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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第三章 竜の背骨と帝国と魔王
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殲滅

もうやだよ、戦闘シーン(じゃあ何で組み込む)

 何をされたのかはわからないが、どうやら向こうの部隊は散開して範囲攻撃を無効化する手段に出たようだ

 馬鹿な奴だ・・・あそこまで多種多様の奇跡を見せられたのに、未だにその程度の工夫でどうにかなると思っていると言うのか


 そんな感じで傍観している所に帝都からの応援が来たようだ


 「うぉ!?なんだこれは」

 「よくわかりません、件の逃亡者が帝都に向けて放った物を我々がここで足止めしたのですが・・・」

 「まだ動いているな」

 「ええ、まず移動の手段を奪うべく足を攻撃し止めたまではよいのですが、まだ帝都に向かっているようなのでここで何とか止めを刺そうとしているのですが・・・」


 そう言って視線を怪物に向けると、応援部隊の隊長もその視線を追って唸る


 「まだ動いているという事か・・・」

 「ええ、恐らくこれはマナを用いた奇跡の類ではないかと思うのですが」

 「奇跡・・・というと、教会の連中がやっているあの胡散臭い儀式の結果か」


 どうやらこの隊長は信心とは無縁なようだ


 「ええ、あの奇跡です。わたしも火神教で奇跡を起こせる程度まで修業をしたことがありますが、確かにマナというのは大きな事を起こす原動力となります」

 「と、するとこの怪物を作ったのはどこかの宗教関係者だと?」


 その問いにわたしは首を振る他無い


 「いいえ・・・残念ながら宗教関係者であれば使える奇跡は一系統だと言われています、仮に宗教関係者だとしてもこちら側の人間ではありません」

 「では?」

 「あれは伝承にある魔族をも超える奇跡です・・・郊外での事件の証言を鵜呑みにするならば、あれは正しく魔王の所業」

 「魔王?」


 眉を顰めるのは理解できる・・・が、そうとしか説明のしようが無い


 「魔族が使ったとされる奇跡はどこまで行っても自然災害の域を超えませんでした、しかし今回のこれは・・・」

 「確かに、こんな物が自然災害とは言えんが」

 「そればかりではありません、西門からの街道と北門からの街道は見てきましたか?」

 「ああ、そういえば西門から来たがなにやら長い溝が掘られていたな」

 「恐らくその溝を作る際に掘り出された土が北門からの街道を塞ぐ形で盛られています」

 「なんと!そのようなものが」


 そう言って応援部隊の隊長は怪物の方を再度見た

 わたしは視線を再度追撃部隊へ向けることにした











 散開したくらいでどうにかなるとか・・・まあ、対人戦闘経験の限界という事か

 俺は既に準備の終わっている術を解放する事にした


 「大地のうねり(ガイアウェーブ)っ!」


 その現象を起こしたのが自分だと理解させる為に術の名前を盛大に叫んだ


 その直後、大地は大きな波を形成し、うねりながら放射状に広がり帝国兵を弾き飛ばした


 地震であれば足元が不安定になる程度で済む・・が、この術は違う

 簡単に言えば大地が津波を形成するような物だ

 高低差の大きな波が自分の足元を大きく動かす

 勢いは津波の比では無い・・・高速で足元が数十cmから1mほど持ち上がるのだ


 とてもじゃないが立ってなど居られない、場合に因ってはそれこそ飛ばされる

 戦意を奪うにはこれで十分だろう


 「おのれ、何かしら怪しげな術を使うやつだっ!」

 「しかしこんな物準備もなく使えるわけも無い・・恐らく我らは奴が準備した罠にかかったに過ぎん!こんな大掛かりな事がそう何度も起こりはせんだろう」

 「そうだ、今が好機だ!」

 「追い詰めろ!!」


 ・・・指令を出す方は前にすら出ないから言いたい放題だな

 そうだな・・・ならっ!


