21 トータスの町を散策しましょう(2)
あらすじ、時給7万円以上、物を運ぶ簡単なお仕事です…あぶない仕事みたいだね…続けて町を散策します
お店から満足して出てきた俺達、マルクさんはまだ仕事が残っているとのことで「お仕事頑張ってください」と一言贈り俺達はクラウス商店を後にした
現在俺のテンションは高い、クラウス商会にて調味料の基本
(さ)砂糖 (し)塩 (す)酢、ビネガー (せ)醤油 (そ)味噌
の さ し す せ そ を揃える事が出来た、今は酢が穀物酢ではなくワインビネガーだがマルクさんがお米と一緒に米酢を取り寄せてくれるとのこと期待して待とう
次に案内されたのは、お店を出てちょっと行った所 、日本で言う八百屋さんの前にいる、店先に並んだ色とりどりの野菜達を選んでいく
丸っこいきゅうりに桃色のトマト、一口サイズのじゃがいもに大根並の人参、赤色の茄子…俺が知っている野菜達と若干違うようだ…
「エナ、じゃあ手筈通り頼むわ」
「任せてマスター」
俺はスマホを構え野菜達をスマホのカメラで撮影していく、それを随時本体の車へと送信、鑑定してもらう
スマホに情報が送り返されどんな野菜かを確認する、丸っこいきゅうり…、一口サイズのじゃがいもなど どれも名前は一緒だった、エナの情報によれば大体地球の野菜と一緒みたいだ、ただそのなかで確認して良かったのは赤色の茄子…見た目完全に赤い茄子だったけどその本性は身がつまった唐辛子だった…あぶない所だった、
ついでに紫のプチトマトみたいな野菜がある…茄子はそれっぽいな…写真撮って確認しなきゃわからんが
でも嬉しいことにエナから送られてくる情報によると、この野菜達は地球と大きく変わらないとのこと、このあとの料理の研究で味をしっかりと確認するつもりだけどね
さて、問題は未知の野菜
ピポッ
エナの本体(車)からメールが届く
今写真に撮っって送ったのはこの植物…見た目は緑一色のマリ○に出てくる小型パック○フラワー、顔?の大きさはピンポン玉くらい…このくらいのサイズならかわいいかもって思ったのは内緒だ
エナの情報によると植物系魔物らしく小さな牙を下処理して茹でると丸みをおびた顔?の部分が美味らしい…見た目的にマヨネーズとか合うと思う…たぶん
取り合えずマルクさんより貰った軍資金に物を言わせ、お店にある顔見知りの野菜達から初めましての野菜達まで購入していく、大量に買った荷物は料理研究を楽しみにしているエっさんに荷物持ち役で絶賛頑張ってもらっている、エールや熱燗片手に味見役をするって張り切ってたし
次に勢いそのまま精肉店へ、ここには動物のお肉は無い…何故かと言うと全部が魔物のお肉だからだ、一応家畜化されていて繁殖力があり安定供給できるらしい、ついでに家畜化していても魔物は人を襲うそうだ、酪農家は魔物の制御の為兵士より強い人が多いそうだ…日本みたいに牧場体験とかすると死人がでるな…おー怖
お店に並んであるお肉、昨日串焼きのお店で食べたダチョウサイズの鶏[ビックコッコ]のお肉、筋肉質で大きく固い鼻を持つ豚 [ハンマーピッグ]のお肉、大きな脂肪の身体で守りが異様に固い[ボーキーカウ]などがこの世界で一般的に食べられているらしい
取り合えずその牛 豚 鳥を購入、さらに牧場から朝届いたというソフトボールより大きいビックコッコの卵も購入した、
両手いっぱいの材料をしまうため、一旦車が置いてある場所へ戻っていく、車はマルクさんのご好意で商会の倉庫前のスペースをそのまま使わせてもらっている
「おう、二人共昨日は楽しかったか?」
ちょうど車に到着した頃に後ろの方から低い声が聞こえ振り返る、声の主はトータスのギルマスのグランさんだ、昨日より若干疲れているのが見て取れる、軽く挨拶を返した後にエっさんがニヤニヤしながら喋りだす
「もちろん、お酒の席はただでさえ楽しいのに[熱燗]を初体験したからさー、くぅーってお酒が身体に染み渡って最高だったわ」
「チッ、また新しいお酒かなんかか、羨ましいなーおい…俺はお前らと別れてから各ギルドへの連絡に、領主への報告とかめんどくせーことしてたってのに…」
「で、調査してくれてんの?」
「おう、討伐と調査の依頼一緒に出した、ギルドの職員も数名調査に出すつもりだ」
俺も話しを聞きながら、荷物をトランクに積む作業をしている
「エリック、お前も働いてくれねーか?」
「無理無理、今日は絶対働かないって朝から決めてんの、明日なら考えとくけど」
今日は全力で働かないと宣言するエっさん それを聞いてグランさんは俺の方をチラっと見て話しを続ける
「はぁ…エリック、明日でいいよ、ケイくんも明日でいいから手伝ってくれるかい?昨日聞いた話しだと強いみたいだしさ」
「えっ、…俺?」
急に話しがこっちにきてびっくりする
「ほら、昨日エリックが言ってたエナチャンとか言う神具でさ」
大男が胸前で手を合わせ頼んでくる、どうしよう…、エナの名前が出たため胸ポケットをチラ見する
「マスター、これはチャンスです、CPをいっぱい貯めましょう」
かわいい声が胸から聞こえる…たしかにCPは欲しいなー、
女性の声が聞こえるが出どころがわからずキョロキョロしてるグランさんに声をかける
「俺の出来る範囲でなら手伝いますよ…でもギルドの登録とか大丈夫ですか?昨日の飲み会でエッさんにいろいろあるって聞きましたけど」
「ありがとう、大丈夫だよ殆どの手続きは俺がやっておく安心してくれ」
「じゃあ、おっさんも明日ケイくんと一緒にギルド行って依頼受けるわ、先輩の指導いるでしょ」
「エリックもありがとな…あっ……はぁ~、町の警備隊長への報告忘れてた、めんどくせー…行ってくるわ、二人共 明日よろしくな」
とぼとぼと去っていく大男その足取りは重そうだ
「さて、ケイくん ジムニーさんを待たせると悪いから急ごうや」
そう、今日の予定は料理の研究、昨日のお店の店長さん(ジムニーさん)と料理の話しで仲良くなりお店の厨房を貸してくれるとのこと、自分も新メニューの参考にって気合いが入っていた(笑)
エっさんが急かす理由は自分が食べたいだけだろうけどジムニーさんを待たすのも悪いしさっさとお店に行きますか
「じゃあ、お店前まで車出すから乗って」
「了解」
さーてお料理の時間だ、なに作ろうかな?