表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【シーモア先行配信中☆】 『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/80

55:高圧的には駄目。

 



 庭園で出す屋台となると、串焼きなんかもありかもしれない。あとは具材たっぷりのスープの屋台や、クレープ生地にバターとハチミツを塗ってくるくると巻いたスティッククレープの屋台もオススメだ。

 知ってはいたけど食べたことのない屋台もあったりで、デメトリオさんたちとワイワイ意見交換しながらお腹いっぱいになるまで食べてしまった。


 昨日、デメトリオさんと言い合いしていた文官さんは伯爵さんらしく、初めはちょっと嫌そうに食べてるなって感はあったんだけど、気付いたら誰よりも美味しそうに食べているし、メモをしっかりと取っていた。

 何を書いているのかと覗き込んだら、味の感想を何行にも渡って書いていて、面白いおじさんだなぁとちょっと笑ってしまった。


「あー、確かに! スティッククレープの中にスライスアーモンドとか入れて巻いても美味しそう!」

「っ! 勝手に読まないでいただきたい!」

「お前は何を視察しにきたんだ……」


 デメトリオさんが呆れ半分に伯爵さんのメモ帳を取り上げて読み、ふむと一言漏らして、ニヤリと笑った。

 笑い方が微笑みとかじゃなく、完全に魔王だった。なんか、劇とか本に出てきそうな感じの。


「ピッタルーガ、庭園に出す屋台はお前が決めろ。出店と庭園限定メニューの交渉も任せる。平民に対しての接遇はエマから学ぶといい」

「なっ…………」

「返事は?」

「……はい」


 デメトリオさん、謎の抜擢をしないで欲しい。いやまぁ、この中で平民に対する対応は私が適任まであるかもしれないけれど。

 妙にしょんぼりしているピッタルーガさんにとりあえず頑張りましょうと声をかけた。


「あっ! あと、今みたいなデメトリオさんの命じ方は、基本的に嫌われます」

「っ!? ぇま――――」

「表面上は傅かれますけど、後で親戚から近隣までボロクソ言われるんで、めちゃくちゃ気をつけたほうがいいです」


 いやほんと、ボロクソ言われるからね。よく聞くもん、王城の役人がうんたらかんたら、あれやそれやのこれこれで、とか。


「ぇ、エマ……」

「はい?」


 デメトリオさんに呼ばれたので、彼の方を見て返事したのに、なぜか「いや、やはりいい。すまん」と尻すぼみで謝られた。




 視察を終え王城に戻り、いつも通りの夜を過ごしていた。夕食を食べ、お風呂に入り、ナイトティーを飲んで寝ようかなとカサンドラさんと話していると、デメトリオさんが部屋を訪れた。


「こんな時間にすまない。少し話したいんだが、いいか?」

「はい、いいですよ」


 ソファを勧めるとコクリと頷きつつ部屋に入ってきたんだけど、デメトリオさんの顔が少し浮かない感じ。そういえば夕食のとき、いつもより口数が少なかったかもしれない。

 どうしたんだろ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

✾ 10/25シーモア先行配信! ✾


『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。
貧乏男爵令嬢と王太子殿下の焦れったいほどの両片思いを強制成就!?
書籍表紙


表紙絵はm/g先生!
デメトリオさんがとにかくカッコイイ! そして、エマたんがもう撫で回したいくらい可愛い!

(作者がキモいのは横に置いて……!)

♣ 王太子の嫁な!ちゃん ♣
リブラノベル様より、11/15 配信です。コミックシーモアは、10/25先行配信!
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。


▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
デメトリオさんに垂れた耳としっぽがみえます。。。
「っ!? ぇま――――」 エマたんの呼び方がすごく弱い…嫌われないか心配なんだな
違うダメトリオさんが出てくるかしら( ´ᯅ` )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