ラメは消えてもスケベは消えず
『えるてん! 』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(冬休み、年末。昼下がりの湖畔沿い。
空はどんよりとした雲に覆われ、冷たい風が木々を揺らしていた。
その灰色の空の下、ティナ・カレン・リオナの三人が並んで街を歩いている。)
カレン「そろそろ雪、降ってきそうだねー。」
ティナ「うん。風も冷たいし、雲も低いしね。」
リオナ「まぁ……雪が積もったら皆さまと“雪合戦”なるもので遊んでみたいですわ♪」
ティナ「ははっ、良いかもねー。でもリオナの雪玉、絶対的外れなところ飛んでいきそう。」
カレン「しかも上品に投げそう。」
(そんな他愛もない会話を続けながら、三人の足音が冬の道にリズムを刻む。)
ふと、ティナが空を見上げて足を止めた。
カレン「どうしたの? 何か考え事?」
ティナ「いや、そういえばさ……最近、もこっち見てないなって思って。」
リオナ「冬眠中かしら?」
カレン「まぁいいじゃん! いない方が平和だし!」
ティナ「……なんだかんだ、いないとちょっと寂しいかも。」
カレン「は!? 何言ってんの!? 情が湧いた!?」
ティナ「違う違う。あいつがいないと“シュール枠”が減るんだよ。」
(ティナの言葉に、カレンが半笑いでため息をつく。)
カレン「シュール枠ってなに……」
(そんな中、前方からゆっくりと歩いてくる影があった。)
ティナ「あ……ガーちゃんだ。」
(冬の街並みの中、ピンクと白のゴスロリ風ドレスに身を包み、
曇り空の下でも白い日傘を差して歩くガーちゃん。
金のボタンがきらめき、フリルが風に揺れる。)
カレン(肩を震わせながら)「きょ、今日のガーちゃんも強烈だね……。」
ティナ「ああいう服どこで買うんだろ。」
リオナ「わたくしのドレスより高級そうですわ……。」
カレン「てか今日曇ってるのになんで日傘差してるの……。」
(そんな三人の視線の先。
ガーちゃんの足元近く、街路樹の陰――。)
ガサガサッ……!
ティナ「……あれって、もしかして……!?」
カレン「……もこっちだね。」
リオナ「ガーちゃん様を狙ってますわね……。」
カレン「え!? でもガーちゃんってオネエさんでしょ!?」
ティナ「あいつのIQじゃ、男か女か見分けつかないんだよ。
スカート履いてれば飛び込む。それが、あいつの生き様だから。」
リオナ「ガーちゃん様にお伝えした方がよろしいかしら……?」
ティナ(にやり)「待ってリオナ! 面白そうだからこのまま見守ろ!!」
カレン「さんせー! あそこの物陰に隠れて観察だ!」
(木陰に身を潜める三人。
冬の風が枝を揺らし、どこかで鐘の音が小さく鳴った。
静けさの中、もこっちとガーちゃんの距離が、少しずつ縮まっていく――。)
---
ガーちゃん(鼻歌まじり)「ら〜ら〜♪ 冬の香りは恋の香り〜♡」
(そのすぐそば、街路樹の陰でもこっちが息をひそめていた。
小動物のように丸まりながら、ぎらぎらと目を光らせる。)
もこっち「(きゅるる……ゴスロリ衣装……たまんねぇーな……!)」
(もはや本能に従うまま、もこっちは地を蹴った。)
──ピョン!!
ティナ「飛んだっ!?」
カレン「さぁ、どうなる!?!」
(一直線。風を裂いて、もこっちはガーちゃんのスカートの中へダイブ!)
ガーちゃん「……あらぁ?♡」
(妖艶な笑みでゆっくり振り返るガーちゃん。
その表情は獲物を見つけた猫のように、優しくも恐ろしい。)
もこっち「うっひょー!久しぶりの乙女の花園──って……なんだこれ!?
お、男くせぇぇぇぇぇぇ!!!」
ガーちゃん(にやり)「パンドラの箱を……開けちゃったわね〜〜♡」
(瞬間、ガーちゃんの足元に魔法陣展開、ピンクの淡い光がガーちゃんを照らす。)
──ボフッ!!
