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9 先人の努力に感謝しましょう

・あらすじ、誰か試しに俺の愛車運転してみませんか?

 

 ただいま俺はバイト中です

 

 車の近くまで運ばれた荷物をせっせとトランクの中に入れている、出し入れ出来るのがどうやら俺だけのようでかなりの重労働…明日は筋肉痛かな?

 

 「それにしてもケイジドウシャ…エナさんですか?本当に凄い神具ですね、これほどの荷物を積んでもまだまだ余裕があり、さらに馬より速く走る…ケイさん真剣な話し正社員になりませんか?厚待遇で歓迎しますよ」

 

 マルクさんも荷物を運びながら俺をスカウトしてくる

 

 「ありがたい話しなんですが、すいません俺 夢があるんで」

 

 「夢?」

 

 「はい、自分の店を持ちたいんです」

 

 「…運び屋かい?」

 

 マルクさん、気持ちはわかるけど車がらみじゃ無いです…

 

 「いえ、俺が開きたい店は飲食店です」

 

 「へーおっさん飯好きとして、その話し気になるわー、どんなの出すつもり」

 

 おっさんも荷物運びの手伝いをしながら会話に入ってくる

 

 「ラーメンと言う名の食べ物です」

 

 おっさんやマルクさんはそんな食べ物あったかな?と考えながらも手を動かす

 

 「ケイ君、おっさんにそのラーメンとやらを作ってよ、舌には自信あるからさ」

 

 やっぱりその料理名が初耳だったようで気になったのか頼んでくる

 

 「残念ながら今は無理なんです…ラーメンを作る材料が無いですから」

 

 「材料って町に行ったら手に入いるんでないの?」

 

 「う~ん…あるかな?」

 

 醤油に味噌、かん水、メンマとか異世界で入手出来るか怪しい物がいっぱい…

 

 俺が難しい顔をしていたのだろうか、マルクさんが声をかけてくれる

 

 「手に入れるのが難しいんですか?私が商会通じて探しますよ」

 

 「ありがとうございます、正直なところ難しい物もあって最悪一から材料を作らないといけないので…」

 

 「材料を一からですか…力になれればよいのですが…」

 

 「情報だけでももらえると嬉しいです、どのみちエナと旅して材料集めをしようとしてましたし」

 

 「そうですか わかりました、町に着いた時にその材料を教えて下さい出来る限り力になります」

 

 トン と胸を叩き任せなさいと胸をはるマルクさん

 

 「…めっちゃいい人」

 

 感動して俺のこころの言葉がポロっとこぼれる

 

 それが聞こえたのであろうマルクさんが軽く笑い

 

 「有望な君には早く恩を返して逆にこちらから恩を売らないといけませんしね」

 

 「ふふ、それを俺に言ちゃいますか、それに有望なのは俺じゃなくエナ方じゃないんですか?」

 

 「いや、ケイさんにもとっても期待してますよ、神様からこんな神具を授かったほどの人物ですしね」

 

 …すいません、神様達の不倫や隠蔽工作によって手に入れた自慢の愛車です…俺ほとんど関係ねーです

 

 「マルクさんそれは…ちょっと買いかぶり過ぎですね」

 


 

 そんな会話をしているとマルクさんの部下であるセリムさんが荷物手に話しかける

 

 「これで無事な荷物は最後になります、これは箱の中に詰めてあった瓶が割れて液体が出てしまい10個ほど駄目になってしまいましたが…」

 

 最後ですと渡された荷物、たしか何らかの液体がこぼれたのであろう木箱、底のほうが液体を吸い変色している

 

 「しっかりと拭いたので臭いなどは大丈夫だと思いますが積んで頂いてよろしいですか?」

 

 「大丈夫ですよ、特に気にしないので」

 

 とかいいつつ確認の為変色した部分の臭いを嗅ぐ…

 

 

 「えっ?」

 

 

 小さな頃から慣れ親しんだその香りが鼻の中から脳まで一気に流れこむ、日本人であれば間違える筈がないこの香りは…

 

 

 「醤油…」

 

 

 俺は箱を置き中から瓶を取り出すと急いで車前方に

 

 「エナ、鑑定を頼む」

 

 「おk、マスター」

 

 ピロン♪

 

 音が鳴るのを確認し車の中に入り食い入るようにナビの画面を見つめる

 

 醤油しょうゆ

 [主に穀物を原料とし、醸造技術により発酵させて製造する液体調味料である、異世界(地球)人「モンザエモン」により伝承されたこの調味料はアルチーノ諸島では基本的な調味料の一つとなっている]


 

 間違いない、入手が難しいと思っていた物の一つがいとも簡単に見つかった

 

 「ケイさん、大丈夫ですか…急にどうしました?」

 

 臭いを嗅いだ瞬間から血相を変え車の前に行きすぐ車の中に入り食い入るように画面を見つめるという奇行を見てマルクさんは心配そうに訪ねる

 

 「ありました、マルクさんラーメンの材料で手に入れるのが難しいと思ってたやつの一つです」

 

 醤油の瓶を前に出し笑顔で答える

 

 「それは良かったです、その調味料はアルチーノ諸島の方から取り寄せてるんですが、最近じわじわと人気が出てきてます、入荷数が少ないんですが売れ筋の商品ですよ、街に着いたらいくつか融通を利かせますよ」

 

 「ありがとうございます、助かります」

 

 そう言って礼をした後持っていた醤油を箱に戻す

 

 「取りあえず、すべては街に着いてからですね、では その荷物を積んだら移動し始めますのでよろしくお願いしますね」

 

 そう言って出発することを皆に伝える為マルクさんはほかの荷馬車のほうに歩いていった


 

 それにしても異世界でラーメンを作るのに幸先の良いスタートをきれたのではないだろうか

 

それもこれも異世界転移の先輩、モンザエモンさんのおかげだ、一から醤油造りとか大変過ぎる…知識あってもムリだと思う


モンザエモン先輩の努力に最大級の感謝を!

 

 

 

 

 

 

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