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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第一章 宗教と神様は別
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神様は天上におわしまして

この世界の神様の組織を主人公が把握したようです

 あれからターマと色々話をする機会が増えた

 これも、ターマが【念話】を使えてくれたおかげだ


 ターマとの会話で解ったことがある


 まず、この世界には管理者の下に実働部隊があると言う事

 【フィアリアース】では管理者が一人で回しているような感じだった・・・その所為でどうしても手が足りて無い感じだったな

 俺の居た世界じゃどうだったか・・・少なくとも表立って動いている様子は無かったな


 次に、実働部隊も頭が一つではなく四つの頭があり、便宜上これを「四天王」と呼ぼう

 「四天王」は管理者に上げるまでも無い情報を自分達で部下に命じて処理をする、所謂管理職だ

 例えば災害などで負の感情が集まりつつある場所を綺麗に掃除して、その上でバランスを取り戻すと言った事だ


 しかし、「四天王」も流石に情報処理で手一杯になる、その為命令を各部隊に下す担当が必要になる、これを便宜上「四獣」と呼ぶ事にする

 彼らは「四天王」の下に一人ずつ存在している


 会社組織で言うと「四天王」が部長、「四獣」が課長になるだろうか?

 この表現だと結構こじんまりとした会社になるが気にしない


 「四獣」は実働部隊の隊長を直属の部下として持つ為、本来は彼らに命令を下し、結果を「四天王」に上げる所謂中間管理職なのだが、時にはターマのように直接降りて来てしまう事もあるらしい

