空飛ぶエルフ 〜風をまといて〜
『えるてん! 』は
毎朝6時に更新中!☀️
通勤・通学、朝ごはんのお供に
ティナたちのほのぼのな一日をどうぞ♪
今日も“えるてん!”で、ちょっと笑顔になれますように✨
(文化祭の翌日。秋の昼下がり。
湖畔の家の庭では、紅葉が風に乗ってゆらゆらと舞っている。
空気は少しひんやり、けれどどこか穏やかな午後――)
ティナ(ぼんやり窓の外を見ながら)
「……静かだなぁ。」
(ソファの上で膝を抱えて座り、ため息をつく)
ティナ「カレン、風邪ぶり返してないといいけど……」
(机の上には、文化祭で使用していた猫耳カチューシャ)
ティナ(それを手に取りながら)
「……せっかくだし……もう一回くらい、つけてみよっかな?」
(そっと髪に差し込み、鏡の前で軽くポーズ)
ティナ「にゃー……って、我ながら何やってんだろ……」
(ため息。振り返ると――)
リリサ(紅茶を片手に、無言で立っている)
ティナ「……」
リリサ「……」
(沈黙が流れる)
リリサ(ふっと笑って)
「その猫耳、ほんとに似合ってるわよ。」
ティナ「見てたのかぁぁぁぁぁ!!!」
(カチューシャを慌てて外す)
リリサ「照れるくらいなら、つけなきゃいいのに。」
ティナ「見られるのにも心の準備がいるんだよ!!」
ティナ(ソファに倒れこむ)
「……暇だなぁ。」
リリサ「リオナちゃんはお稽古、カレンちゃんは病み上がり。たまには静かな日もあっていいじゃない。」
ティナ「3分で飽きた。」
(しばし沈黙)
ティナ「……ねぇリリサ。風魔法で空って飛べないの?」
リリサ「……また唐突ね。」
ティナ「だってさ、風を上向きに吹かせれば浮けそうじゃん?」
リリサ「理論上はね。でも普通の人なら風圧でミンチよ。」
ティナ「理論段階で死亡確定!?!?」
ティナ(天井を見上げながら)
「でも、飛べたら気持ちいいんだろうなぁ。
カレンが元気になったら、空から景色見せてやりたいな。」
リリサ(少し微笑んで)
「……そう。じゃあ、練習しておきましょうか。」
ティナ「……えっ?」
リリサ「実験よ。」
ティナ「今の流れどこで間違えた!?」
---
(庭。秋風が吹く。ティナは魔法陣の中心に立たされている)
ティナ「ほんとにやるの!?」
リリサ「やるわよ。観測準備完了。」
ティナ「リリサ!? 本気の顔してる!!」
リリサ「風魔法――《ゲイル・リフト》!」
(ティナの足元で淡い緑光が広がる。次の瞬間、風が渦を巻き、足元から空気が押し上げた。)
ティナ「う、うわっ!?なんか浮いてる!?!」
(風はどんどん強くなり、足が地面から離れる。髪とスカートが暴風にあおられ、ティナの体がふわりと浮き上がる。)
ティナ「ちょ、ちょっと待って!これ、思ってたよりヤバいって!!!」
(風圧がさらに強まり、庭の落ち葉が竜巻のように舞い上がる)
リリサ(冷静に観測しながら)
「うん、いい上昇気流ね。」
(ちらっと視線を上げ)
リリサ「……スカート、めくれてるわね。」
ティナ「今それ言う!?!?!?」
(直後、風が一気に跳ね上がる!)
ティナ「ぎゃああああああああああああっっ!?!?!?!?」
(視界が一瞬で青空に染まり、ティナは悲鳴を上げながら上昇!)
(魔力範囲を超え、突然風が止む)
ティナ「魔力……切れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(ティナ、重力に従い、急降下)
ドォォォォォォォォォォォォン!!!!
(庭にティナ型のクレーター)
リリサ(駆け寄りながら)
「ティナ!?どこまで飛べたの!?」
ティナ(埋まりながら)
「……気分は天国まで飛んでた……」
リリサ「……エルフじゃなかったら死んでたわね。」
ティナ「……飛んだんじゃなくて、成仏しかけたんだよ……」
---
(夕暮れ。クレーターの隣で並んで座るふたり)
ティナ「……次はリリサが飛ぶ番ね。」
リリサ「嫌よ。高所恐怖症だもの。」
ティナ「今さら!?飛ばした側が言う!?」
リリサ「研究者って、命より興味を優先するほどバカじゃないのよ。」
ティナ「お前が言うなぁ!!」
(リリサ、笑いながらティナの髪を撫でる)
リリサ「でもね、空で光ってたわよ。ティナ。」
ティナ「燃えてただけだよ……」
(秋風がふたりの髪を揺らし、紅葉がひらりと舞う――)
次回【クリスマスイブ特別編!0時に更新します!】
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