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王太子妃付き侍女の憂鬱。  作者: なな風
とある一日。
15/17

起きてください。

「エリューシャ様、起きてください。」


 昼寝中のエリューシャ様。寝顔も美しいです。


「あと五分……。」


「駄目です、今起きないと寝起き最悪ですよ。」


「んぅー……。」


 起きませんね。ならば失礼して。


「エリューシャ様……起きなければ食べてしまいますよ……?」


「んひゃぁ!」


 っふふ、耳元で囁く、これかなり有効。


「びっくりした……レーネ、やめなさいっていつも言ってるじゃない……。」


「起きないエリューシャ様が悪いのです。」


「心臓に悪いわよ!まったくもう……。」


「ふふ。……コホン、おはようございます。とはいえ夕方ですが。」


「おはよう。軽く汗をふきたいわ。」


「すぐにお湯をお持ちいたします。」


 用意はしてある。


「お持ちしました。」


「はやいわね。」


「お拭きいたします。」


「背中おねがい。」


 背中かよチッ。……丁寧に拭きますとも。エリューシャ様の美しさに曇りがあってはいけないのです。女は背中で語るのですから。


「なんか手つきが怪しくない?」


「そんなことはありませんが。」


「そう、ならいいけど。」


 あっぶねー。




 体を拭いたら部屋着を着せて寝室から移動。目覚めのお茶です。


「コーヒー飲みたいわ。」


 まさかのっ!


「かしこまりました。少々お待ちを。」


 淹れる前でよかったわ。


 コーヒーは……あった。挽いて粉にして、それと火の魔石を準備。フラスコに水を入れて、外をよく拭いて、と。


「せっかくなので、目の前で淹れますね。」


 フラスコの下に魔石を置いて、加熱。


「へえ、面白い形してるわね、それ。」


 沸騰してきた。フィルターよし、ロートに粉よし。フラスコの上に差し込みますと。


「……お湯が上がってきたわ。どうなっているの。」


 面白いですよね、これ。全部あがる前にかき混ぜて、粉から抽出しましょう。層になったら少しそのままに。


「なんでも圧力が関係しているらしいですよ。」


 そろそろかな。魔石を停止、火を外す。軽くかき混ぜて、落ちるのを待ちましょう。


「火を消すと落ちてくるのね。」


 落ち切ったら、完成。


「お待たせしました、コーヒーです。今日はグラスゴルの豆を使ってみました。」


「いい香り。……おいしい。この苦味がまた……いいわねえ。」


 美味しいコーヒー、いいですよね。


「時間はまだあるの?」


「そうですね、もうしばらくしたらお着替えを。とはいえ、コーヒーを楽しむ時間はあります。」


「そう、わかったわ。……一人じゃ飲みきれないから、貴女も飲みなさいな。」


「……ありがとうございます。」


 コーヒーブレイクとしましょう。





「さて、そろそろ。」


「ええ。」


 コーヒーを片づけて、ドレスの用意。コルセットを締めて、と。


「もう慣れたけど、コルセットってきついよねえ。」


「ええ。エリューシャ様は腰が細いですからあまり締めなくていいですが……。」


「貴女も十分細いと思うけど。」


「正直勘弁願いたいですね。」


 今日は少人数の晩餐ですから、食べても問題ないようあまり締めずに。きらびやかなドレスを着せて、ドレッサーの前へ。今日のドレスは薄い緑で。


「よろしく。」


「心得ております。」


 化粧を施して、髪を結う。……素がいいですから化粧もそれを活かす感じで。


 ぱぱっと施して、と。ネックレスはどうされますか。


「そうね、これで行くわ。」


 青の石付きですね、わかりました。


 ネックレスをつけて、各所をチェック。……よし。


「完成です。」


 王太子妃、降臨です。


「さあいきましょうか。」


 いざ晩餐へ。






コーヒー美味しいですよね。

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