エルフ中学生はいい匂い
『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(夕暮れ。フローレンス家。玄関の扉が開く)
ティナ「ただいま〜……」
(声に疲れが滲んでいる)
リリサ「おかえり、ティナ。初日どうだった?」
(キッチンから顔を出すリリサ。エプロン姿、手には木べら)
ティナ「……地獄だった。」
(ドサッとソファに倒れ込む)
リリサ「ふふっ。みんなの視線、すごかったでしょ?」
ティナ「すごいどころじゃないよ! ずっと“あの子エルフだ!”とか“いい匂いする!”とか言われてさぁ……!
まるで動物園の新種扱いだった!」
リリサ「それは人気者って言うのよ。」
ティナ「人気者と見世物の違いを教えてあげたい……」
(リリサ、くすくす笑いながらティナの頭をなでる)
リリサ「でもちゃんと頑張ったでしょ? えらいえらい。」
ティナ「な、なでるなー! 子供扱いすんなー!」
リリサ「だって13歳だもの。どこからどう見ても子供よ。」
ティナ「……中身は30代なんですけど!」
リリサ「はいはい。精神年齢がね?」
ティナ「ぐぅ……反論できねぇ……!」
(しばらく笑い合い)
リリサ「でもね、学校行ってよかったでしょ?
誰か話せる友達、できたんじゃない?」
ティナ「……うん。いたよ。街で迷子になった時に助けてくれた子。
同じクラスだったんだ。」
リリサ「あら、偶然ね。どんな子?」
ティナ「黒髪で元気で、なんか竹を割ったような性格の子。名前はカレン。」
リリサ「ふふ、良かったじゃない。ティナの初めてのお友達ね。」
ティナ「言い方ぁ〜! なんか幼稚園児みたいに聞こえる!!」
(リリサ、にっこり)
リリサ「まぁ、今のあなたは幼稚園児だろうが中学生だろうが“妹”なんだから。
お姉ちゃんとしては、嬉しいの。」
ティナ「またその“お姉ちゃん”出たぁ!!」
リリサ「うふふ。はいはい、悪魔のお姉ちゃんですよ〜。」
(ティナ、クッションを投げるフリをしてからため息)
ティナ「……でもさ、ありがとな。
最初は無理矢理学校行かされたって思ってたけど、
少し……楽しかったかも。」
リリサ「それは何より。……ねぇティナ。」
ティナ「ん?」
リリサ「これから、きっともっといろんな出会いがあるわ。
楽しみね。」
(穏やかに微笑む)
ティナ「……うん。」
(その笑顔に、少し照れながらも頷くティナ)
(夜。フローレンス家の食卓。
今日のメニューは野菜スープとハーブチキン、焼きたてのパン。)
ティナ「あ〜、このチキンまじでうまい……!皮パリパリだし、味しみてる〜!」
リリサ「ふふ、今日は頑張ったご褒美よ。ほら、いっぱい食べて。」
ティナ「おぉ〜、やっぱ家メシ最高〜!」
(もぐもぐしながら思い出す)
ティナ「あ、そういえばさ。今日みんなに“いい匂いする〜”ってめっちゃ言われたんだけど、
俺ってそんなに匂う? 自分じゃ全然わかんないんだよね。」
(リリサ、パンをちぎりながらクスッと笑う)
リリサ「あら、それはエルフの特徴よ。」
ティナ「え、なに、俺、体臭カテゴリーに入ってんの!?」
リリサ「違う違う! エルフって“自然に近い存在”なの。
ほぼ精霊みたいなもんだから、季節ごとの花の香りが体からふわっとするのよ。」
ティナ「マジで!? 俺、歩く芳香剤!?」
リリサ「ふふ、言い方ぁ。」
ティナ「だってよ、なんかロマンチックに聞こえないじゃん!
この春の新作、ティナ・フレッシュ・ブロッサム〜♪ とか言って売れそう!」
リリサ「あら、CMデビュー狙ってるの? でもちゃんと季節限定なのよ?」
ティナ「期間限定!? 夏は何の香り?」
リリサ「白百合とひまわり。」
ティナ「急に女子力高ぇ!!」
リリサ「秋は金木犀、冬は雪花。全部天然。」
ティナ「天然ってレベルじゃないよ!? 俺、気づかないうちに周囲に花粉まいてるの!?」
リリサ「花粉じゃなくて癒やしをまいてるの。いいことじゃない。」
ティナ「……いやまぁ、悪い気はしないけどさぁ……
“いい匂いする〜”って言われても、なんか恥ずかしいんだよ……」
(リリサ、にっこり)
リリサ「ふふ、可愛い反応ね。
でもね、その香りは“あなたがちゃんとこの世界のエルフとして生きてる証”なのよ。」
ティナ「……うっ、なんか急にいい話風に締められた……!」
リリサ「いい話よ? ちゃんと感動しなさい。」
ティナ「はいはい、“芳香剤エルフ”として誇り持ちますよ〜!」
リリサ「うんうん、よろしい♪」
(二人、顔を見合わせて笑う)
(夜風が窓を抜け、花のような香りがふわっと広がる)
――フローレンス家の夜は、ほんのり甘い香りに包まれていた。
【評価のお願い】
面白かったら、下の☆☆☆☆☆から応援してもらえると嬉しいです!




