一人で歩くのはつまらない
銀色に瞳と目が合う。
『僕に聞きたいことは山ほどあるだろうけど、とりあえず僕の話を聞いてくれ』
「わかったからさっさと話してくれよ」
『君は僕が思っていた以上に冷静なんだね、じゃあ単刀直入に言うよ』
銀色の瞳を輝かせ、気取った雰囲気で神様は言った。
『君には今から転生する世界で世界に最強になってもらう!!』
「……………。」
『……………………。』
「で?」
『ん?』
「いや、続きは?」
『以上だけど?』
白い空間に静寂が流れた。
『すまない、説明は苦手なんだ、そうだねぇ、なら君が僕に聞きたいことを聞いてくれ、僕はそれに全て答えよう。』
神様はあまり申し訳なさそうに感じてないような態度で言った。
「ま、マジか……、わかったとりあえずここはどこで、あんたは誰だ?」
『ここは狭間、君のいた世界と、これから君が転生する世界の間にある何もない世界さ。そして僕はこの世界、オクティアスの新時空神フォルティアだよ。長いからフォルでいいよ?』
「じゃあフォル様、そのオクティアスって世界は、どんな世界なんだ?」
『この世界は、君の世界で言う剣と魔法の世界、文明は君たちで言う中世ヨーロッパみたいな感じだね、この世界では、9柱の神が存在するんだ、一番上に創造神様がいて、その下に、火、水、大地、光、闇、雷、風、そして時空の8柱がいる。神したには数多くの精霊がいて、その精霊たちの力を借りることで魔法を扱える。最後に付け加えると、この世界の権力は実力に比例する。』
「なんとなくここまでは理解した、じゃあ次の質問、転生させる目的はなんだ?。」
『さっき僕は新時空神と言っただろ?これは旧時空神が亡くなって、新たな時空神に指名されたのが僕だからなんだ。で、ここで問題があったんだよ。本来神に選ばれるのは
、さっき話した精霊の中でも長年生きた最も力を持つ大精霊が選ばれるのが通例なんだ。しかし旧神様が、亡くなる直前、精霊として生まれてすぐだった僕に力の全てを渡しちゃったんだ。僕は確かに旧神様に息子みたいに扱われていたんだけど、まだ生まれて数ヶ月だった僕は他の神に認めらていない、ここまで話せばなんとなく察しただろうけど、つまりぼくは、君に力を与えて、その力で最強になってもらうことで他の神に僕を認めさせたいってことなんだよ、そのために君をここによんだ。』
俺は思わず広角を上げた。
「いいぜ、乗った!」
『本当に君は理解が早いなぁ…………まぁ僕としては助かるんだけどね。
じゃあ僕は今から君に力を与えるんだけど、僕の力、向こうの世界では加護と呼ばれているものをもらったっと気におこるメリットとデメリットを説明するよ。』
「加護にデメリットがあんのかよ」
『まずメリットは、強い。
時空に干渉できるんだから君の世界で言うチートみたいなレベルで強いよ。』
「おお!!シンプルでわかりやすいな!」
『問題はデメリットだよ、デメリットは、使えないこと。』
「え?」
『いや、厳密に言えば使えはするんだけど、二つ問題があるんだ、一つは、イメージがしにくいこと、空間とか、時間ってイメージしずらいからね。で、二つ目は要求魔力の多さだよ、干渉するものが火や水のように簡単にはいかないから普通の人間じゃ使いこなす前に人生終わっちゃうんだよね。』
「それは頑張ればどうにかなるもんなのか?」
『え?うん、だから君を選んだんだよ』
「なるほど、確かにこう言うのは俺の好みだ!」
『よかったよ、あ、言い忘れるところだった、君は一つ大きなハンデを抱えてるんだ、この世界の一般人はどんなに魔法の適性がなくても、全属性の神から加護を受けて生まれるから、全ての属性で、最低限の生活魔法が使えるんだけど、君は転生者ってこともあって、その、若干他の神たちに嫌われているんだよね……つまり時空の精霊を除いて他の全精霊が力を貸してくれないんだ。』
「結構大事なこと言い忘れてんな!まあ頑張ってどうにかするさ。」
『よろしい!じゃあ最後に、転生特典ってことで君の願いを一つ聞けるんだけど何かあるかい?流石に不老不死とかは無理だけどね。』
「うーん、別に転生そのものが俺にとっては嬉しいから今更願いもねえな、あ!なら一ついいか?」
「俺の友達になってくれ」
フォル様は一瞬呆気に取られたような顔をしたあとすぐに笑い出した。
『へ?ハッハハハハ!君は今まで見てきたどんな人間よりも予想外でユニークだね!ちなみに、理由を聞いてもいいかい?』
「だってあんたを認めさせる挑戦なんだろ?見てるだけなんてつまらないさ、それに、一人じゃなくて二人の方が楽しそうだから!」
『いいよ、その願い聞き入れた!じゃあ僕も君の人生についていくとしよう!もちろん神としてはいけないから精霊体でだけどね。よろしくね、リク。』
「そりゃあ楽しい第二の人生になりそうだ、よろしくな、フォル。」
二人は拳を合わせた。
それと同時に陸は光に包まれた。
意識がなくなる直前、遠くで誰かの声が聞こえた気がした。
『さあ、君の、いや、僕たちの神への挑戦だ。』
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