 「灼熱弾っ!!」


 高温に熱した粘土の礫を指令を下す士官らしき連中にぶつける

 怪我の程度など知ったこっちゃ無いが、以後出世街道から外れる事は覚悟してもらおう

 悪戯に部下の命を危険に晒した報いと知るが良い












 「なっ!!?」


 散開した兵が何か飛ばされたように見えた・・・気のせいか?

 なにぶん遠すぎてここからでは個々の細かい動きまでは把握できない


 「ランド隊長!なんだあれは?」

 「わかりません・・・が、あの先にいるのは恐らくこれ(・・)を作った本人です」

 「なんだとっ!?では早速追撃しないと」

 「待ってください、あれを見てまだ行くと言えますか?」


 視線の先では何かしら眩く光ったかと思うと、後方に居たはずの司令官らしき人物らが飛ばされる光景があった


 「先ほどからあの様な奇跡が間を殆どおかず起きているのです」

 「ならば尚更!!」


 そう言い縋る応援部隊の隊長に対して、わたしは静かに首を振った


 「言ったでしょう?あれは奇跡です・・・それも伝承にある魔族の大雑把な奇跡とは違う、緻密な計算に因って手加減された奇跡なのです」

 「手加減だと?」

 「よく考えて見てください、この様な怪物を使えるものが・・・あの様な大きな溝を作れる者が何度も撃退しようと追撃兵に向けて奇跡を起こしているのにもかかわらず、未だに目に見えて戦力が減っていない。わたしが見た範囲では、戦意を挫く事に重点を置いていたように見えました」

 「そんな馬鹿な」

 「この怪物にしてもそうです・・・本当に帝都を攻撃したかったのであればあの位置から又帝都を攻撃しようとも出来たでしょう、しかしそうはしなかった」

 「それは・・・」

 「この怪物は、今にして思えば足元が極端に弱かった。恐らくは途中にある溝を越えられなかったのではないかとも思えます、ならば何故放ったのか?」

 「何故だと?」

 「我々を帝都に追い返すためです」


 ここぞとばかりに持論を展開させてもらう

 納得してもらえなければ自分はただの腰抜け扱いをされる、そればかりかこの応援部隊まで危険に晒す事になる

 それはダメだ、ただでさえ帝都防衛の戦力が著しく削られた可能性のある今の状況で、更に戦力を削られるわけにはいかない


 「事実、我々は一度この地点で止まらざるを得ませんでした・・・わが部隊がうまく足止めできたからこそ彼らは追撃をしたのです」

 「もしここで足止めできなければ・・・」

 「我々は溝までこの怪物を追っていたでしょう、そしてあの者を見失い、追撃を諦めたはずです」


 事実だけを・・・淡々と告げた

 それ以上脚色をする必要など無い、事実だけで十分な説得力があるだろう












 俺の放った礫は、後方より馬上から偉そうに指示を出していた数人の士官らしき人物を吹き飛ばした

 念の為鎧の装甲の暑い部分を狙ったが、衝撃で骨が折れない保証も、落下に因って障害を受けない保証も無い

 運が悪ければ首の骨を折っていてもおかしくないだろう


 「「た・・隊長~~~っ!!」」


 情け無い声を上げながら、俺を包囲しようとしていた兵士たちが仕官らしき人物に群がる


 「今引くならば良し。引かぬならばそいつらに更なる災難が降りかかることもあるだろうな」


 伝声魔法を使い、静かに呟いた声を確実に伝える

 こう言うときは静かで確実に伝わる声が相手の恐怖心、焦燥感を揺さぶるものだ


 「た・・退却~~」


 副官の一人らしき人物がそう口走ると、兵士たちは士官を馬に乗せ思い思いの格好で逃げ出した

 もはや軍隊であった事などその格好でしかわからないほど、ばらばらに逃げる姿を見送り・・・俺は空に飛び上がった


対帝国戦はここまでです

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