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異世界ダンジョン邪神を拾う  作者: 時鬼舞瑠
第一章 ルミエ
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4話 逆転 ―ストリング・インクリフト―


「へへ、イレイア!! いつも俺達はここからだろうが!!」

血反吐を吐きながら、瀕死のレイトは根性で立ち上がり心配するイレイア向け咆哮のような勢いで、怒号を上げた。


「レイト!?」心配するイレイアに向けられた真剣な視線、更に「俺は大丈夫、この勝負絶対勝つぞ」とイレイアを強気言葉で大丈夫と慰めた。


「ええ、レイトあんた……バカね」


「ふ、あんがとよ俺は前を向いて突き進む事()()が長所だからな、いいかクソゾンビスライムこうなった俺は無敵だ覚悟しろよ」

と急に強気となったレイトはスライム指さし、かかってこいと言わんばかりに挑発する。

「スキル解放!!『覚醒』」

挑発の後、瀕死のレイトはスキルを発動し、身体が光り輝き、聖なるベールに包まれる。


身体能力が向上し、スライムの連続攻撃を余裕で全て、交わしてしまう。


「ピギィピギピギャアアア!!!!」

低能な魔物らしくその挑発にスライムは乗り、捕まえていたイレイアを投げ飛ばし全力のスピードでレイト目掛けて凄まじい勢いで突進し、攻撃してくる。


「あんがとな!! クソスライム、これで俺の『エクストラ・スキル』がやっと解放できるぜ!!」


「俺のピンチは、チャンスだ!!」そう言った瞬間、レイトは己のエクストラスキルを解放した。


残り一撃を受けたら死ぬ瀕死の状態を発動条件とし彼は《スキル》覚醒を発動する事が出来たそう、彼の固有技能(スキル)はこの()()であった。

この世界では一人、一人生まれた時から固有の技能を持って産まれるそして、転移してきた彼にもその固有の技能は付与されていた。


イレイアの使う精霊も固有技能〈フェアリーテイマー〉もスキルであり、産まれた時に会得した、精霊と会話するイレイア固有の技能である。


彼の秘策はここからが本番である『イレイア!! 後は任せた』彼がヘイトを買いそして、スキルとは別にそれを活かす為あるであろう彼のエクストラスキル『紐』が発動する。


スキルとは別にレイトはエクストラスキルも修得していた、このエクストラスキルという物はこの世界で才に選ばれた者しか使えない特別なスキル。


そして、彼はそれを既に持っていた。


『発動!! エクストラスキル、ストリング・インクリフト!!!』


彼の『紐』スキルが遂に解放された。


「出たわね!! レイトの『紐』スキル!!」


「うっせ!! 『紐』って言うなー!!」

そう、俗に言う『紐』スキル、ハンター界隈ではこの俗称で囁かに噂されたエクストラスキルそれがレイトの能力(秘技)


最後の最後のスキル、エクストラスキルにも制約が有り発動条件はスキル覚醒が発動した状態で女性を発動のトリガーとし自分の全能力を振り分ける、複数であれば割合を決め力を付与する。スキル覚醒との組み合わせがこれ以上なく相性がよくコンボとしてエクストラスキルを発動する。


「イレイア全部持ってけ!! 俺の力!!」

そしてエクストラスキルをレイトは発動し10割つまり覚醒で底上げで超絶強化された自分の力全てをイレイアに託し、その場でレイトは倒れ込んだ。


「くっ、後は任せたイレイア……」


「ええ、任せなさい!!」

底上げされているレイトの力を貰ったイレイアの魔力、身体能力が信じられないくらい強化される。

「これなら……どんな魔法でも、使える!!」


「ピギ、ギギギ!!」

ビッグスライムが自分の身体の一部を液体に変形し、イレイア目掛け粘土の高い溶解液を吹きかけてくる。


「攻撃を無効化せよ、鉄壁の壁バリアシールド。」イレイアの周りに無数のバリアが展開される。


紐スキルの能力で自分の限界を遥かに超越したイレイアは低級魔法の密度の低いバリアですら、防御力が底上げされていてスライムの攻撃を全て、跳ね返した。


「グ、クギィイイ……ピギギャアアア!!」


「良くもやってくれたわね、バカスライム今すぐ楽にしてあげるわ、覚悟しなさい!!」


__バチバチバチ。

イレイアは魔法の杖を天に向け掲げ、今までの怒りのありったけを溜め込んだかの様に雷撃魔法の電流をチャージする。


そして、スライムの命に終わりを告げる一撃が放たれる

「怒れる雷、ヴレイクン・サンダー!!」

掛け声と共に精霊の加護を受け、紐スキルによって超絶強化されたイレイアが最大火力で雷の上級魔法を打ち放った。


「グギャアアアアアア!!」

最後の叫びを上げたビッグスライムは細胞一つ残らず、無に帰した。


「ふぅ、レイト!!」

イレイアの魔法でスライムを撃退し、事は一段落するそして、傷付いたレイトに直ぐ様駆け寄るイレイア。


「良かった、ボロボロだけど生きてるのね」またも泣きそうになるのを抑え、イレイアは優しく傷付いたレイトの手を優しく握った。


「はは、グッジョブ……イレイア」

いつもは怒ってて怖いイレイアが優しい顔を近ずける、とても綺麗だ。

「いつも、そんな気品のある顔してりゃ、モテんのになお前……もったいねぇ……よ」


衰弱して言葉を喋る事さえままならぬ状態なのにレイトはそんな冗談を言った。


「待って、無理に喋らなくていいわよ、今精霊達にお願いして治療してもらうから」


「あり、がとう……イレイア」


__バタン。


レイトは疲労、魔力の消費そして深手の傷と身体の限界を迎え気絶してしまった。


「レイトーー!!」

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