)
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(ヴァレンシュタイン邸・庭園。白銀の世界。息が白く弾け、雪の上を足音が駆け抜ける。)
カレン「いっくよーーっ!!」
(豪速球ッ!!)
ティナ「うわっ!?ちょっ、待っ――」
ドゴォッ!!!!
ティナ「顔面ッ!?!?!?」
(ティナ、雪まみれでよろめく)
カレン「ふっふ〜ん♪ 手加減したから大丈夫だよ〜!」
ティナ「今のどこが!? 鼻の中まで雪入ってきたんだけど!?」
(その横でリオナが雪玉を軽く整え――)
リオナ「それでは……そぉ〜れっ♪」
(ふわっ…… 雪玉は放物線を描き――)
ティナ「……どこ投げてんの!?」
(優雅に飛んでいき、全く関係ない木の枝に命中)
リオナ「……当たりましたわっ!」
ティナ「違う意味でね!!」
(カレンが満面の笑みで雪をかき集める)
カレン「よーし、次は本気出す!」
ティナ「いや、今までも充分殺意あったけど!?」
(カレン、土属性の魔力を両腕に込め、腰を落とす)
カレン「“大地の加護”――発動っ☆」
(雪玉生成→連射!)
シュバババババババッッッ――!!!
ティナ「ちょっ!?!? マシンガンなの!?!?!?」
(木の陰に隠れて回避しながら)
ティナ「カレンの弾幕が凄すぎて反撃できないッ!!」
(雪が弾け、木々の陰に白い煙幕が広がる)
リオナ「ふふっ……“戦場でも紅茶の心を忘れぬこと”、これが貴族の嗜みですわ。」
ティナ「飲んでる場合じゃないからぁぁぁ!!」
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(カレンの弾幕が雪煙を巻き上げる。雪玉が木をえぐり、空中で弾ける)
リオナ「ふふっ……ならば、わたくしも“本気”を出す時ですわね。」
(リオナ、両手を胸の前で組み、優雅に詠唱)
リオナ「風よ、わたくしの紅茶を冷まさぬ程度に――《ブリーズ・ミスティア》!」
(ふわり、と風が舞い上がり……カレンの雪玉が空中で軌道を逸れる)
ティナ「おぉ!?風で弾をそらした!?」
リオナ「これぞ“お嬢様の防衛魔法”。無駄な力は使わず、優雅に制すのですわ。」
カレン「ふっ……さすがリオナ、やるね!」
(カレン、雪をすくい上げながらニヤリ)
カレン「じゃあ次は……“対貴族モード”でいくよっ!!」
ティナ「待って!? そのモード絶対物騒!!」
(カレン、両手に魔力を込め、足元に小さな魔法陣が浮かぶ)
カレン「《アース・ショット・バースト》ッ!!」
(地面が軽く震え、周囲の雪が一斉に弾け飛ぶ)
ズババババババッ!!!
ティナ「マシンガンどころか迫撃砲になってるぅぅ!!」
(リオナ、再び詠唱)
リオナ「風よ、わたくしに優雅なる壁を――《ウィンド・カーテン》!」
(透明な風の膜が張られ、雪玉を弾く!)
ティナ「リオナ!?普通に強い!!」
リオナ「当然ですわ。“令嬢は護身も嗜み”と、お父様が申してましたの。」
カレン「うぉぉぉ負けてられない!!」
ティナ「もう宿題の気配ゼロだよぉぉぉ!!」
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(リオナの《ウィンド・カーテン》が雪玉の嵐を防ぎきった直後――)
ティナ「こうなったら――わたしも風使いの意地、見せてやるっ!!」
(両手を前に突き出し、魔力を集中)
ティナ「風よ、少しだけ……カレンに味方してあげてぇぇぇ!!」
カレン「なんで!?」
ティナ「間違えた! 味方すんなぁぁ!!」
(風が逆巻き、雪を巻き上げながらティナの周囲をぐるぐると回りはじめる)
ティナ「いっけー! 《ウィンド・サイクロン・スノウミックス》!!」
(どこかで聞いたことのあるようなネーミングの魔法が炸裂)
ビュオオオオオオオオオオオ――ッ!!!
(渦を巻いた風が雪を巻き上げ、カレンめがけて突撃!)
カレン「うわっ!? なにこれ!? 視界ゼロ!!?」
ティナ「どうだぁ! これが“宿題サボって練習した成果”だぁっ!!」
リオナ「堂々とサボり宣言してますわこの方!!」
(雪嵐の中、ティナの髪と耳が風になびく。風に乗った雪がきらきらと光る。)
カレン(雪嵐に巻き込まれて)「うわぁぁぁ!雪が!!服の中まで入ってくる!!」
ティナ「へっへーん、わたしの風魔法はどうだぁ!」
カレン「甘いよティナ!その余裕が命取りだぁぁぁ!!」
(カレン、反撃の雪玉を投げる――)
ドゴォォォッ!!!
ティナ「ひゃぁぁぁぁ!?!? 顔面セーフ!!ギリギリセーフ!!」
リオナ「まるで戦場ですわ……!」
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(ティナ、カレン、リオナ――三人とも全身真っ白。髪にも雪、コートの裾にも雪。)
ティナ「ぷはっ……も、もうムリ……!寒いのに暑い……!!」
カレン「うひゃひゃっ!!ティナ、顔真っ白!!鼻どこいったの!?!?」
ティナ「カレンの方こそ!眉毛凍ってるから!!」
リオナ「ふ、ふふっ……お二人とも……あははっ……も、もうやめましょうってばぁ……!」
(三人、雪の上にばたんと倒れ込む。)
ティナ「……はぁ〜……疲れた……けど楽しかったぁ……」
カレン「ね〜!冬って最高だね!」
リオナ(小さく笑って)「……宿題、ひと文字も進みませんでしたわね……」
……沈黙。
ティナ「……まぁ、冬休みまだあるし?」
カレン「……明日から本気出すし?」
(リオナ、呆れて小さくため息。)
リオナ「……でも、こうして笑っていられるなら……宿題より雪遊びの方が楽しいですわね。」
ティナ&カレン「……うん!」
(雪の上、三人の笑い声が白い息と一緒に空へ溶けていく。)
――ヴァレンシュタイン邸の庭には、笑い声と、三つ並んだ雪の天使の跡が残った。
後日、宿題の山と筋肉痛で嘆くティナとカレンだったが、それはまた別のお話
次回【緑のモ〇スター】
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