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エッダはそのまま獣たちの親玉の首を、ざくっ!! と(骨を断ち切る感触があった)叩き切った。
とばっ!! と黒い血が吹き出るようにして、獣のもうそこにはない頭のところから噴き出している。
どさっと、獣の親玉の首が大地の上に落っこちた。
そして、獣の群れは混乱した状態になった。
エッダは振り返らない。
フラウはそのまま風のように飛び続けている。
空中で剣を振り、黒い血を振り払う。
その血は太陽の光によって浄化されるようにして、煙になって、消えていった。
剣を鞘に収めると、ようやくエッダは、「ふー」と小さく息を吐いて、緊張をといた。
「フラウ。もう大丈夫だよ。どこかに降りよう」
とにっこりと笑って、フラウの白いもふもふとした頭を撫でながらそういった。
そんなときだった。
エッダはどこからか見られている視線を感じだ。
なんだろう?
その不思議な感じを受けて、エッダは周囲を見渡してみる。
すると遠くのほうになにものかの影があった。
その影はじっとエッダとフラウのことを、見つめていた。