23 ちょっと味見をしましょう
あらすじ、マヨネーズの直飲みする行為 通称「マヨチュッチュ」それを流行らせたママの番組をやってた頃が17年くらい前だと気付き落ち込む俺…おっはー、今日も頑張ろう!
昼が近づきお腹が減ったと訴えるエっさん、ちょっと時間的には早いが異世界の野菜達の味見をすることになった
大皿の上に綺麗に盛り付けられた生野菜やゆで野菜、そして俺達3人の前にある小皿、黄色い輝きを放つ調味料がたっぷりと入っている
「 「いただきます」」
皆で手を合わせ、食材に感謝する、ついでにこの世界でも初代の勇者が「いただきます」の文化を広めたらしい、同郷の先輩かっけーです
たくさんある野菜の中から俺はまずきゅうりを選択、丸いフォルムのきゅうりが薄くスライスされてる、一枚掴みマヨネーズに軽く潜らせ口に運ぶ
濃厚なマヨネーズの味が口に広がる、その奥からシャクシャクと音を奏できゅうりの含んでいたみずみずしい水分が口いっぱいに広がる
地球のきゅうりより水分量が多いのだろう、ボリボリとした触感がの皮が少なく、中の白っぽい部分が多くシャクシャクと固めのリンゴを噛んだように感じる
この触感、これはこれで俺は好きだ
エっさんは大根スティックをジムニーさんは白いブロッコリ(カリフラワーでは無い)をマヨネーズに付け食べている
エっさんはポリポリと勢いよく食べ早々と次のニンジンスティックへと手を伸ばしている
「いいねこれ、野菜がお酒のあてになってすごくおっさん好きだわ 」
ポリポリと音を立ててエール片手に食べ進めていく、気に入ってくれたようだ
一方ジムニーさんの方は味を吟味している、
「黄身のまろやかな甘味にビネガーの爽やかな酸味、それがひとつになってこのブロッコリを引き立てている…」
目を瞑り感想を口にするジムニーさん…うんうんとうなずくようなその行動、気に入ってくれたのかな?
俺もどんどん次の野菜に手を伸ばしていく、一応市場にあった名前の知ってる野菜は一通り食べた、トマトは甘味が強かったし、じゃがいもはめっちゃ味が濃かった
結論、若干地球の野菜と違うが美味しい!
そしてお待ちかねこの世界の野菜達の出番だ、始めに食べるは小型パック○フラワーこと「バイトプラント」実の部分を守る為その実事態が牙のような機能を持ち食べようと寄ってきたものに噛みつくそんな魔物植物、一個がピンポン玉くらいの大きさだがバイトプラントは数が多いため密集していると危険な植物、全身歯形だらけの血だらけになるそうだ
今はその牙にあたる部分は綺麗に下処理されている、ゆでられたバイトプラントは実の部分だけ、さながらみどり色のパック○ンがお皿にのってるようだ…
一個掴み小皿に入ったマヨネーズをディップする
コリッ
気持ちの良い高音と共に口の中に味が広がる、?この野菜は煮込みとかで味を染み込ませるタイプの野菜だろうか?、初めの印象はそうだったが徐々に口に広がる味が止まることなく溢れてくる…このコリッとした実の中に味が濃縮されていたのだろうか、噛むほどに旨味が出てくる…単純に言うとめっちゃうまい
「いやー、野菜がうまい」
「ケイくんの作ったマヨネーズも絶品」
「ケイさん、このマヨネーズうちのお店で提供してもよろしいですか」
それぞれ野菜を食べながら感想など話して堪能する、ついでにジムニーさんにはマヨネーズの管理、注意点を伝え「俺が考えた訳じゃないので」と自由にしてくださいと伝えた
そのあとも「エッグフラワー」と呼ばれる食べられる卵型の花 などこの世界の野菜達をいただく、特にこのエッグフラワーはおもしろく黄身の無い白身オンリーの卵のような植物、味もあっさりとしたゆで卵の白身、マヨネーズでいただきました
小腹を満たした俺達、夜に向けてさらに料理を仕込んでいく、エっさんが言っていた通り、餃子と唐揚げだ、特に餃子に関してはおやっさんに厳しく教えられたものだ…怖かったな~
「じゃあ、料理再開しますか」
俺は手を洗い、厨房の方へと移動する
「はい、手伝えることがあったら言ってください」
「おっさん野菜つまみながら見てるわ」