(ドレスの裾から、ピンク色の煙がもくもくと立ち上がる。
ラメが舞い、通り全体が甘い香りに包まれた。
煙の中から、白目をむいたもこっちが“ポトリ”と落ちてくる。)
ティナ「えっぐ……。」
カレン(爆笑しながら)「ブッ!ちょっ……待っ!パ、パンドラの箱って……ブフッ!!」
リオナ「伝説級な事件を目の当たりにした気分ですわ……。」
(ラメの中で、ガーちゃんは優雅に髪を払う。)
ガーちゃん「悪い子ちゃんには、ちゃぁんと教育しないとねぇ♡」
(そう言って、気絶したもこっちをひょいと抱き上げる。
そして、まるで何事もなかったかのように街の喧騒の中へ消えていった。)
ティナ「……連れてかれた。」
カレン「合掌。」
リオナ「きっと、立派な“紳士淑女”になって帰ってきますわね……。」
ティナ「淑女って……もこっちまでオネエになったら収集つかんて。」
---
(その日の夜。
空から静かに白い欠片が舞い落ちてきた。
ついに、湖畔の街にも雪が降り始めたのだ。)
最初は控えめだった雪は、やがて勢いを増し、
石畳も屋根も、通りも、すべてを白く染めていく。
ティナは窓辺に立ち、降り積もる雪をじっと見つめた。
白く光るその一片一片に、昼間の“もこっち”の姿が重なる。
ティナ「……安らかに、な。」
(そう呟き、ティナはそっと両手を合わせ、空に向かって静かに合掌した。
雪は音もなく降り続き、街の灯りがその白に滲んでいく。)
――冬の夜、ラメと笑いの余韻を残したまま、湖畔の街は静かに眠りについた。
---
(翌朝。
ティナは魔法訓練のため、まだ静かな庭へと出た。
夜の雪がすっかり積もり、世界は一面の白銀。
朝日が反射し、雪原は宝石のようにきらめいている。)
ティナ「うぅ〜、さっむ……リリサめ、冬休みくらいゆっくりさせてくれてもいいじゃんか……。」
(息を吐くたびに白い靄が広がる。
そんなとき、雪原の一部がもぞもぞと動いた。)
ティナ「ん? あれは……もこっち!? 生きてたのか……!」
(雪の中からのそのそと現れたもこっちは、以前よりも落ち着いた表情で歩み寄る。
あの下品なオーラは、不思議なほど消えていた。)
もこっち「よぉ、メスガキ。朝から気合い入ってんな。」
ティナ「……どうした? 昨日ガーちゃんに連れてかれて、何されたの?」
もこっち「目が覚めたらバーにいてな。オネエ様達から“紳士になるための”きっつい訓練を受けてた。」
ティナ「……そっか。」
(しばし、沈黙。冷たい風がふたりの間を通り抜ける。
雪の光が、静かな朝にまぶしく揺れていた。)
もこっち「ところで、メスガキ。」
ティナ「ん?」
もこっち「“しましま”って、10回言ってくれないか?」
ティナ「?……いいけど。」
(ティナ、しましまを10回繰り返す。)
もこっち「今日のぱんつの色は?」
ティナ「……“しましま”……ではないな。」
もこっち「……そうか……。」
(しばしお互い沈黙。雪の上に、冷たい風だけが通り抜けた。
ティナのこめかみに青筋がひとつ、ピキリと浮かぶ。)
ティナ「テンション落ちただけでスケベ治ってねぇじゃねぇかぁーー!!」
(ティナ、杖で全力フルスイング!
もこっちは弾丸のように吹っ飛び、雪原を一直線に滑走――そのまま地平線の彼方へ。)
もこっち「ぎゅぴぃーー!! やっぱ俺様はこうでないとぉぉーー!!」
(空は澄み渡り、空気はキンッと冷えている。
朝日にきらめく白銀の大地の上で、ティナはそっとため息をついた。)
――湖畔の街に、今日も平和が訪れた。
次回【年末お笑いフェス後の打ち上げ】
【評価のお願い】
面白かったら、下の☆☆☆☆☆から応援してもらえると嬉しいです!




