表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ダンジョン邪神を拾う  作者: 時鬼舞瑠
第一章 ルミエ
1/10

始まり ―プロローグ―

初めましての方は初めまして!!


この度ハイテンションファンタジー『紐』スキルを連載させていただきます舞瑠と申します!


__ペラ……ペラッ。

『大魔道図書館』で俺は辞書よりも一回り大きな、魔導書をめくる。


「……飽きたな」そう一人呟く男は、買い出しに行った仲間の帰りを有料魔道図書館にて静かに待っていた。


暇つぶしにふらっと来たけど、この図書館には漫画も無ければ、ラノベみたく読みやすい小説とかも全く無い。


あるのは、この世界のお堅い昔話が記されている、史書や魔法の教科書くらいである。『魔導書』その本を開くと、覚えたばかりの堅苦しい魔文字がこれでもかと連なっていて頭が痛くなる。


現世では絵が描いてあってめちゃくちゃ取っ付きやすい『漫画』ばかり読んでいた俺にはこんなお堅い本オンリーな図書館はとても退屈でしかなかった。


「あぁ、現世の漫画よ、お前が恋しいぜ……」

あんな死に方をする現世に余り未練はなかったが、漫画やゲームの類であるサブカルチャーだけが彼の唯一の未練であった。


__ガサゴソ。

「ん、絵本?」退屈の限りを尽くしていた彼が必死に探し出した()()()()()()()()本を手に取った。


転移者……元い、異世界召喚者であった彼は魔法がまだ使えなく、魔法の発祥に関するこの本は彼の興味を強く掻き立てた。


その絵本を開けば、最初のページにこう書いてあった。


「魔法に愛されたし者、悠久の恵み訪れし、女神の祝福有れば技能の授かりあらん」


興味引かれる、文字や絵がない場合集中力が続かない彼でさえ食い入るように文章と絵を見ていた。更に、次のページに目をやるとこう書いてある。


古の時、一人の大魔法使いがどこからともなく天空から現れ、魔法を持たぬ人類に次々と魔法を教えていったと、そう伝わってるらしいそして技能(スキル)は古より伝わっているこの大陸を作った女神様が授けてくれたんだそうだ。


「なるほど……へぇ、この世界の魔法と固有技能(スキル)の根源はこんなのだったんだ」と。


そう、この世界は魔法が日夜世界で飛び交う。

__魔法異世界……


◆__「ルミエ・ゼロ」〜__それがこの世界の名前だ、人型、亜人型、エルフやドラゴン、多種多様な人種、が市街などを我が物顔で闊歩している魔法異世界。


一部を除き魔法のお陰で皆、不自由なく優雅に生活してる、この世界のインフラは魔法に依存しており産業、通信、物流に至るまでが全て魔法により成り立っている。


__そして、俺はそんな魔法尽くめの世界に突然転移させられてしまった、転生者のサクマ・レイトだ。


そして彼が、この世界でなにをやって生計を立てているかと言うと、それは職業『ハンター』であった。


この世界に溢れるダンジョンや魔物を狩る者、そんな仕事『ハンター』任務(クエスト)はハンターギルドを通じ、それを受け成功したら報酬を貰うまあ、俺たちの世界で言うフリーランスみたいな、実力が物を言う不安定だが強ければ上がりが美味しい職業をやっていた。


