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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第一章 宗教と神様は別
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火神教

 やられた・・・


 確かにこの世界に魔法は存在した、あの後文字を読むことが出来る母に教わって何とか本を読み漁れるまでになったのだが、本を読み進めるごとに不吉な情報が入ってきた


 まず、この世界で魔法と思われる超常現象を駆使する組織はいくつかあるのだが、その全てが宗教団体だった


 人類の進化の起源とされる炎を信奉する火神教

 命の営みに必要な水を信奉する水神教

 雷や嵐こそは神罰の表れと天を信奉する天神教

 木々の精霊を信奉する精霊信仰


 といった物が代表的なのだが、この中でも困ったのが「火神教」の存在だ

 火神教は、信仰に因って炎の神が炎を使う術を授けてくれるとしていて、組織の幹部は例外なく炎を操るらしい


 しかし、別に火神教の施設も神官も居ないこんな辺鄙な村で次々と炎を操る人間が現れてしまった

 たまたま何かの用事でこの村を訪れた者が都会でこの村の話をしたのがきっかけで、大陸の反対側の火山地帯に総本山を置く火神教の使者が、一年以上かけてこの村にやってきたのだ


 神を騙る偽者を退治するという名目で


 「こちらに炎を操る者が居ると聞いたのだが」


 いやに重装備の癖にローブを纏った男が聞いてくる

 この俺に聞いて来るとは良い度胸だ


 「どういったご用件でしょうか?」


 子供らしくは答えられない・・・性分だ


 「我らは火神教に仕える神官騎士である。火神教以外に炎を操れる物が居るという事は許され無いのだ!!」


 言うが早いか剣を抜いて掲げる

 お前らの方が放置できんわ!!


 「炎を操れると言っても、炎の球を作って投げつけるくらいしか出来ませんよ?」


 一同がどよめく

 どうやら神官でもせいぜい着火くらいしか出来ないようだ


 「ど・・どんな仕掛けでそんなことが出来るというのだ!!」

 「そんな物こうやって念じるだけですよ」


 そう言うと、俺は指先に火を点して見せる

 そんな俺の様子を、遠くから覗きこんでいた小さな影が近くまで寄ってきた


 「お・・お嬢様!!」

 「しっ!」


 どうやらお偉いさんの娘らしい

 彼女は俺の出した火をマジマジと眺めると


 「これは紛れも無くマナに因って作られた炎!!」

 「なんだと!?」

 「ありえん、そんなはずが・・」

 「お嬢様より若い子供が着火まで出来るなど・・・」


 事も無げに長時間着火を続けている俺を見て勝手に畏怖を覚える神官達

 こんなもん概念さえ知っていれば素質次第だというのに


 この世界の魔法の使い方は【フィアリアース】とは異なっていた

 【フィアリアース】では体内の魔力を練り上げる形だったが、こちらでは大気中のマナを魔力の元としテンポラリスペースで魔力に変換したマナを練り上げ発動させる

 従って、素質としては魔力への変換能力だけ・・・後は理解力さえあればいくらでも応用が利かせられる

 その理屈から俺、こちらに来てから使えるようになった魔法がいくらでもある・・・出すかどうかはともかく


 「あなた位火を操れる人がこの村にはいるのですか?」

 「俺以上は居ないだろうな・・・何しろ俺が教えたんだし」


 神官たちがざわつく・・・そりゃそうだよな

 噂になったのが一年前、その更に前に教えたわけだから、俺はたった7歳の子供なわけだし

 まあ、実際には6歳だったわけだが


 「そんな驚く事か?素質さえあれば後は概念を身につけるだけだぞ?」


 神官の目はもはや神をも恐れぬ無邪気な子供の発言とは思っていない、悪魔を見るような形相だ

 試しに火を出せないと言っている神官を集めて概念を教えた

 次々と火を点し始める神官達を見て、漸く言っている事を理解したリーダーらしき男が、俺を神殿に連れて行きたいと言い出した


 「嫌だよ、何で親元から離されなきゃならないんだよ」


 この村に幼馴染の女の子とかは居ないが、それでもまだこの村を出るのは惜しい気がする

 仕方ないので親と話をすると言い出すリーダーとお嬢様を連れ立って家に行く羽目になった

早速魔法がバレました


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