表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【シーモア先行配信中☆】 『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/80

43:バレてたよね?

 



 昼食はちょっと気不味い空気で終わってしまった。怒っているとかではなくて、お互いに初めてちょっとすれ違ってしまったことに緊張している、みたいな感じ。


 昼食後に厨房に行って、フルーツ飴をラッピングした。流石に全員分は厳しいので、他の侍女さんや使用人さんたちには、それぞれの休憩室にお皿でドーンと渡すことにした。デメトリオさんに渡すのは夜なので、皆に渡すのは明日の朝になってしまうけど。

 

「よし、夕食ではもっと話す!」


 変に緊張するから駄目なんだ。いつも通りに楽しい空気の中でデメトリオさんたちと過ごしたい。

 

「あ、夕食後はカサンドラさんは、私についてないで決行するんだよ!?」

「っ……本気、ですか…………」

「せっかく作って、せっかく可愛くラッピングしたんじゃん」


 陛下たちに渡すにあたって、毒見はすでにしてもらっていて、ピンチョスタイプになっているので、毒味役の人たちが私たちの希望に沿ってプレゼントするフルーツ飴を決めてくれた。

 毒見の意味は?と思わなくもないけど、執事さんがそれで良いと許可をくれたので、いいんだろうけど。




「んっ……これ凄く美味しいですね」

「今日のエビは大きいな。エマは本当にエビが好きだよな」

「はい! 大好きです!」


 私がちょっと沈んでいたのがバレたのか、料理長がメインをエビに変えたと料理人さんたちに教えてもらった。皆が優しすぎるし、甘すぎる。でも、めちゃくちゃ嬉しいから、ニコニコになってしまうというもの。


「っ、ん。そうか、ん。良かったな」

「ブフッ、ゲホッ……ゴホッ」


 デメトリオさんが歯切れの悪い返事した瞬間、国王陛下が吹き出した。そして本気でむせてるけど大丈夫かな?


「誤嚥ですか? 年齢的にもお気をつけくださいね」

「そんな年齢じゃないよ! 全く、エマ嬢の『大好き』に照れてる若造のくせに、口だけは一丁前に育って」

「「……」」


 いや、なんで二人が喧嘩するのよと言いたい。言ってもいいのかちょっと謎だけど。


 夕食後のデザートやティータイムはなしで部屋に戻ると伝えると、陛下が「私のデザートまでないの!?」としょんぼりしていた。


「後でお部屋に届けてもいいですか?」

「え、私にも何かくれるのかい?」

「はい!」


 うん、やっぱりなんかバレてるよね。この会話。いいんだけど。

 きっと陛下は心底驚いてくれるはずだから!


 私は私で、ちゃんと気持ちを伝えたい。

 ひょんなことから王太子妃になるって決まっちゃったけど、ちゃんとデメトリオさんのことを想ってるんだよって。




 デメトリオさんには部屋で待っててと伝えて、アイスハウスに大急ぎで向かった。


「カサンドラさん、頑張ってね!」

「はい。エマ様も」


  ラッピングしたフルーツ飴を、緊張から抱きしめたい衝動に駆られるのをグッと堪えて、大急ぎでデメトリオさんの部屋に向かった。


 ノックをして、後ろ手にプレゼントを隠して部屋に入った。


「あのね、もう、ほとんどバレてると思うんだけど……」

「んー。たぶん、そうだろうな、程度だ」


 ソファに座ってクスクス笑うデメトリオさんの横に座って、スーハーと深呼吸をする。


「これ、バレンタインのプレゼントです」


 隣の大陸とかの文化で……と説明すると、知ってるよと微笑んで受け取ってくれた。


「やっぱり、全部バレてた」

「ん。開けていい?」

「はい」


 デメトリオさんが柔らかな笑顔でラッピングを開封して、袋の中を覗くと目を見開いた。


 ――――ドキドキするっ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

✾ 10/25シーモア先行配信! ✾


『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。
貧乏男爵令嬢と王太子殿下の焦れったいほどの両片思いを強制成就!?
書籍表紙


表紙絵はm/g先生!
デメトリオさんがとにかくカッコイイ! そして、エマたんがもう撫で回したいくらい可愛い!

(作者がキモいのは横に置いて……!)

♣ 王太子の嫁な!ちゃん ♣
リブラノベル様より、11/15 配信です。コミックシーモアは、10/25先行配信!
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。


▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
デメトリオの「ん!」がなんか好き 色々な気持ちを言葉にしたら、まず「ん」になるのかな
おはようございます!が甘ようございます!になりそうなこの頃です (エビが)大好きです!にも反応しちゃうんだ 次回はもっとデレデレですねえ( ≖͈́ ·̫̮ ≖͈̀ )ニヤァ
(*´’Д’):;*:;カハッ…甘酸っぱい…ブラックコーヒー飲んでるはずなのに甘いよ〜(´;ω;`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