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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第一章 宗教と神様は別
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外伝1.第一異邦人

「上司」の行動の影響で、こんな事も起きてます

 ・・・ここはどこだろう?

 暗くない・・・でもまぶしくも無い

 ほの明るいとでも言うのだろうか?


 周りは洞窟なんだろうか?岩肌が非常に滑らかで、でも均一では無い・・・自然にできたもののように見える


 目の前には水が薄く流れ落ちる壁があり、辺りの明かりに反射して自分の姿が映し出されていた

 それは自分の意識がなくなる直前の姿そのままだった


 自分は何故ここに来たのだろうか?

 と言うか、何故ここに居るのだろうか?


 今日は確か学校があって、みんなと一緒に通学路を学校へ向かって歩いていたはずだ


 特に遅刻するわけでもなく、ゆっくりとしゃべりながら進んでいくと、目の前に見たことも無い小動物が現れて、人一人が通り抜けられるかどうかの路地裏に消えて行った

 その路地を覗き込むとそこには黒い渦があって・・・嫌な感じがしてそこから逃げようとしたら引っ張りこまれるような気分になって・・・

 気がついたらここに居た












 なんだってこんなことに・・・


 とりあえず洞窟(?)を出ると、そこは岩山だった

 近くには物凄く大きなワニを更に凶悪にしたような生き物(?)が眠っている


 こそこそと、しかし急ぎ足でそこから抜け出すと、そこには大きな砦があった

 どうやら壁の向こう側にあの生き物を生かせたくないらしく、砦の手前にはいくつものバリケードがあり、人間や普通の野生動物は通り抜けられるけど、あの生き物は抜けられそうに無かった


 砦に行くと衛兵らしい人が出てきて、自分の事を聞いているようだった・・・どうしよう?言葉が通じない








 暫くすると水晶球のようなものが出てきた

 どうやらこの世界では言葉が全く通じないことは珍しくないようで、意思だけを通わせることが出来る道具があるらしい


 何故それがわかったかと言えば、促されるままにこの道具に手を置いたからな訳なんだけど


 色々聞かれた結果、自分は王都に連れて行かれることになった

 王都でこの国での常識、言葉を学ぶことで、この国で生活する為の最低限の知識を身につけるよう計らってくれたらしい


 この国での生活はちょっと若い女性には厳しい

 お金持ちじゃないとお風呂を好きな時に一人で入るなんて事は出来ないし、無一文だと教会のお世話にならないといけない

 もし教会や宿の世話にならないとなると、部屋を借りた上に身の回りの世話をする奴隷を雇わなくてはいけないらしい


 これでも数年前と比べて待遇が良くなったと聞くから、その前はどんなに厳しかったのだろうと思う


 詳しく聞くと色々改善されたのがよくわかる

 まず、宿舎と呼ばれる建物がある

 これは数年前・・・具体的に言うと3年ほど前までは男女共同の建物で、教会の一部でしかなかった

 これが、街の外でパトロールをする人たちを作ることになった関係で、教会以外の建物を造ることになったそうだ

 そのついでに、それまで不満が上っていた部分を改善することになったそうだ


 まず宿舎を男女に分ける事になった

 次に、それまで公衆浴場以外では教会の水浴び場でしか行えなかった身体の洗浄がそれぞれの宿舎で行えるようになった

 とは言ってもタライと釜が用意されているだけで、水や火は自分で用意するらしい

 一応井戸・薪・火種はあるのだが、殆どの人が「自分で」水を出して釜に水を溜め、竈に薪を並べたと思うと「自分で」火を出して着火していた


 どうやら魔法が使えるらしい


 自分は当然魔法が使えないので井戸から水を汲み、火種は近くの竈から火のついた薪を貰って点けることにした

 結構重労働だった・・・自分も魔法を習おうと思った


 この街で自分は「奉仕者」と言う立場だと聞いた

 特に仕事も家も無く、教会の世話になる人や、旅の宿を借りに来た人をそう言うらしい

 寝床や食事の礼として僅かばかりの奉仕をする為そう言われているそうだが、ここ数年、パトロールが恒常化するようになってからは形が変わってきたそうだ


 街の周辺をパトロールするとたまにモンスターが発見される

 そのモンスターを退治すると報酬が貰える様になった様で、最近では彼らと単純な奉仕者を分けて「掃除屋」と呼ばれるらしい


 彼ら「掃除屋」は自分たちとは違う宿舎に泊まっているらしい

 普通の宿屋と比べれば快適さは比べるべくも無いが、「奉仕者」の宿舎が3段ベッドなのに対して「掃除屋」は同じ相部屋ながら一段ベッドだそうだ

 また、何日も同じベッドを使う事が許されている為、その代わりとしてクリーニング代などを支払っているらしい

 これが大体銅貨三枚だと言う

 宿屋住まいだとこの3倍は取られるらしいから安いんだろう

 まだ収入も無い身なので計り様も無い




















 こちらの言葉も大分理解できるようになってきた

 意思疎通の魔道具があるくらいなので、専門の機関に因って理解力を上げる為の処理も出来るのだろうかと思っていたがそんなことは無く、未だに片言で伝えるくらいしか出来ない