エっさんはカウンター越しから俺の料理風景をみるらしい、聞いたことの無い料理、面白そうに厨房内を見てくる
ついでにジムニーさんには説明してボーキーカウとハンマーピッグの合い挽き肉を作ってもらうミンサーが無いので包丁で頑張ってもらう…ありがとうございます
さて、俺は餃子の皮作りから調理再開
小麦粉を準備する、念のため確認、手で小麦粉を握る、強力粉は硬い小麦粉からつくるので粒が粗くサラサラと手から落ちていく、薄力粉は軟らかい小麦からつくられているため、粒のきめが細かくしっとりしているので手ににぎったとき固まる
サラサラと手から溢れていく小麦粉、強力粉に近いもののようだ
その小麦粉をボウルに入れて水を少量ずつ箸で混ぜながら加えていく 、そぼろ状になってきたら、箸からヘラに替えてさらに少しづつ水を加えくっついてきた粉をヘラで押し切るように捏ねていく
ボウルの粉っぽさがなくなったら手でひとまとめにしてさらに捏ねる
数分捏ね、生地が滑らかになったら丸めて、乾かないよう蓋をしてをして10分寝かす 、蓋じゃなくてラップが欲しいけど車に積んで無かったから仕方ない…いやーラップ考えた人はすごいよなー
寝かした生地を包丁で4等分にして棒状にしたら魔道具冷蔵庫でさらに30分寝かす
取りだして均一に伸ばし一個サイズに切り分ける切り分けた生地を手のひらでつぶす、綺麗に丸く整形した皮を量産していく
おやっさんに仕込まれた餃子の皮を作るこの技術 、俺の手により結構なスピードでどんどん作られていく
「ほー、ケイくん職人って感じがしてかっこいいー」
「マスター、かっこいいです」
エっさんとエナが茶化してくるが気にせず手を動かす
ジムニーさんは合い挽き肉を作ってもらったあとに野菜も細かく切ってもらっている、
緑の色が濃い白菜、ネギとの見分けがむずかしい丸っこいニラなど下準備をしてくれている
ボウルに挽き肉を入れて粘り気が出るまで混ぜる、ジムニーさんにみじん切りにしてもらった野菜を加えてさらにしょうが、ニンニク、醤油、砂糖、酒、胡椒を少し加える、ついでに言うと胡椒は高かった、金貨と同じ重さと量り売り…大事に使おう
挽き肉と野菜、調味料を混ぜ終わると先程作った餃子の皮に具をのせる、縁に水をつけてひだをつけながら包む ここが腕の見せどころ、おやっさん見てかっけーと思った動きだ、昔の俺が見たら今の俺をカッコいいって言ってもらえるだろうか
「ひゅー、ケイくんカッコいい」
「マスター、カッコいいです」
少なくとも二人はかっこよく思ってくれてるようだ…いや…ただ茶化されてるだけ?
出来上がった餃子をトレイに並べていき終了
唐揚げの方はジムニーさんがビックコッコのお肉を説明した通り一口サイズに切り分け餃子の生地を寝かしてる時に俺が作った醤油ベースタレに漬け込んでくれている
ジムニーさんの手伝いもあり予想以上に早く料理の準備が終わった
「あの…ケイさん…例の件ですが…」
「わかってます、タレですよね専門外ですが一緒に頑張りましょう」
昨日の夜に焼鳥が出た時に、甘くとろっとしたタレの話しをしてジムニーさんがすごい食い付いた、この焼鳥のタレのおかげで話しがまとまり厨房を貸してもらえことになったのだ
今、鍋に火をかけて焼鳥のタレを作っている…醤油、砂糖、お酒…みりんがあったら入れるらしいがこの世界に無いから仕方ない、割合は正直解らんかった…だって焼鳥はおやっさんに習って無いから…エナに相談してレシピを聞いておいたので、今からジムニーさんと共に調整をおこなう
タレを煮詰めて、味見の繰り返し エっさんは、エール片手に試作品の焼鳥を満喫、
「わかるわー、この甘辛いタレにビックコッコの肉汁がからんでそれをエールでくぅーっとね」
うまそうに食べるエっさんの横、二人は真剣な顔で調整中 、理想に近づけていく
夜の店を開けるまでには形にしたいとのこと、夜には俺の作った料理含め常連さんに提供して感想がもらえるらしい、どんな感想がもらえるか楽しみであり不安でもあり…
そんな料理研究や下ごしらえはお店が開くギリギリまでおこなわれた