13 トラブル解決に力を貸しましょう
あらすじ 、なんか次々にトラブル起こるけど、エナの多すぎる加護に〈トラブルメーカー〉とかありそうで不安になります…後で確認しよう
現在俺は クラウス商会の二階、社長室みたいな所にいる、町の外で緊急事態が起こっていて部屋の中は慌ただしくなっている
「エヴァンさん取り合えず薬を病院にお願いしますお代は後でかまいません、薬の調達はこちらで何とかしてみます…セリム案内を」
「はい、こちらです」
「すいません、よろしくお願いします」
そう言ってエヴァンさんは倉庫への案内役のセリムさんを追うように退室する
マルクさんは壁際に置いてある背の高い地球儀に似た何かの前に行き立ったまま目を閉じそれに触れる、すると地球儀のような物は淡く光り出す
「接続 バモス 」
地球儀のような物は徐々に回転速度を上げ凄いスピードで回り出す
「接続確認こちらバモスのクルトです」
「 こちらタートスのマルクです…緊急の用件です 、明日朝イチに早馬でそちらの町に使いを行かせます、ポイズンビーの解毒薬を出来れば30と馬を帰り用に乗り換えるのでその準備を頼めますか」
「わかりました、準備するよう指示します」
進められる話しに俺は少し疑問を持つ…緊急なのに明日なんだな…
「マルクさん、今からじゃダメなんですか?」
マルクさんは苦い顔をして答える
「夜に向けての町を出ると二次災害になってしまう可能性があります、魔法で灯りを確保しながら進んでく方法もありますが魔力に限りがありますし、何より夜に活発になる魔物も多くいます」
なるほど日本では夜に外出当たり前だけどやっぱり魔法があっても夜間外出危険なのか…でもエナなら夜間でもドライブ出来そうじゃないか?
「マルクさん、俺たぶん行けると思います」
その言葉にマルクさんはハッとした顔をする
「神具…エナさんですか…」
「はい」
マルクさんは顎に手を当て少し考える仕草をとる
「本当に大丈夫ですか」
「エナにも聞きますが、たぶん」
念押しされちょっと不安になる
マルクさんは俺の顔を見て頷き地球儀のような通信機向かい言葉を付け足す
「今の時間からでも出発することが可能かも知れません、取り合えず薬の準備だけでもお願いします」
「…マルクさん、わかりましたでも無理はしないでください」
「わかってますよ、では頼みましたよクルト」
「はい」
言葉が終ると共に地球儀の回転が遅くなっていき淡い光も消えていく
地球儀の操作が終わり振り返ったマルクさんは俺に近づいてくるとゆっくり頭を下げる
「ケイさん、もう一度 力を貸してください」
「はい、もとからそのつもりですよ」
安心してくださいと笑顔で返す
さらにマルクさんは横にいたエっさんにも頭を下げる
「エリックさん、ケイさんだけでも大丈夫だと思いますが護衛を頼めますか?」
「そう言うことなら任せてちょーだい」
エっさんも軽く了承する、俺は大丈夫だと思うが夜間ドライブが可能か一応確認のためエナの所にいってきますと扉を開け出ようとする、しかしその時に丁度 下の階から階段をかけ上がる音が響くその音の主は部屋にそのまま入って来る
「すまん、マルクさん ロメオのボウズみてないか?」
頬に傷のある男性、腰の部分に帯剣している所をみると戦闘関係の人かな…冒険者?…またトラブル?
「ハンスさん…いえロメオくんは見てないですがどうしました?」
「そうか、ボウズが病院で看護婦の薬が足りないと言う言葉を聞いた後こっち向かって走っていったと聞いたもんだから、ここに来てるんじゃねーかと」
あっ、その子知ってるかも…
「もしかして、そのロメオくんってこれくらいの背の男の子ですか」
階段をかけ降りていった小さな影を思い出して自分の前に手を出して背を再現する
「そうだが…すまない、どこで見た?」
「5、6分ほど前に扉のほうで音がしたんで開けて見てみるとこれくらいの背の男の子が急いで階段をかけ降りていったんですよ」
「5、6分前って言ったらマルクさんが隣町に連絡するちょっと前くらいじゃないの?」
何かあったっけと考える仕草するエっさん、俺もふっと思い出す丁度その頃していた話は…
「もしかして薬が足りないことを扉の前で聞いていたとか…」
ぼそっと出た俺の言葉に皆の視線が一気に集まる
「えっと…だから他のお店に薬を貰いに行ったとか…?」
「ちッ、あの馬鹿」
俺の言葉が終ると同時くらいにハンスさんは部屋を出ていく、急なことに へ? って顔をしているであろう俺にマルクさんが説明してくれる
「この町には色々な商会のお店があります…しかし薬品関係の運搬や取り扱いはこの町の病院と直接契約しているこのクラウス商会だけです」
「つまり病院とここ以外に薬を取りに向かうとしたら町の外ってことか…まずいな」
エっさんも俺も状況を理解する、きっとハンスさんはその事に気付いて門の方へ行ったのだろう、取り合えず俺は今出来ることをしよう
「マルクさん、薬を取りに行ったりロメオくんを追うにしてもエナの力が必用になると思います、今からエナに伝えて出発準備をして来ます」
そう言って俺は部屋を出ようとする
「よろしくお願いします、私も隣町に着いていきます、先に準備をしていてください」
「わかりました」
エっさんと共に階段を降りて向かうは倉庫近くに停まっている黒い軽自動車エナだ、タッチでロックを解除して中に入る
「おかえりなさい、マスター」
「ただいま、エナいきなりで悪いけど夜に走るのって可能だよな」
「道に外灯などの光りがなくてもナビの私がいますから迷いませんし、ヘッドライトも従来より明るい ので夜間の運転はもちろん可能ですよ 」
「じゃあ、今から出発する…エナ 力を貸してくれ」
そう言って車のエンジンをかける
「力を貸すも何もエナはマスターのモノです、まかせてください」
画面の中で無い胸をはるエナの姿がやけに頼もしかった