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王太子妃付き侍女の憂鬱。  作者: なな風
とある一日。
3/17

演習場その2。


「お疲れ様です。」

「死ぬかと思いました……。」


 全てを浄化するキラキラ空間から生還した私。

 アウル殿下は次の予定へ。

「いってらっしゃい、アウル。」

「いってくるよ。」

 キスですか、桃色空間が形成されております。お熱いことで……。

 ようやく再起動した侍女を連れて殿下が出発した。


「さて、エリューシャ様。こちらもいきましょうか。」

「そうねぇ……、いや、演習場の中とか騎士団の施設を見たいわ。どうせ次はお稽古事でしょう?」

「……はい、お稽古がみっちりと。」

 ここに来たことで詰まってます。……この方に必要なのかはわかりませんが。

「お稽古もやるけどそれはいつでもできるでしょう?それより、今見れるものをみたいわ。」

 ……たしかに。

「負けましたな、エリー殿。」

 団長、追い討ちですか。

「……連絡を取りますのでしばしお待ちを」

「ええ、よろしく。」


 一度退出し、近くを歩いていた騎士と侍女に言伝、連絡を頼みしばし待つ。

 ……騎士の方、なんかめちゃくちゃ慌ててたな、見られたくないものでもあるのだろうか。

「レーネ殿、王太子妃様の視察についてですが、危険な物を片付けますのでお待ちを。」

「わかりました、終わりましたら連絡を。」

「了解しました。」

 ……この騎士、連絡に使ってるけど同じ所往復するの大変よね。

「大丈夫です、それが仕事ですから。」

 ……顔に出てたか。

「ではまた連絡します。」

「はい。」





 騎士が行ったのを見届けエリューシャ様の所に。

「エリューシャ様、準備が整うまでしばしお待ちください。」

「わかったわ。」


 時間がかかるだろうからお茶の用意でも。……王族がくる所は大抵茶の用意ができるようになってるんだよね。


 お湯が沸くまでお茶請けの準備。今日は殿下も来たし絶対なにかが置いてある……はい、ありました。クッキーですね。毒がないかは魔術で確認した後毒見。おいしい。その後自分に魔術をかけてまた確認と。……便利ね、魔術って。お湯を沸かすのも魔石ってやつで動いてるし水を出すのも魔術。ほんと魔術便利。ないと生きてけない。


 そうしている間にお湯が沸いた。ポットに茶葉よし、お茶請けよし。お茶の味見を軽くして……おいしい、よし。さあいきましょ。


「お待たせしました。」

 エリューシャ様とアクロイ団長にお茶を出して、お茶請けも出す。

「お茶請けが出来合いなのはご了承ください。」

「わかってるわ。」

「ふむ、美味しいですね。」

 それはお茶請けの事ですか、お茶ですか。……お茶ですね、はい。よっしゃ。


「貴方とお茶するのも久しぶりね、ロイ。」

 「そうですね……。魔獣征伐以来でしょうか。」

 ……魔獣征伐。

 「あれから7年……早いものねぇ。」

 「ええ、本当に。」


 魔獣征伐。7年前にあった魔獣の大氾濫とその壊滅、という出来事ですね。あの時は世界規模で魔獣が溢れてたんですよね……。この国ではアウル殿下、エリューシャ様、アクロイ団長ともう一人を核に戦ったんでしたっけ。


 「あの時は大変だったわねぇ。……今はかなり持ち直したけどね。」

 「今も大変ですよ……。色々と変わりましたから。」


 あの後すぐ私がエリューシャ様付きになったおかげで覚えてます。あれから色々精力的に活動されてるんですよね、御三方。


 「変わるのはいい事よ。」

 「ええ。……あの方の望みでもありますからね。」

 ……なにこの懐古な雰囲気。というかあの方って核になったもう一人だよね。

 「あの子の理想に近づけたかしらね……。」

 「どうでしょうね……。」

 ……重い。

 「そういえばこの前会いましたよ。」

 「元気だった?」

 「ノロケられました。」

 ……生きてんのかい!死んだ人かと思ったわ!

 「ちなみに貴女の前任者よ、レーネ。」

 「……そうなのですか。」


 前任者の事はよくわかりませんが、確かエリューシャ様と学友、だったらしいです。これも侍女仲間談。


 「天才、というやつでしたね。」

 「秀才でもあったわ。……錬金術師だったのよ、あの子。」


 錬金術師……魔術が今のように普及する前にあった古の技術、それを扱う者ですね。10年ほど前からまた復刻する動きが出てきているんですよね。なんでも、その頃に錬金術を極めた人がいたとか。……あぁ、なるほど。


 「そうでしたね。あれは素晴らしかった。」

 「おかげで色々価値観も変わったわねぇ。」

 ちなみに私もその流れで錬金術を少しかじってます。……古のロマンがいい。


 と、ここでノックが。

 「入りなさい。」

 「失礼いたします。施設内の準備が整いました。」

 「わかったわ。……ではいきましょう。」

 「かしこまりました。」

 手早く片付けて、いざ騎士団視察へ。



は、話が進まない……。


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