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【電子書籍11/15】 『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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24:冷血王子

 



 手の隙間からモゴモゴ話されて、擽っくたくて笑ってしまった。

 デメトリオさんはちょっといじけたまま。

 

「人前で事に及ぶのは、ちょっとまだ」

「グゲホッ! こ、事ぉ!?」

「え?」


 以前キスしていた時、カサンドラさんに言われた言葉なのに、なんで私が言うと驚かれるんですかね? そう抗議すると、デメトリオさんが手で目元を覆い隠し、こめかみを揉んでいた。

 そして、珍しいことに目の前に座っていたカサンドラさんが、それはそれは楽しそうにクスクスと笑い続けていた。

 

「クソ。お前のせいだろうが」

「あら、自業自得ですわよ?」


 二人がボソボソと罵り合っているのを微笑ましく見つめていたら、王城に馬車が到着した。

 

「エマ、とりあえず後回しにするが、人前で『事に及ぶ』は、絶っっっっ対に、言わないこと。いいな?」

「わ、わかりました」


 デメトリオさんが両肩をガシッと掴んできて、真剣な表情で言うものだから、なんでかとかの理由を聞きそびれてしまった。




 王族であるデメトリオさんとホールに入場するので、一般とは違う入場口に向かった。

 そこには国王陛下や王弟殿下ご家族などがいらっしゃった。皆さんたちと挨拶だなんだと話していたら、いつの間にか緊張が解けていた。


「ん、表情が和らいだな」

「はい」

「そろそろ入場だ」


 そう言われて、下を向いて自分の体を軽く確認。


 ――――うん、大丈夫。


 会場内にアナウンスが響く。

 国王陛下から順に名前が呼ばれ、二列になって歩いていく。

 パートナーがいない場合は一人で歩くらしい。だから国王陛下はいつもお一人なのだろう。デメトリオさんのお母さんは、彼が十代のころに病で亡くなられたらしい。

 国王陛下は後妻は取らないと宣言しているのだとか。

 それほど愛し合っていた夫婦なのだろう。

 私たちもそんな関係になれるといいなと思う。


 国王陛下が新年の挨拶を終わらせ、私たちの紹介に入った。遺言状や細かなところは伏せたものの、婚約者となったことや、今年の初夏に結婚式を挙げる予定だと話した。

 会場は思ったよりも驚いた様子だった。


「あの冷血な王子がねぇ」


 そんな声が聞こえてきて、王弟殿下の息子さんかなと見つめてみたけど、誰よりも優しそうな感じの少年だった。

 違うな、誰だ冷血王子ってのは……とキョロキョロしていたら、デメトリオさんが何か気になるのかと聞いてきた。

 

「冷血王子ってだれのことですか?」

「……………………俺」


 物凄く溜めて言われた。デメトリオさんが冷血王子? ちょっとよく意味が分からない。

 確かに表情は硬いけど、よく笑うし可愛いのにと呟くと、デメトリオさんが顔を赤く染めていた。


「っ、こういう場で煽るなと何度も……!」


 デメトリオさんの煽り判定が良くわからないなと、ため息が出てしまった。




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✾ 10/25シーモア先行配信! ✾


『王太子の嫁な!』と遺言状に書いてありました。
貧乏男爵令嬢と王太子殿下の焦れったいほどの両片思いを強制成就!?
書籍表紙


表紙絵はm/g先生!
デメトリオさんがとにかくカッコイイ! そして、エマたんがもう撫で回したいくらい可愛い!

(作者がキモいのは横に置いて……!)

♣ 王太子の嫁な!ちゃん ♣
リブラノベル様より、11/15 配信です。コミックシーモアは、10/25先行配信!
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。


▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
つまりエマちゃんは冷血王子にカプッとされちゃう小さい生贄もしくは愛玩動物なのかフム(( ˘ω ˘ *))フム
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