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えるてん!転生したら女子中学生エルフになってて、毎日ツッコミ追いつかないんだけど!?  作者: ひなゆづ
冬休み突入編

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109/130

右手のお嬢様、ふたたび

シャルロッテ初登場回は「ep.102初冬に現れた、右手のお嬢様」になります♪


『えるてん! エルフ転生少女の、まほうと休日』は

毎朝6時に更新中!☀️


通勤・通学、朝ごはんのお供に

ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪

今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨


(フローレンス家。昼下がりのリビング。ストーブの炎がゆらゆらと揺れ、

カップから立ちのぼる湯気に冬の香りが溶けていく。)


カレン「ティナー! 遊びにきたよー!」

リオナ「お邪魔しますわ♪」

ティナ「おー! 二人ともいらっしゃい!」


カレン「今日もめっちゃ寒いねー! そろそろ雪降りそう!」

ティナ「今あったかいお茶入れるねー」

リオナ「お茶菓子もございますわ♪ 皆さま、ご一緒にどうぞ。」


(他愛もない会話と笑い声がリビングに満ちる。

そんな穏やかな時間の中――)


コンコン……。


ティナ「ん? リリサが買い物から帰ってきたかな? 今開けるよー。」


(ガチャリ……)


(ドアの向こうに立っていたのは――)


以前、フローレンス家に現れた“右手”の魔物だった。


ティナ「ひぃ!! また来たぁー!!」


(右手は中指に掛けた包みをそっと床に置き、ペンとノートを取り出す。

さらさらさら……と優雅な筆致で紙を滑らせる。)


右手

> 突然の訪問、失礼いたしますわ。

この前は道を教えていただき、本当に助かりましたの。

本日はそのお礼に参りましたわ。




ティナ「お、お礼……?」


(右手、包みの中から魔王国産の蜂蜜瓶を取り出す。)


右手

> こちらのはちみつをお届けに参りましたの。

あの時のエルフのお姉様と、ぜひご一緒に──




(ペンが走るそのとき――)


カレン「ティナー? どうし──」


(顔を出した瞬間、光景を見て絶叫。)

カレン「ギャァァァァァァァッッ!?!?」


(そのまま崩れ落ちて気絶。)


ティナ「カレンーーッ!!?」

リオナ「一体どうしましたの──まぁ! シャルロッテ様!」


ティナ「え!? リオナの知り合い!?」

リオナ「ええ! シャルロッテ様とは昔からのお友達ですの♪」


(右手がさらさらと筆談。)


シャルロッテ

> リオナ様!? なぜこのような場所におられるのかしら?




リオナ「ティナ様とはお友達なのですわ! シャルロッテ様こそ、なぜティナ様のお宅に?」


(シャルロッテ、ペンを走らせて事情を説明。)


ティナ「とりあえず立ち話もなんだし……上がってよ。

あとカレン、移動するの手伝って。」



---

(リビングへ移動。ストーブの前に三人と“一手”が集まる。)


リオナ「こちらはルーベンス家のご令嬢、シャルロッテ様ですわ。」


シャルロッテ

> シャルロッテ・ルーベンスですわ。この前は道に迷って動揺していて、自己紹介を忘れておりましたの。どうかお許しくださいまし。




ティナ「ティナ・フローレンスだよ。で、そっちのソファで気を失ってるのがカレン・ホワイトロック。」



---


(ティーカップの湯気がゆらゆらと立ちのぼる。

リビングには蜂蜜ティーの甘い香りが漂っていた。)


リオナ「そういえば、シャルロッテ様。

先日のクリスマス・パーティでは、本当にお疲れ様でしたわ♪」


(シャルロッテがノートを広げ、優雅にペンを走らせる。)


シャルロッテ

> 先日の“ソファ・オブ・ノーブルズ”は見事な勝負でございましたわ。

あのルシル様の俊敏さにも、ひと時も気を抜けませんでしたもの。




ティナ「(……ソファ・オブ・ノーブルズ?またよく分からん競技名が出てきたな……

たぶん、大したことないんだろうけど……)」


(シャルロッテが続けて筆談する。)


シャルロッテ

> ルシル様、最後の旋回でドレスの裾を踏まれたその瞬間、

貴女はまるで風そのもののように、静かにソファへと滑り込まれた――。




リオナ「ふふっ。あれは偶然ですのよ? 少しタイミングが良かっただけでして♪」


シャルロッテ

> 偶然ではございませんわ。

あの気品と冷静さこそ、“貴族の微笑みを宿す勝者”の証。




ティナ「……筆談で詩人みたいなこと言うのやめてもろて。」


ティナ「……てかソファ・オブ・ノーブルズってさ、

もしかして椅子取りゲーム?」


リオナ(うっとり)「ええ。ですが、ただの遊戯ではございませんの。

“高貴なる優雅の座”を賭けた、由緒正しい戦いですわ。」


ティナ「(……貴族界の戦い、優雅なのか幼稚なのかわからんくなってきた……。)」


(リオナが微笑みながら紅茶を口にする。)

リオナ「けれど、ルシル様もお強かったですわ。

来年はまた、一層の熱戦になることでしょうね。」


シャルロッテ

> ええ。その時も、わたくしは審査員として筆を握らせていただきますわ。

“最も気品ある座り方”を判定いたしますの。




ティナ「……あれ?“座り方”の美学が競技になってる……!?」



---

(そこへ――)


カレン「う〜ん……あたし、なにして──ウピョッ!?…ッスーン」

(シャルロッテを目撃、直立のままゆっくり横倒し)


ティナ「新種の倒れ方やめて。」


リオナ「まぁ……カレン様ったら。」


ティナ「カレン、ホラー系苦手なんだよ。」


シャルロッテ

> 申し訳ございませんわ……。




ティナ(聖母のような顔で)「カレン、ゆっくりおやすみ……。

お墓には、カレンが好きだった白百合をお供えするね……」


リオナ「ティナ様、それ完全に成仏前提のセリフですわよ……!」


(――冬の陽は傾き、外気はもう凍えるほど冷たい。

けれど暖炉の前で笑い合う少女たちの周りには、ほんのりとした温もりがあった。)


(それはきっと、雪が降る前にだけ訪れる、穏やかな奇跡の時間。

――そんな、冬休み前半のある日のことだった。)


次回【年末特別回!23時30分に公開します!】

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