 とにかく一般常識と簡単な法律が身に付き、簡単な意思疎通(市場で買い物など)が出来るようになった為無事学習機関からは抜けることが出来た

 問題はこれからの生活だ


 単純に生活するだけなら、奉仕者として仕事が費えることの無い外壁の外のパトロール業務を行う事なんだけど、どうしても危険が付きまとう

 こちらの世界で身分を示す物も無い身なので、迂闊に悪い人に捕まれば奴隷にされてしまうとも言われた・・・異世界怖い


 もしこの街である程度身分を固めたいのであれば掃除屋として登録する必要があると教会の人に言われた

 何でも、掃除屋の人たちは元々街の外から兵隊として雇ってもらう為に来た人たちで、身分が確かじゃない人が殆どらしい

 それでも「掃除」をやればそのうち大きな戦があったときなど取り立てて貰えるかも知れないと言う淡い期待で続けているそうだ


 しかし、そんな人たちを身分不確定のまま置いておくことにも問題がある

 そこで教会が開発したのが「身分証明証」だった

 特殊な処理をしたカードに自身の血液を染み込ませる事で、本人以外では内容を表すことの出来ないカードが発行される

 これを作るためには国の関係者と教会の関係者二つの技術が必要になり、どちらか一方が勝手に発行できるものでは無いという


 ここで私のファンタジー脳に一筋の閃きが走った

 これは「ギルドカード」じゃないか!?

 そう考えると、「掃除屋」のやっていることはまるでギルドに集う冒険者の仕事だ・・・なんだろう?ワクワクが止まらない


 元々ファンタジー(それもゲーム的な)物には余り興味は無かったけど、いざ自分がその立場になったなら話は別だ

 もしかしたらチート能力持ってるかもしれないし!!


 そんなことを考えつつ、どの道掃除屋にならないといつ奴隷にされるかわからないと言う恐怖から逃れられない為、掃除屋になる方法を教えてもらう事にした
















 掃除屋になる為にはいくつかの条件が求められるらしい

 一つは生活魔法。これは連絡手段として発煙筒を使う為、着火のために必要なのだと言う

 二つ目は戦闘魔法。攻撃・防御の二系統の魔法があるので、どちらかでも身につける必要があると言う

 三つ目は治療術。魔法とかではなく、薬草の知識や応急手当の知識が無いと、怪我を負って帰る途中に悪化する可能性がある為、なるべく身につけて欲しいと言われた


 これらを身に付ける為には大銅貨とやらで五枚以上必要だと言う

 魔術道場と言う建物の受付で「銅貨すら見たことも無いのに大銅貨と言われても・・・」と思っていたら、同世代の少年に声をかけられた


 『(珍しい服装だね、もしかしてこの文字読める?)』


 !!?

 どういう訳か、彼は日本語を書いて、私に見せてきた


 「(何で日本語を?)」


 思わず日本語で発声してしまった

 しかし彼は別段驚くことなく手元の紙にこう書いてきた


 『(異邦人だとは思っていたけど、やっぱり異世界からの転移者か・・・とりあえず奥へどうぞ)』


 彼に促されるまま奥の部屋に付いて行くと、そこには不思議なオブジェがあった・・・

 いや、不思議じゃない、私の世界の知識を持っている人間ならなんら不思議には思わない・・・珍妙なラインナップだとは思うだろうが


 出来の善し悪しはともかく、NYの自由の女神らしき絵、ハニワと思しき人形、インディアンのイメージイラストっぽい絵、エジプトとマヤ両方のピラミッドを模したらしき四角錘のオブジェ

