暴走ペンとディスられエルフ
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(昼下がり。窓の外では雪がしんしんと降っている。)
(ティナの部屋。机の上にはノートと教科書が山積み。)
ティナ「……うぅ、眠い……宿題ってなんでこんなにつまんないんだろ……」
(シャッシャッ――ペンを走らせる音)
ティナ「えーっと、魔法史のレポート“転生魔法の危険性について”……なんでよりによってこれなの……」
(ため息をつきながらペンを動かす)
……カリカリ。カリ……。
ペン「……」
ティナ「ん? あれ?」
(カチカチッ。振る)
ティナ「インク切れた!?!?」
(椅子からずり落ちるティナ)
ティナ「うそでしょ!? ここまで書いて“魔”の字の途中で止まる!? そんな中途半端な死に方ある!?」
(机に突っ伏す)
ティナ「リリサのストック借りるしかないか……」
(周囲を見回す)
ティナ「……でも、リリサ今外出中なんだよな……」
(少し考えてから、立ち上がる)
ティナ「よし、研究室からちょっとだけ借りるか……!」
---
(扉を開け、リビングへ。暖炉の火が小さくなりぱちぱちと音を立てる。)
ティナ「……火が消えてなくてよかった〜。」
(暖炉に薪を足しながら両手をかざす)
(リビングの奥にある研究室のドアへ歩く。扉を開けると――)
ふわっと薬草と金属の匂いが広がった。
(棚には瓶や鉱石、机の上には書きかけのメモや魔法陣の紙が散乱している。)
ティナ「うわぁ〜……今日も“研究者の机”って感じだなぁ……」
(視線を動かすと、インク瓶の横に黒いペンが一本。)
ティナ「あ、あった! これだこれだ〜!」
(手に取って軽く振る)
ティナ「よし、ちゃんと書けそう!」
(ティナはにっこり笑いながら、リビングを抜けて自分の部屋へ戻る。)
ティナ「借りるだけだし、すぐ返すもんね〜♪」
---
(ティナ、自室。机にノートとペンを広げ、真面目に宿題中。)
ティナ「“転生魔法の危険性について”……か。」
(ペンを走らせながら)
ティナ「“魂の転移”はエルフ族のみが使用できる魔法技術であり
――倫理的観点と異世界の文明の流入から使用が制限されている……」
(数分後)
ティナ「……よし、順調順調。」
(ペン先を止めて、ノートを見直す)
ティナ「……ん? なんか文字、斜めってる?」
(目を凝らすと、書かれた文字が、微かにゆらゆらと揺れている)
ティナ「……え、まさかこのペン……リリサの変な魔道具だった……?」
(“転”がピクッと震え、次の瞬間、行全体がぴょんと跳ねる)
ティナ「ちょ、ちょっと!? 動くなってば!!」
(“危険性”がズルズルと動いて横に並び直す)
ティナ「おい、ちょっと待っ……」
(じわじわと、文字が形を変えていく)
ティナ「……ん?」
(ノートの上に浮かび上がった新しい文)
> 「転生魔法の危険性:転生してきたやつはアホ」
ティナ「はぁっ!?!?!?」
(さらに文字がうねって並び変わる)
> 「エルフになって調子乗る」
「勉強より睡眠優先タイプ」
「宿題を前日に泣きながらやる個体」
ティナ「お、おい待て……!?」
(ペン先からインクが勝手に走り出す。ティナが手を離しても止まらない)
> 「自己評価:上の中 調子に乗るな」
「魔法理論より口喧嘩が得意」
「教師の前では猫を被る」
ティナ「……」
(ノートを見つめるティナ。表情がどんどん真顔になる。)
(そして、最後の一行がゆっくり浮かび上がる)
> 「リリサに養われてるくせに生意気」
(沈黙。ティナのこめかみがピクッと動く)
(ページを無言で破くティナ)
(クシャクシャ)
(立ち上がり、暖炉の前に歩み寄る)
(炎がぱちぱちと音を立てる中、ティナは丸めた紙を放り込む)
(ジュッ、と音がして、紙はあっという間に灰になった)
――その夜、フローレンス家はいつもよりちょぴっとだけ暖かかった。
次回【雪と笑いと宿題未遂】
【評価のお願い】
面白かったら、下の☆☆☆☆☆から応援してもらえると嬉しいです!