ハンターの仕事も順調でB級に成り上がるまで続けたおかげで、こっちに来る前に働いていた有給無し、サビ残当然のクソブラック会社と比べれば最高でしかない。


そして何より、ハンター業は爽快感も有るしなんせ今月暮らす分さえ報酬を確保すれば、後は休暇も取りまくれるストレスフリーな職業だ……実力有りきの話だが。


「思い返せば、俺の現世生活最後の日はかなり壮絶だったな……」


レイトは異世界での暮らしで、だんだん気薄になって来るかつて居た世界の事を思い出す。


連勤に続く連勤、クソ上司の失態の補填嫌と言えない自分、更にクソ会社後半はワーカホリック的な症状にかかって、仕事を苦を苦と感じないくらい、会社に尽くした結果……。


過労死、そして死んだ後目が覚めれば天国では無くこの世界の市街に突然実年齢マイナス10歳くらいの17歳位の青年の身体でこの世界転生していましたと、そんな所だ。


__以上!! 今流行りの小説、アニメでの死んだ後、神様に会ってなんか貰うテンプレ展開は俺は通過しておりません!!っと。


ま、そんな俺はクソ労働で死んだゴミみたいな現世にまーーったく、未練はないし生命尽きるまでこの異世界でハンター生活を続けて行くつもりだ。


と、誰に語るわけでもなく心の中でここに転移させてこられるまでの自分自身を大雑把に振り返っていた。


――ギィイイ。


魔法図書館の重い鉄の扉が開き、元気な少女の声がレイトの耳へ届いた。


「えへへー〜 レイトー〜!! ごめんっ!! めっちゃ時間かかっちゃった」

ごめんねと、魔法のローブ姿の美しい気品溢れる赤髪ツインテールの少女が沢山荷物を抱えてレイトへ軽く謝った。


__ポカーン。

バカでかいイレイアの声に図書館全体が凍りついた。


「バカ、イレイアここ図書館だぞ!!」

レイトが少し声を抑えながら、口に指を当て『静かにしろ』と伝えようとした。


「やば!!」イレイアはレイトのサインで自体に気づき、読書をしている人達へ、サイレントでペコペコと謝罪を入れた。


__バシッ!!

イレイアは図書館の静寂に耐えられず、レイトの手を強引に掴み外へ連れ出した。


「ちょっイレイア!!」


「ここならもう大丈夫よね、レイト私図書館って所嫌い」


イレイアがジト目をしながら何故か俺に図書館の不満をぶつけてくる。

「なんなのあそこ、静かにしなきゃ行けないとか本当にめんどくさい!!」


イレイアが俺に図書館のクソポイントを次々に言ってきたが表面上で俺は「ハハ、そうだね」と共感、返答しつつ心の中で

(異世界人なのにイレイアの奴図書館行った事ないのかな、ああ馬鹿だからなのかな)と少しイレイアの浅はかさを嘲笑っていた。

「まったく、ていうかアンタが魔法使えないから行けないんじゃない、勉強だとか言って魔法の本集めすぎなのよ」


――そう、彼は魔法が使えないのであった。

その為、この世界の『魔導書』を集め歩いていた。


「うっせーな! 俺も魔法使ってみてぇんだよ」


「はいはい、分かったわよ。あ、アンタに図書館がどうのとか言う為に来たんじゃなかったわ」

イレイアが落ち着くと、続いて口を開く。

「やったわよ!! レイト!! 次のクエスト取れたわ」Vマークを指で作りながら今晩の買い物だけじゃなく取りずらいクエストのお土産まで持ってきてくれるイレイア。


「本当か!! くぅ〜ー!! やるな流石イレイア!!」

「ちょ、」


イレイアの頭をなでなでするレイト。

「ぐぅ……わ、悪くないけど」

「街中だしは、恥ずかしいから辞めてちょうだい」

頭を撫でられ、頬を赤らめ照れるイレイアだったが、なでなでは途中で中断され逃げられてしまう。


「くっ……」


「はは!! サンキュな! イレイア、んじゃそのクエストやっちゃいますか!!」


「ええ! 行きましょうレイト!! アンタとなら何処までも戦えるわよきっと」


少女イレイアと転移者のレイトは緊急クエストの為、王都の外れにある<ランバル>ダンジョンへ向かう。


「……ま、私の紐なんだけどね君は」


「うるせぇ!!」口ではこう言ったレイトだったが、戦闘、飯の面でイレイアにお世話になりっぱなしの男それがレイトであった。


__グゥウ……レイトの腹の虫かなった。


「あ、イレイア行く前に飯作ってくんね?」

ニッコリ笑って戦闘前の飯をイレイアに催促した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