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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第三章 竜の背骨と帝国と魔王
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帰還

 帝都からの追撃部隊を翻弄した俺は、獣人たちが気になったので彼らに合流した

 奴らは俺の狙い通りに動いてくれたらしく、追撃の手は獣人には届いていなかった


 標高も上がり、そろそろ生身で越えるのが難しそうだと見た俺は急遽トンネルを掘ることにした

 実を言うとこの竜の背骨、隆起によって形成されているためマグマ帯が殆ど無い

 300年前トンネルを開けた王国の様に、土魔法を使えば割とあっさり穴が開くし、結構硬い岩盤なのでそうそう崩れない


 そうは言っても流石に長距離を開けるのは難しいし、時間がかかる

 また、あまり見つけやすいところだと帝国からの密入国ルートになってしまう

 だから、この高さは割と都合がいいのだ


 念の為向こう側との距離を調査魔法で調べる・・・運良く1kmを切っていたようだ、これなら大丈夫

 本当に魔力切れが無いというこの世界は俺にとって都合がいい・・・

 人一人が何とか通れる穴を開けると、自分が先導して獣人たちを穴に通す


 穴を出るとそこは崖になっていた・・・そう都合良く棚になっているわけはない

 魔法で棚を作り、そこから緩やかな下り道を作る

 標高1000mまで来たところでようやく道らしい道が見えてきた

 とりあえず獣人たちにその道を下るように言うと、俺は一路穴に戻り穴を塞いだ

 調査魔法が使えなければ、仮に穴を見つけても行き止まりならそこから掘り進めようとはそうそう思わないだろう

 割と楽観視し過ぎかもしれない


 元々獣人達の居た村は本来のトンネルよりだいぶ北だったので、ここからだいぶ歩くことになる・・・ちょっと遠すぎるな

 近くに教会がないかを確認すると、しばらく行ったところに村があるのが分かった・・っていうかあれ俺の故郷の村じゃないか?

 確認も兼ねて降りてみると、確かにそこは俺の生まれ故郷だった


 そこは既に軍の設置した関所も兼ねた岩食い竜隔離設備の為、常に軍が詰めている所だ


 「待てっ!何者だ」

 「お努めご苦労さまです。この村の出身者でアウル・ロックマンと言います」

 「あっと、これはどうも・・・じゃなくて!」


 ノリツッコミとは芸の細かい


 「実は密猟者に襲われた獣人を取り返し、今村に送り届けるところだったんですよ」

 「なにっ!?そういえば少し離れたところの村が襲われたと報告が・・・」


 そう言うと、兵士は書類をパラパラと捲って凍りついた


 「・・・つかぬことをお聞きしますが、アウル殿はもしや現在王都に居をお構えで?」

 「ええ、教会の施設で教官などをやっております」


 そこからは蜂の巣をつついたような大騒ぎだった

 何しろ謎の襲撃を受けた村で行方をくらましていた重要人物が、被害者全員を引き連れて平然と帰還してきたのだ

 どうやらあの後、様子を見に来た調査隊は大パニック

 カンドーレ氏は責任を取ると言い出して俺の生死が判るまで処分先送りとして自宅謹慎中だそうだ


 とりあえずその辺を解決するため、教会に緊急連絡を入れてもらった

 今回のことに関しては不慮の事故に過ぎない

 たまたま狙われた村に俺が単身入り込んでしまったのであって、仮に数人護衛が居ても結果が変わったかは怪しい

 ならば誰が責任を取るという話でもないだろう、もし責任を取るというのであれば人海戦術が必至のこの調査に人を割かなかった水神教上層部だ


 関所に来たついでに岩食い竜の様子を見る・・・でかいな~

 だがこれくらいなら飛ばせないことないかな?ちょっとやってみるか?

 いや、せっかく大人しいんだからやめておこう


 ついでに薄羽が目を覚ましたという洞穴も探して中に入ってみる

 奥まで行ってみると確かに何か人工的な感じが見える

 だがなにか手がかりになるようなものは見えないので、ここを手がかりに空間移動とかは無理そうだ


 ひと通り手続きを終えると、軍の馬車を使って獣人たちを村に送る事にした

 一応俺も通訳として同行する


 村に着くと、自宅謹慎と言いつつ村の家に監禁されたカンドーレ氏に遭遇した・・・自宅じゃねーだろ!!

 一応事の顛末を説明し、生きている事は確認できたしということで自宅待機を解除した

 その後監視の目がベッタリ付いたのは言うまでもない


 治水事業は俺が行方不明だからと止めるわけには行かず、一応カンドーレ氏が指示を出しながらあとは確認を待つだけとなっているらしい

 いい機会なので開通式を見させて貰いに行くと、作業をしていたスタッフに驚かれた

 まさか無事に戻ってくるとは思ってもみなかったそうだ


 開通式も無事済み、地質調査隊改め治水工事部隊は一路王都へ帰ることになった











 王都へ着くと、まず出迎えてくれたのはクインお嬢様だった

 傍らに小さな子が数人居たようだが、どこの子だろうか?

 気にしたら負けなので気づかないことにする


 王都では魔術学校とはまた別の・・・二歳児くらいの子供の集められた塾が作られていた

 名目上は各協会の次代を担う子どもたちのための教育機関ということだが・・・

 言葉がようやく分かるような子供に何させる気なんだろう?

 そして異様に母親の平均年齢が高いのは気のせいだろうか?


 母親達の何とも言えない視線を避け、さっさと執務室に入る

 出発前にパーティ認定などのいくつかの仕事を任せておいたはずなんだが・・・

 なんで書類で山になってるんだ?


 日付は出発した翌日から今日まで・・・約1ヶ月分だった

 俺1週間寝てたんだーー、ってこのくらいの書類処理しとけよ、1ヶ月前の書類今処理してなにか意味あんのか?

 あ~~、やっぱり同じ内容の書類が3回も来てる、完全に催促だなこれは

 優先度の高い書類を現状の確認をしながら処理をし、いつもの日常に戻っていった











 後日、帝国に魔王が現れたと言う事で掃討部隊を出すかどうかということで大騒ぎになっていた

 俺はそんなことは調査隊だけ出しときゃいいとだけ言って、また日常に戻った


 魔王なんかフィクションだけで十分だ

この話でこの章はラストです


しばらくネタ出しなどあるので1ヶ月以上休止することになるため、完結処理をして置かせていただきます

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