20話 武辺者、やぐら建設を指示する・その1
キュリクスの夜は湯けむりと星明かりが綺麗な街だ。
職人のハンマー音と行商人たちの笑い声が酒場の喧噪が重なり合う。その街の中心にある領主館の執務室で、俺はようやく一日の業務を終えてグラスを傾けていた。仕事上がりの一杯は心と体に沁みる。窓の外には灯がゆらめき、秋虫のように風鈴が鳴る。そんな静けさの中控えめなノック音が扉を叩く。
「失礼します、ヴァルトア様」
現れたのはクラーレだった。書類を抱えた姿はいつも通り几帳面だが、時刻はすでに終業を過ぎている、夕鐘が響いて随分経つと思うのだが。
「クラーレか。……もう夕鐘は鳴ったぞ。風呂好きなお前が残業とは、緊急の案件か?」
「いえ緊急ではないのですが、ヴァルトア様にはお早めにお知らせしなければと思いまして」
そう言って差し出されたのは、コーラル村のモルポ商会主――アンドレ殿からの陳情書だった。羊皮紙を開くと精緻な文字が踊っている。そして達筆なクラーレの概要説明書がついていた。
「ふむ――物見やぐら跡の再建か」
「はい、コーラル村とキュリクスの中間にある統一戦争前からあるやぐら跡地です。現在は瓦礫の山と化していますが街道の治安拠点として再活用できれば、往来する商隊や行商人の仮泊地、それに軍の簡易駐屯地にもなりますよ」
「なるほどなぁ――」
俺はグラスを置いて地図に目を落とした。確か、あそこは若い頃にスルホンたちと野営した記憶があるな。あの頃から瓦礫しか残っていなかったから、そこを再建し利用できれば意味は大きいな。収入があればなおよしだ。
「そういえば、ヴェッサの森から出荷される木製食器がよく売れているそうだな。他にもにも行商人の往来も増えたと聞くが」
「はい、コーラル村で昔から飲まれていた生薬原料を漬け込んだ蒸留酒がヒットしてますからね」
生薬を漬け込んだ蒸留酒は、寒さ厳しいコーラル村で古くからある民間健康法らしい。正直あまりおいしくはないが冷え性に効く(個人の感想)そうだ。それをモルポ商会で取扱うようになったら人気に火が付いたらしい。それならば二匹目のどじょうと行商人たちの往き来が促進されたらしい。おかげで人通りが少なかったキュリクス・コーラル間の街道整備が急務になったという。
「――それに伴い、夜盗の発生を懸念しての提言です。やぐら跡は人目につきにくく野盗が根を張るには格好の場所になりますから」
「アンドレ殿の言い分は――ご尤もだ」
「アンドレ殿は現在キュリクスに滞在中とのことですので、明日、領主館に呼びましょうか?」
「いや、俺からスルホンに話を通しておくよ。どうせ資材の見積もりも必要だろう?」
「かしこまりました」
クラーレはすっと頭を下げ、書簡を片づける。職務に忠実で誠実な彼女の姿勢は、どこか若き日の執事ジェルスを思い出させる。あいつはエラールを任せているのだが元気だろうか?
「さて――クラーレ。お前ももう上がれ。明日もあるだろう」
「承知しました。では、お疲れさまでした」
クラーレが退出すると、代わりに今度はオリゴが静かに入ってくる。確か今日の業務が終わったはずだがメイド長の制服のまま着替えず姿勢はピンと伸びていた。
「オリゴ、君も今日は昼番だったろう。そろそろ帰って休め」
「本日の夜勤担当、プリスカが発熱しまして。代務者として私が残ってます」
「――ほぉ、あの“ご機嫌猫メイド”でも風邪をひくのか」
俺は思わず吹き出しそうになった。プリスカといえば新兵の訓練隊時代、アイスが食べたいと深夜に練兵所の壁を駆け上がって脱走した逸話を持つ娘だ。しかも店が閉まっていたから正門から堂々と戻ってきたというオチ付きだ。
「トマファの緊急命令書を冒険者ギルドに届けに行ったときも、窓から屋根を走って飛んで行ったと聞いたぞ」
「ええ。屋根瓦を割って帰ってきましたね」
「その始末書がこれか――『割っちゃった。今度から気を付ける、ごめんね。』って。今どきの若い子は始末書の書き方も知らんのか?」
「ヴァルトア様、お言葉ですが『今どきの若い子』なんて言い出したら一撃で『よぉ老害』ってメイドたちから言われますよ」
それを言われたら何も言い返せん。
「後日、修理費を彼女の給料から天引きします」
「それはダメだ。罰は必要だからといって勝手に修繕費用を勝手に給与天引きするのは確か違法だからな」(※)
「ご英断、痛み入ります。――そんなプリスカですが、“お酒飲んだら治りますか?”と訊かれましたので、念のため叩いて帰しました」
「……うむ、よくやった」
オリゴは涼しい顔で頷くが、たぶん本気で叩いたな。あの“ご機嫌な猫”は跳ね返るだけだろうが。てか、プリスカはアニリィと仲良かったよな――気のせいだよな? これ以上酒乱の部下は持ちたくないぞ?
