【頼もしい仲間】
こうゆう時、持つべきものは友達だったりするものだとかどこかのメロドラマのお決まりのシナリオだったりするが、実際そうだと思う。
まず、俺は題して、【外堀から埋めよう作戦】に出た。
なんたって俺以外の2人の男の同期は桜井さんと同じ専門学校だったからだ。
その辺はしっかり自己紹介のときに把握している。
そして2人と話して数分で気付いたが、2人ともめちゃくちゃいい奴だ。
1人は真中圭吾、プロレスが好きで美容師らしからぬ肉体をしているが根はすごく優しい。趣味が筋トレだとか。そして、俺と同じく元野球部だったらしく、また、音楽の趣味も合いすぐ打ち解けた。
2人目が塩谷丈、見た目はすらっとしていて細身でいかにも美容師っぽい見た目だ。
しかし、話すと結構天然で愛されるいじられキャラと言った奴だ。丈ともすぐ打ち解けた。
2人は見た目は真逆だが、共通点、何度も
言うが、めちゃくちゃいい奴らだ。
俺は少しでも情報をと、ジャブを打つようにさりげなく桜井さんのことを2人に聞いてみた。
「あー、えっと、圭吾。
桜井さんも同じ専門学校なんだっけ?」
「そうだよ。丈なんて二年間同じクラスだったからね。」
「まさか、就職先も同じだとは思わなかったけど、、腐れ縁ってやつかな。」
同じ腐れ縁でも俺と若林とは違うなと思いつつもう一つ質問してみた。
「そういえばさ、みんなカノジョとかいるの?
もしかして丈、桜井さんと付き合ってたり!?笑」
「ううん。笑
それは無いよ。だって桜井さん彼氏いるし。」
「えっ??、そ、そうなんだ。。。」
「そうそう。なんか高校時代から付き合ってる人がいて、めっちゃラブラブらしいし、落ち着いたら結婚するんじゃないかな?」
「へ、へぇー。そうなんだ。。。」
平然を装いながらも俺の心はどん底だった。
あれだけ可愛い子ならば覚悟はしていたがやっぱり現実を突きつけられるとかなりキツイ。
しかも、別れる気配、皆無。
入社早々外堀から埋めよう作戦は開始するまでもなく失敗し、甘酸っぱい俺の恋愛は早くも完全に詰んでしまったのだった。