フーセン配りはやめられない
俺は流浪のフーセン配り
ゆらゆら揺れるフーセンってのは、誰もが欲しがる…魅惑のアイテムなのさ
ぷかぷかと浮ぶ、可愛らしいフーセンってのは、みんなが興味を示す…魔法のアイテムなのさ
フーセンを差し出せば…、誰もが喜んで受け取るもんさ
フーセンにいろんなモノを詰めれば…、簡単に受け取ってもらえるってなもんさ
この世には…、ずいぶん無防備な奴らがありふれてんだよなあ
落ち込んでるやつに、ハイ!どうぞ~♪
地に足のつかない、浮ついた気持ちを詰め込んで手渡してやると……
ふわふわと能天気に浮いているフーセンを見ながら、大した自信も技量も持たずに飛び出していくんだよ!
ミス連発で凹んでるやつに、ハイ!どうぞ〜♪
思わぬラッキーに舞い上がる、抑えきれないハイテンションを詰め込んで手渡してやると……
ゆらゆらとそよ風になびくフーセンを見ながら、あっちにフラフラこっちにフラフラ流されていくんだよ!
たくさんの人に埋もれてくさっているやつに、ハイ!どうぞ〜♪
たまたま注目を集めた奇跡に己の才能を疑わない、調子に乗った大暴走する勢いを詰め込んで手渡してやると……
空の彼方に飛んでいくフーセンを見ながら、自分もあとに続くぜと息巻いてくれるんだよ!
ほんの少しのきっかけで、とんでもない方向に進むのがたまらないのさ
たったひとつのフーセンのおかげで、とんでもない選択をするのがたまらないのさ
俺は、流浪の、フーセン配り
フワフワと浮くフーセンを持って、ザワつく街を徘徊している
ゆらゆらと揺れるフーセンを持って、人混みの中に紛れている
俺がフーセンを差し出せば、誰もが喜んでソレを受け取るのさ
縁があれば……、会うことも、あるかもね!
もし、どこかで会ったなら……
俺のフーセン、遠慮せずに…受け取ってくれよな~!