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【電子書籍11/15】 『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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46:大人の階段

 



 ◇◇◇◇◇




 どえらい大人の階段を登った気がする。


 プレゼントを渡して、大好きだって伝えようとしていたけど、今朝のこともあって緊張して言葉が紡げなかった。そうしたら、デメトリオさんがフルーツ飴を食べだしちゃって、タイミングが計れなくなっていた。

 ブドウは噛むのが楽しいって話してたら、なんでかデメトリオさんが妖艶に微笑んで、ブドウを咥えた……とこまでは良かった。


「っん……」


 デメトリオさんがブドウを咥えたままキスしてきて、ぬるりと口の中のモノを渡された。


 ――――ブドウ!?


「噛んで」


 有無を言わせないようなその命令に、ブドウを噛むと、デメトリオさんが『よくできました』と褒めるような優しいキスをくれた。


 オレンジも同じように渡されて、キスをして。

 頭が真っ白になりかけたところで「エマ、愛してる」と言われた。

 私が言おうと思っていたのに。その言葉が口からこぼれ落ちてしまった。

 それが聞こえてしまったデメトリオさんが妖艶に微笑んだ。


「ん、聞きたい」


 いまのこの無双状態のデメトリオさんに伝えたら、次は何されちゃうの!? なんて、耳年増な私の脳内は本気でパニックになってしまっていた。




 ――――あれ?


 いつの間に寝たんだっけ? そう思いながら眠い目を擦っていると、すぐ近くから「おはよう」と少し掠れた低い声が聞こえてきた。


「え……」


 あたりを見回すと、知らない部屋ではないけれど、私の部屋ではない。そして、どう見ても、同じベッドの中に、胸元が少しはだけたデメトリオさん。


「き――――」

「おっと。まだ早朝だから、叫ぶのはナシ。いいね?」


 大きな手で口を塞がれた。危うく大声で叫ぶところだったので、ありがたいような、ありがたくないような。


「昨日は無理させてすまなかった」


 その言葉に慌てて布団の中を確認してホッとした。服、ちゃんと着てる。


「流石に、それはしないから」


 どうやら昨日の夜、私はキャパオーバーを起こして、気絶してしまったらしい。

 よく見れば、サイドテーブルに手桶とタオルがあった。どうやらちょっと熱を出していたらしい。知恵熱かな? 子どもみたいで恥ずかしい。


「……ごめんなさい」

「いや、俺が悪い。つい、暴走してしまった」


 ところでなんで私はデメトリオさんの部屋で寝てて、隣にデメトリオさんがいるんだろうか?


「…………成り行き上?」


 倒れたから、目の前にあったベッドに運んだ。看病しようと思っていたが、眠くなった。それが成り行き上の出来事、ということらしい。

 よくわからないというか、感情がぐちゃぐちゃだ。


「起きるまではまだ時間がある。もう少し寝よう」

「……えと、部屋」

「ここで寝たらいい」

「ふえっ……はひっ」


 なんでか、今朝のデメトリオさんは、有無を言わせない雰囲気だった。


 ――――カサンドラさん、助けて!




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✾ 10/25シーモア先行配信! ✾


『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。
貧乏男爵令嬢と王太子殿下の焦れったいほどの両片思いを強制成就!?
書籍表紙


表紙絵はm/g先生!
デメトリオさんがとにかくカッコイイ! そして、エマたんがもう撫で回したいくらい可愛い!

(作者がキモいのは横に置いて……!)

♣ 王太子の嫁な!ちゃん ♣
リブラノベル様より、11/15 配信です。コミックシーモアは、10/25先行配信!
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。


▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
デメトリオ~!! ステイ!ステイ!
カサンドラさんはもっと先の階段まで登ってしまったかもしれない………
たぶん…カサンドラさんも同じことになってたりして((゜艸゜)フフフ
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