8話 召喚ーサモンー
「どしたレイト!? 言っちゃ悪いけどこんな娘っ子絶対足引っ張るだけだぞ!! まだどう見ても学童児じゃねえか!!」
ソロのハンターであるケインが嫉妬混じりでレイトへ助言する。
「いや、大丈夫だよケインさんプラムはいいもん持ってる」
「いいもんて……そりゃ娘みたいでかわいいだろうけどよぉ……そんな娘入れるなら俺入れてくれたって良かったじゃねぇかよ!!」
「ケインさんには一度無理って言ったじゃん俺」
「理由が気に食わないんだよレイト!! 脳筋は二人も要らねぇってそんなの納得できっかよ!!なあ、考え直してくれよ俺でいいだろ? 俺も仲間に……頼む!!」
『ダメだ!! むさいオッサンは要らん!! しかも格闘系なんて俺と被るじゃねえか!! まじ要らん!!』
「そ、そんなぁ……レ、レイトぉ……」
半べそをかきその場に踞る巨漢の男ケイン。
「女々しい奴じゃの」
プラムが情けない巨漢に対し捨て台詞を吐く。
「とにかく、ケインさんは一人で滅茶苦茶強いんだし俺らと組む必要は無いだろ。」
「あ、それと、おっさんと違ってプラムは絶対強いし、妹みたいで超可愛いから俺の考える最強のパーティには必要だからそれじゃ、じゃあな」
「う、うぐう……」
悔しさからケインはドスンと地面を叩き、眼からは悲しみの洪水が溢れ出し、そして地面がビショビショになった。
「プクク……愉快じゃの……」
「行くぞープラム」
「のじゃあ!? ふふ、お主男にもモテるのかの……本当に面白い奴じゃ」
プラムが不敵な笑みを浮かべ心の中でまたレイトをひっそりと称えた。
「男にモテるとか気持ち悪い事言うよ、あのおっさんがここに来た頃からずっとパーティ居れろだとかしつこいだけなんだわ」
「ほぉう、しかしそんなに付け回されると言う事はお主の魅力がそれだけあると言うことじゃろ?」
「なんだよ……気持ちわりぃな……まだ会って一日なのにベタ褒めし過ぎだろ、さっきから」
「ムフフ、そらそうじゃ我はお前の過去も観れるんじゃからの」
「は!! なんだそれ、プライバシーの侵害!! 見んな!!」
レイトは防ぎようの無いプラムの能力に抵抗するかの様に手で自分の体を隠す。無論意味は無いレイトの過去はプラムの心眼で見通されている。
「はは、抗っても無駄じゃ」
(ん、待てよ オイ!! プラムの能力が本当だとしたら俺の過去観られたら絶望的にマズイじゃん)
レイトは異世界からの転移者であったがその事を明かすと色々と不味いだろうと思い仲間のイレイアにでさえ打ち明けられずにいた。
(やっべ……ここでプラムが大声出してりしてバレたりでもしたら俺ハンターギルドから追放されたり、いやいやそれよりもっと酷いのは異世界の知識を調べられる為に検体にされたり!? 兎に角ヤバすぎるぞ!! 今の状況……お願いだプラム大声だけは出さんでくれ……)
と、一人脳内会議を発動してしまうレイト。
「フフ……」
何やら俺の挙動不審になる姿を見て楽しむプラム。
(イレイア……助け……て………)
イレイアの方に『助けて』と目で訴えるレイトだったが、イレイアは勝手に一人、ギルドの受付嬢にモンスター討伐の報告をしに行っていた。
「う、ううぅ……イレイアぁ……」
「ククク……」
そして、不安で胸がいっぱいになったレイトの所へゆっくり近ずいてくるプラム。
――スタスタ……
「ちょ、近い……近いぞプラム」
プラムが妖艶な動きでゆっくりと近ずきプラムの顔が俺の鼻先まで近ずいてくる。
「ちょっちょっちょ……なんですかなんですかプラムさんちょっと」
生前真性の童貞だったレイトには刺激が強すぎ、鼻息が荒くなりレイトの顔は直ぐに真っ赤になった。
「其方、鼻息が荒いぞくすぐったいのぉ……えい」
「ふぐぅ……」レイトが情けない声を上げ、鼻をつままれ、情けないこもった声になる。
「ぼいごら、ぐるじーからやめろぉ!!ブラム!!
ぼい!!ぎいでんのが」
「ぷはは! まるで豚じゃの、情けない。 かはは!」
――スッ……
妖艶な気を放ち、耳元へ近づいてきたプラムのピンク色で潤った口元から衝撃の言葉を囁かれる。
『レイト……我は満足じゃぞ。――召喚した現世人が貴様で正解じゃ、これから我をもっと楽しませてくれよ?』
「――!?」
「ははは!!」
プラムはそう言って、レイトからゆっくりと離れイレイアの方へスタスタと歩いて行ってしまう。
「まってくれ、プラム……どういう事だ……説明をしてくれ」
レイトの顔は不安の表情から、一転し冷静な表情になりプラムを睨む。
その瞳は冷静にプラムを真っ直ぐ捕らえていた。