表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告白されてみんなの前でバラされたので、僕は屋上から飛んだ  作者: 万和彁了


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/11

第8話 恥知らず

 入院生活は苦しかった。死ねなかったこと。体の痛み。寂しさ。全部が僕を苛んだ。自殺防止のために四六時中監視がついた精神病棟でのリハビリテーションは僕にとっては地獄にも等しかった。結果的に退院したが、左手は肩から上に腕が上がらなくなり、右手はキーボードが叩けるくらいの悪力しか残らなかった。右足には痺れが残り、膝から下が動かなくなった。


「やはり私たちと暮らすべきだよ」


「でも僕は誰とも顔を合わせたくないんです」


 おじさんは親身になってくれた。だけどそれに応えることが僕には出来なかった。誰とも関わりたくない。そんな気持ちが強かった。僕は周囲の反対を押し切り一人で家に帰った。ウソコクした連中を訴えようとおじさんは言うが、顔すら見たくなかった。僕はその話をうやむやにしたかったんだ。帰ってきた家は前よりももっと広く感じられた。今や杖なしでは歩けない僕にはこの家は広すぎる。父が死んだため、この家は僕の持ち家だ。ローンも父の死で消滅しているから、家賃もいらない。残りの人生を障碍者年金だけで食べていこうかなんて僕は思っていた。もっともまだ申請も、そもそも自殺未遂で降りるのかもわからないが……。とりあえず父の遺産で僕は食べていくことにしている。学校に行かなくなっただけで、前と生活は変わらない。そうなにも変わらないんだ。僕の人生に他人はもとよりいないんだ。だけど。


「なんで思い出してしまうんだろう」


 リビングの床に横たわりながらそう呟く。人生で初めて差した光を思い出してしまった。それを思い出すと心が痛む。思い出したくないから、安定剤を飲んで心を鎮めようと試みた。そんな時だった。スマホが鳴った。


「……ああ。そう言えば共同制作止まってたな」


 友達から連絡が入った。僕が退院したのを何処からか知ったらしく顔を見たいと言ってきた。僕はじゃあうちに来てくれと返信して目を瞑る。そして一時間ほどで友達がやってきた。







 あたしは天羽の家の近くで彼の家をじーっと見ていた。最近やっと明かりがついた。つまり彼は帰ってきたということだ。会いたい。会いたい。だけどドアを開けば、また怒られる。両親に迷惑がかかる。だけど。だけど。そう悩んでいた時だ。明るい赤みがかったブラウンの長い髪に琥珀色の瞳のとても綺麗な女の子があたしの前を通った。その子は明らかに余所行きの清楚でガーリッシュなロングスカートでノースリーブのワンピースを着ていた。大きら麦わら帽子が嫌味に見えない。お嬢様っぽい雰囲気だ。そして彼女はそのまま天羽の家の前にたち、呼び鈴を押した。それを見て、あたしはひどく驚いた。混乱した。


「え?ええ?彼女?!そんな?!」


 そして両手で杖をついた天羽が玄関から出てくる。優し気な笑みを浮かべている。帽子の女の子は天羽に近づいていく。あたしは思わず飛び出してしまった。


「天羽?!その子誰?!」


 その声に二人が振り向いた。天羽は顔を引きつらせている。女の子の方は首を傾げていた。


「あなたこそ誰?天羽くんの知り合いかしら?」


「……あ、あたしは……」


 あたしは天羽の何なのか。カノジョでは絶対にない。だけど普通の関係でもない。


「天羽君?どうしたの?顔色が悪いわよ……あ、そういうことね……」


 帽子の女の子は天羽の背中をさすってから彼を家に入れてドアを閉めた。そしてあたしをきっと睨みつける。


「噂のごみ女があなたね」


 いきなりの罵倒だけど、その通りだから反論なんて出来なかった。


「で、ごみ女さんはここになにしに来たのかしら?」


「あたしは天羽に会いに」


「恥を知らないみたいね。ゴミ。いいえ。リサイクルできるだけゴミの方がましね。なんて形容したらいいのか私にはわからないわ」


 わかってはいたつもりだった。つもりでしかなかった。あたしはそれでもショックを受けていた。こんなにも他人から罵倒されるの何てはじめてで、でも言い訳も出来なくて。ただただ体が震えてしまう。


「私は火光(かぎろい)睦月(むつき)。彼の。そうね。パートナーかしら」


 パートナー。それって付き合っているってことだろうか?じゃあ天羽は誰かと付き合っていたのに、あたしの告白を受けたのだろうか?


「言っておくけど残念ながら男女の中ではないからあなたの罪は相殺になんてならないわよ」


 淡い希望はすぐに立たれた。彼も嘘をついているなら、自分の嘘も。


「で、ゴミさんはここに何しに来たの?」


「あたしは天羽に、その、あやまりたくて」


「馬鹿ね。阿呆だわ。愚かだし何より卑しい。謝りたい。それって自己満足でしょう。それで彼の失ったものが返ってくるの?」


「でもぉ!だけど!」


「でもでも煩いのよ!」


 あたしは火光さんに胸倉を掴まれる。


「彼の身体にはもう一生消えない傷が残った。見たでしょう?もう一人で立って歩くことはもうできないの」


 火光さんの瞳から涙が一筋流れた。


「心だってそう。もう彼はきっと人を好きになれなくなった!そんなのあんまりじゃない!!私が先に好きだったのに!あなたはくだらない遊びで彼の心を壊していった!!」


 そして火光さんはあたしの足を引っかけて、あたしの身体を倒した。そして道路に倒れたあたしの首を踏んでくる。


「ぐぅ。あっ!」


「こんなことしてもなんにもならないけど!それでも!それでもぉ!苦しみなさいよ!」


 さらに彼女にお腹を蹴られる。体をくの字にして痛みを堪える。


「彼の身体と心が治るなら今すぐに殺してやるのに!ねぇ!せめて消えなさい!いなくなりなさい!ここから!彼の前から!」


 そう言って彼女は泣きながら天羽の家に入っていた。あたしは痛みを堪えながら立ち上がり、すぐにその場を離れることしか出来なかった。





設定メモ



るいかはかぎろいさんよりやや胸が大きい。

かぎろいさんはややるいかより背が高い。

まあ二人とも世間的には巨乳。おっぱい!


かぎろいさんは実家が金持ち。元引きこもりで友達も彼氏も人生で一度も出来たことのない生粋のスーパーボッチ。あまはとはネットで知り合い、しばらくはネット上でコラボしていっしょにゲーム開発とかしてた趣味友。ゲームを何本かリリースして、リアルでたまたま会って、より親交を深めるようになった。文武両道で才色兼備だが手が早く切れやすい性格。天羽くらいのおっとりしたお人好しでなにか光る才能のある人じゃないと付き合っていくのは難しい。WSS枠。

すみません。同じ話を投稿してました……修正します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