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【シーモア先行配信中☆】 『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/80

35:モグモグ

 



 王城での新生活は、思っていたよりも順調に進んだ。

 ベッドがふかふかで、物凄くよく眠れるし、ご飯はありえないほど美味しい。

 そして、毎朝デメトリオさんと挨拶が出来る。


「ん…………はよ」


 デメトリオさん、わりと朝が苦手らしい。よく目をシパシパさせている。

 あと、食べものの好き嫌いを知った。本人は隠してるっぽいけどね。


 サラダに入っているプチトマトをよく避けながら食べているのだ。今も。

 葉ものを途中まで食べて、ほんの少し一時停止してからフォークでプスッと刺す。そしてまたほんの少し一時停止してからパクッ。そのあとの咀嚼時間が妙に長い。

 表情は変わらないけど、なーんか苦手な空気が漏れ出ている。


 ――――うん、かわいい。


 嫌いなものでも残さないデメトリオさん、凄いなぁと思う。父さん、端っから食べない宣言するもんなぁ。

 私は食べものの好き嫌いが本当にないから、気持ちがわからないのよね。

 あ、デメトリオさんに聞いてみるのもいいかもしれない。


「デメトリオさん」

「ん?」

「嫌いなものもちゃんと食べてるけど、なんでですか?」

「…………え」


 本気で驚いた顔をされてしまって、笑いそうになってしまった。

 ただ、なんでだろうと気になったのだと伝えると、そうじゃないと言われた。


「いまの言い方だと、俺がいまさっき嫌いなものを食べた、みたいな感じが……」

「え、プチトマト嫌いなんですよね?」

「なんでバレた」

「っ、あははははは!」


 我慢できなかった。やっぱり隠してたんだ! なにそれかわいい。

 ここ最近、デメトリオさんの何かを知る度に『かわいい』が溢れてくる。カサンドラさんと話してて分かったのは、それが『恋』というものらしい。


「笑うなよ」

「あはっ。うん、ごめんなさい。偉いなって思って」

「子どもみたいに……」

「あっ、違うんです。父は絶対に食べない!ってよく言うから」

「んはは、卿は言いそうだ」


 デメトリオさんはなんだか納得したように頷いて、なぜ食べるのかを教えてくれた。

 自分たちが食べるものは、国民が作ってくれたもので、しかも日常の食費は予算が組まれているものだから、嫌いだで食べないという選択肢はないのだとか。


「もちろん、体質によって食べられないものは別だがな」

「そこは別ですよね、よかった」


 他に嫌いな食べものはあるのかと聞くと、怪訝な顔でなんでだと聞かれてしまった。


「え、好きな人のことって、なんでも知りたいじゃないですか?」


 そう言って、サラダの中に入っていたコーンをフォークで掬い、パクッ。甘くて美味しいなとモグモグしていたら、デメトリオさんが耳を赤く染めて、顔を横に向けていた。


「エマは、本当に煽りグセが酷いな」


 ――――ええっ?




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✾ 10/25シーモア先行配信! ✾


『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。
貧乏男爵令嬢と王太子殿下の焦れったいほどの両片思いを強制成就!?
書籍表紙


表紙絵はm/g先生!
デメトリオさんがとにかくカッコイイ! そして、エマたんがもう撫で回したいくらい可愛い!

(作者がキモいのは横に置いて……!)

♣ 王太子の嫁な!ちゃん ♣
リブラノベル様より、11/15 配信です。コミックシーモアは、10/25先行配信!
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。


▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
エマちゃん流石に稀代の勝負師の娘だよなぁ。 毎日の細かい勝負すら、無意識に全力で、勝つ…!!
朝から糖分たっぷり~。 エマちゃんが何言っても煽られちゃうね~
うぉう!うぉう!うぉう! 恥ずかしげもなく好きな人のことは何でも知りたいだなんて! 読んでるこっちが恥ずかしいわぁぁあ( ≖͈́ ·̫̮ ≖͈̀ )ニヤァ 毎朝( ≖͈́ ·̫̮ ≖͈̀ )ニヤァが…
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