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英雄は伝説へ  作者: 樋口 守里
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『本を貰ったので、あった事を書こうと思う。』

アナタは冒険の中で立ち寄った、とある王国跡地で、誰かの手記を見つけた。

アナタは内容が気になり、それを開くことにした…

今日、人助けをしたら、新品のノートを貰った。

なので、旅で経験したことなどを書いてみることにした。

日記を書くのも小学生以来だろうか。

文字なんて書類にサインしたりする以外、ほとんど使わなくなっていたから、かなり文章力が下がってしまった。

これが、現代っ子の末路と言うわけなのだろう。

俺は元々、日本という国で普通の会社員をしていた。

給料はそこそこで、まぁ至って普通の生活をしていたと思う。

けどあの日、飛び降り自殺をしようとした親友を止めに入り、俺だけが落下してしまった。

死の間際、親友が俺の名前を叫んでいたのを覚えている。

その声を聞いた時、「良かった」って思えたんだ。

「これでようやく解放されるんだ」って、、、

八階建てのマンションの屋上から落ちて、俺はその人生を終えた。


と思っていたけど、俺はなぜか生きていた。

厳密に言えば、転生、いや転移というべきか?

気付けばこの世界にいた。

そう、俺は異世界転生だか転移だかをしていたのだ。

最初は戸惑ったな。

何をしたらいいのか、どこへ向かせばいいのか、さっぱり分からなかった。

果てしない草原の中、俺はひたすらに歩き続けた。

多分三日ほどしたある日、ようやく人工的な光を見ることができたんだ。

俺はめっちゃ嬉しかった。

やっと食事にありつけるって思えたから。

だけど、空腹だった俺は、その街を前に力尽きてしまった。

すでに俺の身体は限界を迎えていたのだと、その時理解したよ。

意識が薄れていく中、俺は本気で死を悟ったね。


だけど、俺はなぜだかまだ生きていた。

どうやら、道端で倒れているのを発見した行商人が、村へと連れてきたらしい。

俺はその行商人に感謝した。

行商人はアッシュと名乗ってくれた。

俺も自身の名前を言い、その命の恩人に尋ねた。

「これからどこへ行く予定なんですか?」

彼は優しく教えてくれた。

「これから、水の都『スイリンカ』へ向かう予定だよ。」

なんだか異世界らしい場所の名を聞いて、俺はかなりテンションが上がった。

なので、同行してもよいかと尋ねてみた。

正直、一か八かだったから、断られたらこの村で生活でもしようと考えていた。

しかし、アッシュは快く承諾してくれた。

俺は村の人達にも感謝を伝えて、アッシュと共に『スイリンカ』を目指して移動したんだ。


水の都『スイリンカ』に到着したのは、村を出てから十日後だった。

アッシュは行商ギルドに用事があるらしく、スイリンカの中央広場で別れた。

一人になった俺は、アッシュから貰った通貨とバッグを持って、街を散策することにした。

水の都と呼ばれているだけあって、海鮮が多く出回っていた。

俺は腹を満たすために、色々なグルメを食べた。

どれも絶品と言えるほどに美味しく、日本の料理とはまた違う良さがあった。

その日はグルメ以外にも、教会に立ち寄ったり、冒険者ギルドに行ったりした。

ギルドは一階の入り口側に酒場があり、奥へ行くとギルドの掲示板や受付が設置されていた。

俺はとりあえず酒場で、お酒を飲むことにした。

久しぶりにお酒が飲みたくなったのだ。

出てきたものはすべて美味しく、そこだけで二時間ぐらい滞在していたと思う。

気付けば日は沈んでおり、風が冷たく感じた。

俺は完全に酔っていて、その姿をアッシュに見られ笑われたことだけは覚えていた。


次の日の朝、アッシュの提案でどこかのギルドに入ることにした。

行商ギルドにも顔を出したが、どうも俺の肌には合わなかった。

次に行ったのは、皆が夢見る冒険者ギルドに行った。



…ここでは正直に書く。

めっちゃむさ苦しかった…。

筋骨隆々の男たちと、今帰ってきたばかりの血まみれの冒険者達…。

正直冒険者になるつもりはなかったから、すぐにその場を離れようとした俺を、受付嬢は見逃してくれなかった。

その娘の名前はアリアと言って、どうやら人をみる目はあるらしい事を言っていた。

そんな彼女に目をつけられた俺は、半強制的に冒険者登録させられた。

その事を外で待っていたアッシュに話すと、彼はめっちゃ笑ってた。

彼曰く、「アリアは片っ端から声をかけているだけ」と言った。

…つまり、俺は見事に彼女の口車に乗せられたということだ。くそ…


そんなこともあって、俺はスイリンカの冒険者として一年間スイリンカに滞在したのだったとね…。

もう疲れたから、話の続きはまたいつか。

字は汚かったが、辛うじて解読できる程度の手記だった。

解読する側のアナタは、目頭を押さえ、一旦休憩してから続きを読むことにした。

次はどんな話なのだろうかと、アナタはその手記を鞄に入れた。

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