「という訳で、私が残っておりますので、ヴァルトア様も早くご自宅へ。ここにいられると、私が休めません」
「はは、そりゃ一本取られたな」
グラスを片づけながら、俺は腰を上げた。――さて、明日からまた、忙しくなるぞ。
* * *
翌朝、俺は執務室でスルホンを呼び出し、物見やぐらの再建を命じた。だが、真面目一徹なはずのスルホンが――珍しく、てかあからさまに顔をしかめる。
「――おい、どうした。お前がそんな顔するとは珍しいな」
俺の問いに彼はちょっと逡巡したあと唇をひくつかせながら呟いた。
「あの、ヴァルトア様。そこのやぐら跡、統一戦争の頃に夜中に見たんですよ、俺。あの、白い影を」
――あぁ、その話か。
たしかに昔、スルホンと一緒に野営したことがあった。そのとき彼は野営中に『白い何か』を見たとか叫び、真夜中に本気で剣を振り回していた。あれはあれで危なかった。
「お前なぁ、今さら幽霊怖いって年齢でもないだろうに」
「いやいやいや! 怖いもんは怖いんですって! 俺、ああいうのほんと駄目なんですってば!」
この反応は本気だな。ちなみに西の森の洞窟調査でも、スルホンは『書類管理』という名目で現地入りを避けている。――まぁ気持ちはわからんでもない。だがな、毒蛇だろう蜘蛛だろうが素手で捕まえるような奴が何を言ってるんだ。あ、かたつむりは苦手とか言ってたな。
「――じゃあ現場監督はアニリィに任せよう。測量と設計はウタリ、再建計画はトマファ。資材の折衝と予算管理はクラーレ。あとは――街道整備も必要になるな」
「あっ、資材折衝くらいなら俺でもできますぞ!」
「仕事の選り好みはやめろ」
俺のツッコミにスルホンはむすっとした顔をしたが、それ以上は言わなかった。
その後、風邪でダウンしたプリスカの代わりに、パルチミンが休日出勤してくれていたので、彼女に三人を呼んでもらう。最近ちょっとぽんこつ業務が目立つ彼女だが、今回はきっちり仕事をこなしてくれて少しホッとした。
トマファ、ウタリ、クラーレが集まって、俺の執務室にある会議卓を囲む。やぐら再建案の打ち合わせは思っていた以上に前向きな議論が進んだ。
「軍略的な視点から言えば、高さはおおよそ8ヒロ(≒14メートル)、見張り台と仮設駐屯区画の両立を狙うのが効果的かと」、とウタリが理路整然と述べれば、
「道の途中に休憩所を兼ねた小屋を併設して、旅人や行商人も使えるようにするのはどうでしょう?」、とクラーレが生活目線で提案を出す。
「予算的には、初期費用がかさみますが、将来的な治安維持と交易活性化のリターンを見込めば、妥当でしょう」、とトマファが数字を並べて背筋を正す。
俺はその様子を微笑ましく見つつ、ぽつりと呟いた。
「なるほどなぁ……。俺が行商人だったとしても、夜にあそこへ泊まれるなら、安心だわ」
三人の顔に小さく笑みが浮かんだ。
「一泊いくらぐらいだったら何年で元が取れるかな」
と話をするとトマファとクラーレが計算を始める。ウタリやスルホンは『それは高いわ、安いですね』と言いだすから話が進まなかった。
「じゃあ――みんな、よろしく頼むぞ」
そう言ったあと、俺は忘れちゃいけない“最重要注意点”を念押しする。
「それと、くれぐれもアニリィに酒は飲ますなよ?」
途端に、場に一瞬の沈黙が走る。
そして、三人そろって――目を逸らした。
「――」
俺はグラスの縁をそっとなぞりながら、静かに、確信する。
――アニリィは、絶対になにかやらかす。
★ ★ ★
執務室の扉が静かに開き、オリゴが一礼しながら入ってきた。無表情。いつも通り。まるで心の機微を隠す訓練を続けているかのように、彼女の顔からは何も読み取れない。
「ヴァルトア様、お茶、いかがですか?」
「うむ、よろしく頼む――ああ、そうだ。“ご機嫌な猫メイド”の具合はどうだ?」
「えぇ、随分と良くなりました。今晩から夜勤復帰ですので――また賑やかになりますね」
お茶の湯気がふわりと立ちのぼる。夏の名残を思わせる爽やかで少し柑橘のような香りだった。一口すすると喉の奥がすうっと冷えるような心地よい渋みが広がる。
「ふむ――このお茶、いいな。どこ産だ?」