 そして某鉄腕ボーイ


 どう見ても異世界人、それも私の居た世界の人間をピンポイントで狙った判断装置だ


 「(と、言う事は・・・私がどの世界から来たかはわかっていると言う事ですか?)」

 『(ああ、誤解させて悪いんだが、君が「どの世界から来たか」まではわからないよ、私が昔居た世界と酷似した国のある世界なのはわかるけど)』

 「(どういうことですか?)」

 『(君は平行世界ってわかる?)』


 平行世界・・・パラレルワールドか

 何その中二脳に染み渡る甘美な響き


 「(わかりますけど・・・もしかしてあなたはその平行世界から来たと?)」

 『(理解が早くて助かるよ。私は簡単に言うと転生者って奴だ)』

 「(で、平行世界の話が出ると言うことは、あなたと私は全く同じ世界から来た保証は無いと?)」

 『(ああ、詳しくは言えないが、ここも広義で言えば平行世界に数えられるらしい)』

 「(こんなに違うのに!?)」


 無茶なことを言う


 『(この辺は聞きかじり独自解釈含むなので正しい保証は無いんだが・・・平行世界と言うのは大本が同じであれば、どんな進化をしようと平行世界なんだと思う)』

 「(はあ・・・)」

 『(まぁ、ここは言って良いと言われたので教えるけどね。この世界には管理者と言うのが世界毎に存在しているんだよ)』

 「(それって・・神様?)」

 『(似たようなもんだと思って良い。でもってそいつらを束ねる存在も居て、その存在は異なる世界へ魂を移動させるなんてお茶の子さいさいなわけだ)』

 「(えっと・・つまり?)」

 『(まあ、極論で言うと、その無茶が出来る存在の力が及ぶ範囲なら平行世界だって事だよ)』

 「(そんな無茶な・・・)」


 まあ、そうまで思わないとやってられないけど


 『(とりあえずこのままじゃ大変だろう?身分を安定させたいなら出世払い扱いで魔法を身につけるか、うちの奴隷として登録すると言う選択肢があるけどどうする?)』

 「(何で奴隷なんて選択肢があるんですか!!)」

 『(簡単な話だ、奴隷には何の資格も要らないし、言葉がわからなくても何の問題も起きない。資格を取得できるかわからないのに金を借りるよりは確実だろう?)』


 なるほど、理に適ってる


 『(まあ、所謂「中二脳」なら生活魔法覚えるだけで攻撃魔法とかまで発展させられると思うけど)』

 「(それって・・どういう?)」


 何故か聞こうと思ったら、彼が立ち上がり更に奥の部屋に行った

 手振りで着いてくるように言っているので後を付いて行くと、そこは道場になっていた


 『(良いか?まずはマナを指先に意識するんだ)』

 「(マナって?)」


 マナを知らないわけじゃない、大体見当はつく

 でも作品によって解釈が違うそれを意識しろと言われても・・・


 『(この世界の魔法は概念さえ理解できればどうとでもなる。まずは「マナ」と言われて思いつくイメージでやってみるんだ)』


 マナ・・・魔力の元になる自然のエネルギー

 大体の作品ではこのように理解されている

 自分の周囲で未だ魔力にすらなっていないエネルギーを集中するイメージをとる


 なんだろう・・指先に何かが触れているような・・・そんな感覚がある


 「ホノオノいめーじヲユビサキニ・・・」


 この世界の言葉で指示が出る・・・そりゃそうか、集中力を乱せない以上筆談は無理だ

 指先に炎のイメージを・・・指先が熱くなってきたように感じる


 「まなヲマリョクニ、マリョクヲホノオニヘンカンスルいめーじヲ」


 言われるままに変換するイメージを繋げる・・・熱いっ!!


 ボワッ!!


 熱いと思ったその瞬間、指先で炎が膨れ上がるとすぐに消えていった


 『(出来たようだな、後はそのイメージを瞬時に出来るよう練習するだけだ)』


 筆談に戻った・・・まあ、わかりやすくて良いけど


 『(これを渡しておこう。これはマナを魔力に変換できるようになって初めて使える魔道具で、意思疎通の魔道具より便利だ)』


 渡されたのはサークレットと言う奴だろうか?

 金属製の額飾りに不思議な力を感じる石がついていて、それを紐を使って頭に引っ掛けるようになっている

 試しに着けてみたけどちょっと額がムズムズする


 「どうだ?調子は」

 「どうと言われてもなんか額がむず痒く・・・って?」


 あれ?なんか多重音声で二ヶ国語放送を聴いているような・・・


 「慣れるまでは不思議な感覚だろうからな、言葉は出来るだけ自分で身につけるようにして、どうしても間違えられない所でだけ使うと良いだろう」


 目の前の少年は「実験成功」と言う悪戯っぽい笑みを浮かべていた

次回はギルド誕生の話

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[気になる点]  どうやら壁の向こう側にあの生き物を生かせたくないらしく  どうやら壁の向こう側にあの生き物を行かせたくないらしく
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