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29 見つけて、轢いて、吸収しましょう

あらすじ スライムGETだぜ!

 ♪~地球から異世界へさよならバイバイ 俺はコイツと旅に出る (モチー)

鍛えた技(運転技術)で轢きまくり 仲間(おっさん)を増やして次の森へ…♪

 



 

 エナがレッドウルフを見つけて、俺がアクセル踏み込みそれを轢く

 

 今日何度目になるだろうかこの作業、休憩が終わった昼過ぎからでもかなりの数になると思う

 

 朝と違うのはその作業にもう一工程が加わったこと、スライムのモチが後片付けしてくれている

 

 白い林檎を食べ終えたモチ、俺達が車で魔物を倒している事に気づいたのか鍋から出てきてうにょうにょとドアを開けようとしていた、俺がちょっとドアを開けてやると子供かな?スライムがぷるんっと増えて本人?を残して4匹が外に飛び出した

 

 そこから始まったのがレッドウルフの大掃除、森の近くに転がってる死体を綺麗に掃除(吸収)していく、 子供達はかなり器用で傷が少ないレッドウルフを選んで口から入って中身だけ吸収して毛皮を一ヶ所に集めている…子供達に名前つけようか?きなこ…あんこか?…いやモチと見分けが出来ないから無理だな

 

 名前付けを早々に諦める俺、でも何て有能な子達でしょう…ゲームとかでモンスターのドロップや剥ぎ取りは基本だったけどリアルでやるとなるとキツいものがある…それをモチがやってくれてるのである…流石は俺と引き分けたスライム…

 

 「ありがとうな、モチご褒美何がいい?」

 

 モチの身体をぷにぷに触りながらご褒美について考える、良いことしたらご褒美、テイマーのたしなみだ

 

 ご褒美と聞いたモチは嬉しいそうにぶにょぶにょした後、一生懸命 身体の形を変える

 

 「…林檎?」

 

 おっ 正解のようだ

 

 「そうか、モチは果物が好きか今度市場で色んな種類買おうな」

 

 そう言ってスライムぷにぷにを再開する、色んな種類と聞いてモチも嬉しそうだ

 

 「マスター、右方向からレッドウルフ5匹接近しています、森から出て来ますがその後ろにオジサマ達が続いて来ます、轢かないように注意してください」

 

 「おっ 了解」

 

 エナの言葉を聞きモチをツンツンしていた手をハンドルに戻す

 

 時間が夕方が近づいて来ているのでおっさん3人は最後の仕事にと魔物を追いたてながら帰って来たのだろう

 

 おっ 出てきた、森から出てくるレッドウルフ5匹、必死の形相で逃げている…余程怖いものに追われているのだろう…まー追ってるのは酒好きのおっさん達だけどね

 

 森から出てきたレッドウルフに狙いをすませハイスピードでタックルをぶちかます、衝突音が辺りに響く

 

 ちっ、一匹かすっただけの奴がいる…レッドウルフが固まって逃げていたため一網打尽と言う風にしたかったがそううまくはいかなかった

 

 まーでも想定範囲内っと

 

 車をドリフトさせて向きをレッドウルフに向ける…加護の〈運転技術向上〉が効いているのだろう普通に左折します位の気持ちでアクション映画のカースタントみたいな動きが出来る

 

 再度アクセルを踏み込みタックルでトドメを刺す…罪悪感少少あるが大分薄れたもんだな…慣れって怖い

 

 「エっさん達が帰って来るみたいだし今日はもう終わりかな、エナ ありがとうな、エナにも何かご褒美あげないとな…でも食事出来ないし何がいい?」

 

 画面の中にいる俺のパートナーに声をかける

 

 「私はマスターの側にいれるだけで十分です」

 

 かわいい声でそんなこと言われるとドキッとするな…

 

 「照れるなー、でもパートナーとしてお礼がしたいんだ…ダメか?」

 

 画面中の美少女は少し考える…

 

 「じゃあマスター、私の身体を洗ってください♥」

 

 

 …うん、エロい…でも俺は知っているこれはエロいお誘いじゃ無いってことを…騙されるな俺

 

 「…了解、確かトランクにブラシとかあったから今度丹精込めて洗車させていただきます」

 

 「はい、楽しみにしてます」

 

 エナが嬉しそうにしている、加護によってボディーとかは常に綺麗なのだが、エナにとって洗車は汚れを落とすと言う意味合いじゃなく湯船に浸かるみたいな感じなのかな?よし感謝の気持ち込めて洗車しよう

 

 

 「いやー、エナちゃんに乗ってるとケイくんホントすごいね、一人だとスライム倒せないのに…ぷぷー」

 

 エっさんが口に手を当てておちゃらけながら森から出てきた…よし置いて帰ろう

 

 「グランさん、ハンスさんそこの変なおっさん置いて帰りますので早い事車に乗ってください」

 

 「ケイくんマジごめん…おっさん超反省してる」

 

 胸元で手を合わせながら謝って来るエっさん、町まで歩いて帰ることを考えたのだろう…顔がマジだ

 

 「まー、それは冗談として帰る前に確認してほしい物があるんだけどいいですか?あーグランさんとハンスさんも」

 

 そう言って俺はある場所におっさん達を案内する

 

 連れて行った場所は、モチの子供?がせっせと積み上げてた毛皮の山だ

 

 「これは立派だな…流石ケイさん」

 

 「かなり丁寧で質がいい、ギルドで是非買い取りたい位の上等な物だ…」

 

 「てかどうやって作るのさこんなもん…長いこと冒険者やってるおっさんですらこんな綺麗な剥ぎ取り無理だって…」

 

 いや、どうって言われても…モチに目をやるとえっへんと胸を張ってるような気がする…

 

 目の前には最後に轢いたレッドウルフ、皆が見守る中モチの子供が近づいていく、口から入ってもぞもぞする…すると空気漏れしたい浮き輪のようにぺちゃんってなったレッドウルフの毛皮が出来上がる

 

 「えっと…こうやって作られます」

 

 「「おっ おう…」」

 

 呆然としてるおっさん達…そうなるよね…

 

 でもグランさんが先ほど言ってたように売れるみたいだ、トランクに積もう

 

 モチの子供達がトランクまでの運搬を手伝ってくれた…ホントいい子や…でもなー…

 

 「モチ…ごめんな、子供達そんな沢山は連れて行けないんだ」

 

 モチに説明する、モチは何言ってるの?とスライム達を整列させてチューっと吸収…モチだけになった…子供じゃなく分身だったのね、流石は俺と引き分けたスライムだ

 

 毛皮をすべて積み終えた俺にグランさんが声をかける

 

 「…ケイくん、帰ろうか…後その謎スライムのテイム申請、俺がギルドに出しとくから、テイムの試験日はまた伝えるわ…」

 

 「グランさん、ありがとうございます」

 

 「いやいや、それよりケイくんに頼みたい事があるんだ…」

 

 「わかりました、でも詳しくは帰り道に言ってください…晩飯のジムニーさんの新作料理のお披露目に遅れたら悪いですしね」

 

 「そーそーおっさんも腹へって腹へって…酒飲みたくって…」

 

 「…新作料理、それは大事だな、よし早く帰ろう、用件は車の中で説明する」

 

 早々と帰る準備が整い町に向け車が動き出す、帰りの車内はグランさんの仕事用件ほどほどに新作の料理の話でいっぱいだった

 

 

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