1話 早野、転生したってよ。
目が覚めるとエルフの少女になってしまっていた早野孝之(32歳独身)
彼?彼女?の周りで巻き起こる濃すぎるキャラ達のドタバタコメディ!
(ざわざわ……木々の音。鳥の声。やわらかな風が吹き抜ける)
早野「……ん……? ここ……どこだ……?」
(地面は土。見渡す限り、見知らぬ森)
早野(心の声)「会社帰りに車に乗って……あの交差点で……」
(脳裏にフラッシュバック:赤信号、トラック、衝突音)
早野「……そうか。……あの時、俺……」
早野(苦笑)「まさか死んだ? ここって、天国……?」
(ガサッ……!)
早野「!? だ、誰かいるのか!?」
(木の陰から、栗毛の長髪の女性が現れる。静かに早野を覗き込む)
早野「あ、あの……」
???「✳︎△※♢✧……?」
早野(心の声)「……は? 何語? 全然わからん……!」
(女性は困ったように首をかしげ、ポーチから小瓶を取り出す)
(瓶の中には淡く光る液体。女性は“飲む”ジェスチャーをして早野に差し出す)
早野「……飲めってこと? 毒じゃないよな……?」
(少し間を置いて)
早野「……ええい、ままよ!」
(ゴクリ)
(甘い香り。喉を通った瞬間、視界がわずかに揺らぐ)
???「――どう? 言葉、通じてる?」
早野「えっ!? 言葉がわかる!? 日本語みたいに……!」
???「うん、よかった。効いたみたいね。」
(女性はほっと微笑む)
早野「あ、あの……あなたはいったい……?」
???「説明したいことがあるの。
私の家に来て。すぐそこだから。」
(女性は森の奥の小道を指さす)
早野「……状況、さっぱりだが……頼む。教えてくれ。この世界のことを。」
(立ち上がり、女性のあとを追う)
(木漏れ日の中、二人は森の奥へと歩き出した――)