表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王太子妃付き侍女の憂鬱。  作者: なな風
とある一日。
8/17

お茶の時間で神話談義。

神話について、精霊王ってどんなの、って話。


次話を12時に投稿します。

 殿下とエリューシャ様と同じ席についております。違和感しかねぇ……。

「……さて、なにから話そうかね?」

「神話についてまだ聞きたい事があるわ。」

「ならそれでいこう。」

 ……私は神殿の者ではないのですがね。


「さっきの話聞いてて思ったんだけど、神話って精霊王とか精霊神の話がメインなの?他の話も聞いたことあるけど。」

「はい、神話は精霊王と精霊神の話だけはなく、」他の神を主軸にした話もございます。また、地上の生物や人間にまつわる話もありますね。」

「そうなんだ。」


「神話全体として、かなり詳細にその時の状況が書かれた部分もありまして。神話は実は、この世界が辿ってきた歴史なのではないか、という説もありまして。神殿内では今の所この説が最有力です。それを裏付けるような遺跡なども残っております。」

 なんでも神殿は今、精霊王の門探しに躍起になっているとか。


「あ、それ聞いたことある。神話が歴史書だって話。」

「ああ、私もあるぞ。魔獣のせいで進まんらしいが。」

「魔族領にも遺跡があるとか。」

「そうなのか。ふむ……。」

 土地柄見つけづらいでしょうが。


「それはそうと、精霊王とかって名前あるのかしら。精霊王、とか精霊神、とかでしか聞いたことないわ。」

「名前、ですか。」

「たしかに。役職名だしな。」

 ……名前。


「ええと……。たしか名前はあった筈です。ですが、神話を記した物が何分古く……名前が解読出来ない、その頁が破れている、等で分からないものが多いというのが神殿関係者の話です。」


「そうなんだ。判っているものはあるの?」

「そうですね……。たしか、精霊王の四つある顔の内の二つ、精霊神の三つある顔の内の一つ、地上の話で精霊王に鍛えられた世界を救うもの、そして魔獣を率いた個体の名前ですね。あとは私にはなんとも。」

 後は神殿関係者に聞いてください。


「ふーん。精霊王の顔の名前は?」

「精霊王の何かと冷徹を司る青のシエル、教導と何かを司る白のソレル、ですね。」

「精霊王自体の名前はわかってないのか?」

「……名前の一部のみしか。」

 …ィ………ーデ、という感じ。


「そうなのか……。」

「司るものは判っているようですが。」

 精霊王、絶園、黒の…ィ………ーデ。絶園が何かははっきりと判っていないが、精霊王の創り出した世界の事なのではないか、という話。


「絶園、ね。」

 門を見つけられれば色々わかるかもしれませんね。


「他の判っている名前を教えてくれ。」

「はい、精霊神の顔の一つは正義のフィブラーシュ、地上の世界を救うものはエイグラム、魔獣を率いるものはシェイドクイン・レプリエイラですね。シェイドクインは役職名なのではないか、という話です。」

 レプリエイラ、が名前になるんですかね。


「ふむ、なるほどな。フィブラーシュはわかる。騎士達が信仰しているからな。」

「光と正義のフィブラーシュ、だったわね。」

「はい。神話においても地上で起こった戦いで、守る側に精霊神がフィブラーシュとして降臨する場面がいくつかありますね。大抵、神話で正義として書かれている側でもございます。」

 もっとも、精霊神から見た正義ですが。


「……正義ってなんなのかしらね。」

「己の信ずるものが正義だろうよ。」

「……。」

 この話は嫌いだ。


「正義、が嫌いなのか?」

「……いえ、正義というのは戦いの一側面でしかないかと。」

「というと?」

「…………見方を変えればそれは悪ともなります。」

 勝者の綺麗事でもある。

「ふむ。」

「この話については御容赦願います。」

「わかった。」

 ふぅ。


 気付けばエリューシャ様がこちらをじっと見つめていた。

「なんでもないわ。」

 ……探られたかな。


「それはそうと、精霊王って地上によく来るんでしょ?」

「はい、神話では地上へ来る回数がかなり多いですね。」

 ただナカゴが食べたいだけで来る話も。

「今も地上の何処かにいるのかしら。」

「どうなんだろうね。いるかもしれない。」

「可能性としては高いかもしれませんね。」

 後から思い出して精霊王だったんじゃないか、という話は今でもある。


「今でもそういう話があるのね。」

「もしかしたら何処かで出会えるかもしれないな。」

「すでに会っているかもしれませんね。」

 それがありえるのが精霊王クオリティ。


「精霊王って見分けられたらいいのにね。」

「ナカゴでも渡してみるとかどうだ。」

「……常に持ち歩くのは大変かと。」

「なら他にないのかしら。」

「そうですね……。」

 なにかあるか。


「……精霊王の目は赤い、という話があった記憶があります。」

「赤い目か……。」

「あとは……精霊王は四色に書かれておりますね、説では外見、髪の色、と。」

「黒、青、白か。あと一つはなんだ?」

「えーっと……赤ですね。」

 統べる絶園の黒、…と冷徹の青、…と……の赤、教導と……の白。


「赤は全然判ってないのね。」

「はい。度々出てきている筈なのですが。」

 レプリエイラを創り出したのも赤だった筈。

「世界を滅ぼしかけた時も赤じゃなかったか?」

「赤い精霊王はとてつもなく危険、って話は聞いたことあるかも。」

「破壊だとかそういった事を司っているのかもしれないな。」

「ありえそうですね。」

「解読する人には頑張ってもらいたいわね。」

 今後に期待、と。







正義では守れないものもある。(レーネ談)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