 伝承などを調べた範囲ではターマ以外にそんな奴居ないんだけど


 「四獣」の直属の部下も基本的には降りて来ない様で、実際に降りてくるのはあまり徳の高くない霊魂が殆どだそうだ

 彼らは仕事をすることで徳を積み、より高みに行ったり、輪廻の輪に加わった後、より高いステージで生まれることが出来るようになる

 つまり、俺がやっていた「導き手」はこの位置に居た事になるわけだ


 で、何でそんな上の方に居るはずのターマが降りてきているかと言うと・・・


 《つい・・暇だった物で》


 ・・・まあ、こう言う奴なんだろうな、今までの伝承から見ても


 《それで降りてきて身動き取れなくなった挙句奴隷になるとか・・・》

 《いや~、まさか自分が獣人につくなんて欠片も思いもしなかった物で・・・》

 《そこは想定しておけと言うか、勝手に降りてくるなよ、中間管理職が》

 《なんですか?中間管理職って》

 《お前みたいに上から来た命令を部下にやらせて責任だけ負う立場を言うんだよ》

 《わ・・わたしってそんな損な役回りだったんですか!?》


 自分の立場も見えてなかったのかこいつは


 話を聞いていくと、ターマは部下に命令を下してその結果を待つと言う仕事にとことん向かない性格だったらしく、何かあると降りてきていたらしい

 そして今回はと言えば、この辺りで起きている事象の異常に因って起こる混乱の収拾を命じられていたわけだが

 このバカは自分が降りて監視すれば良いとか思って降りてきたらしい


 管理職は上がってきた情報を処理して、足りないと思ったらそこに別の戦力を足したりするのが仕事であって自分で仕事するもんじゃない

 こう言うアホの場合はむしろ上に丸投げするくらいでちょうど良いんだが、こいつは処理能力の割に責任感と処理以外の能力だけは高いので自分で降りてきてしまったと

 部下と上司はそれぞれ胃が痛い思いをしてるんだろうな


 《ま、過ぎた事はしょうがない。上の方には一応話は通しておいたから》

 《そ・・そんなことが出来るなんて本当に何者なんですか~~?》


 そう、話は通しておいた

 あの後ターマの直属の上司が俺のところに挨拶に来たことまでは教えてやる必要も無いだろう












 《この度は本当に申し訳ありません》


 両の翼を地に付けて平身低頭する大鷲の姿は、そりゃぁ珍妙な物だった


 彼が言うには、ターマのこの悪癖にはほとほと困っている物の、確かに何かしらの運命に導かれているかの様に成果を上げてしまうのだ

 そして、今回も事象を監視するには最適な位置に来ているため罰するのも難しいのだとか


 《そんな訳ですので、どうかお側に置いて監視していただけたらと》

 《監視対象に監視させる監視役って・・・なんですかそのややこしいの》

 《いや、全く持って面目ない》


 本当にややこしいことになった

 とりあえずターマは別に職務放棄をしているのではなく、仕事に熱心すぎるだけらしいので、誰かが常に監視していないといけないだろう


 《とりあえず、今回の件で私も今まで通りの処理能力が出せなくなりましたので、私の配下の一部を他の同僚に預け、残りと私であなたのサポートに入ることになりました》

 《ターマの直属の部下が10人でそれぞれが部下に当たる実行役を持っているんだったか?》

 《はい、その辺りはターマからお聞きになりましたか。ターマの下につくものを2部隊ずつ他の同僚に回して、残り4部隊を私が直接従えることになりました》


 仕事の処理能力は半分以下になるが、俺の周りの事だけなら十分か

 元々ターマは命令を配分するだけの役割だ、仕事の量さえ半分以下になれば彼だけでも充分だろうな


 《私の名はパイフーと言います、以後私を指定して【念話】を送っていただければ何か拙い事等あっても対処できますので》

 《それはありがたい、助かるよ》

 《もし判断に迷う事がありましたら、何かなさる前に私へ相談いただければ。例えば魔法を広めるとか・・・》


 あちゃー


 《やっぱり・・・拙かったか?》

 《いや、拙いと言うわけでは・・・ただちょっと予定が早まってしまっただけです》

 《予定?》

 《ええ、この世界ではまだ広まる予定ではなかったのです。ただ、あなたがこちらに生まれた時より時間の流れが速まったような印象があります》

 《つまり、それで俺の監視を考えたわけか》

 《監視が決まったのはつい最近です。まだ誰が原因かなど見当も付きませんでしたし》

 《じゃあ、どうして?》

 《事象の中心がこの辺りだとわかったのが約3年前、あなたの居た村に岩喰い竜が現れた事です》


 あれか・・・

 確かに、岩喰い竜はもっと南の山奥、それも帝国側が生息地だったはずだ

 それが全く目撃報告も無くいきなり俺の居た村に現れたこと自体おかしい


 そう考えると王国が砦を建てる為にあそこに岩喰い竜を放ったと言うのは随分ありえない説だった事になるな


 《あの頃はまだあなたが事象の中心だと言う確証はありませんでしたが、去年ターマが事象の確認の為に降り立ち、結果あなたの側に来たと言うことがある意味証拠と言えるでしょう》

 《そんな無茶苦茶な・・・って言うか、それだと原因は俺なのか?》

 《いえ、原因はわかっています》


 ん?原因がわかっていて中心がわかって居ないってどういう事だ?


 《原因はうちの管理者の更に上の方でして・・・》

 《・・・あいつかよ(汗)》

 《やっぱりご存知でしたか。あの方が直接この世界に干渉した結果、揺り返しで様々な方向から影響がこの辺りに集中しているんですよ》


 おいおい・・・


 《じゃあ、やっぱり原因俺の転生じゃねぇか!!》


 酷い話である


 《いえ、あなたが転生すること自体は本来全く問題なかったんですよ》

 《ん?それは一体どういう・・・》

 《うちの管理者経由で私たちが転生の手続きをすれば全く問題は起こらず、注意事項なども伝達できたのですが・・・》

 《あいつが俺をいきなり自分の力で放り込んできたと・・・》

 《まったくもってその通りでして・・・あなたの存在を確認した時、私たち誰も把握していない異世界からの転生者でしたのでピンときました》


 本当にはた迷惑な上司だ・・・

会社関係に照らし合わせた表現で現実と合わない部分に関しては申し訳ありません

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