「薬商ギルドのアルディ様が『西の奥で採れた葉を乾燥させたもの』と仰ってました。真偽は不明です」
「ふふっ、あの研究者が言うとなんでも胡散臭くなるな。妹のテルメ殿が言っても同じだがな」
口元をほぐして笑ったところで、オリゴが一枚の封筒を差し出した。
「ところで、現場監督のトマファ殿から報告書が届いております。――ご覧になりますか?」
「うむ、読ませてくれ」
封を切りながら、ふと一言こぼれる。
「トマファの報告書は、実に読みやすい。字も整ってるし、構成もいい。ただ――」
ヴァルトアは軽く目を細め、紙面をぐっと顔に近づけた。
「――もう少しだけ、文字を大きく書いてくれると助かるんだがな。老眼には、ちと辛い」
「次回から拡大写本にいたしましょうか?」
「いや、それは、なんだか『読んでる感』が薄れるからやめておこう」
苦笑を漏らしつつ、ヴァルトアは報告書へと目を落とした。
――そして、次の瞬間、彼の眉がぴくりと動く。
「ふむ、また『あいつ』か」
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【再建現場進捗報告】(提出:トマファ)
内容:爆破、木材崩壊、禁酒中アニリィ様のテンション不安定……
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表紙からして既に不穏すぎる。
「――もう読みたくないんだけど」
「領主として部下の失態を受容するのもお仕事です。――なんなら、“介錯”するのも職責のうちかと」
顔を上げると、いつの間にかオリゴが脚に仕込んでいたスティレットを抜いていた。その手付きは驚くほど滑らかで刃の角度すら完璧。まるで朝の紅茶を淹れるときのように無駄のない動作だった。その一連の動きには相変わらずためらいや躊躇の気配が一切ない。お茶を差し出すのも頸を落とすのも――彼女にとってはどちらも等しく“日常の所作”なのかもしれない。
「やめていただけるかな。俺はまだ『頸を落とされる』ほどの覚悟は決まっていない」
「ご冗談を。私はただ、何かあった時に『迅速な判断』を補助しようとしているだけです」
「その“何か”って、俺の心が折れたときのことだろ?」
「――」
そのときだけ、ふとオリゴが“笑ったように”見えた。……怖いよ! どこか遠い目をしながら、俺は報告書の本編に目を通す覚悟を決めた。
「くっ、読むか。トマファの“咆哮書”――!」
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報告書:やぐら再建工事における進捗状況と課題について
文責:文官長トマファ・フォーレン
提出先:キュリクス領主 ヴァルトア殿
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【第一項】再建工事の進行状況
本日、現地にて再建工事の初期作業を開始。クラーレ殿が職工ギルドより雇い上げた作業員12名が参加。ウタリ軍師による設計図に基づき、石材・木材の振り分けを行い、作業は順調に始まった。
クラーレ殿の発案により、「100年先にも残るものを」という指針が全体に掲げられ、士気は一定以上に保たれていた。
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【第二項】作業中の異常事象について
作業三日目。
午前十時半頃、アニリィ殿が、木材を積んだ荷車の加速中に「一気に運んで終わらせよう」と叫び、急加速。
荷車は現場北端の旧石壁に激突し、積まれていた資材と共に半崩壊。この時点で設計図の30%が無効化されたと考えられる。
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【第三項】その後の処理および追加被害
現場混乱の中、クラーレ文官およびウタリ軍師による調整が試みられたが、アニリィ殿が「瓦礫は爆破で片付ける」と提案。制止する間もなく爆破魔法を発動し、二次崩落を招く。
なお、魔法詠唱時の言葉は「აფეთქება、瓦礫どもォォ!!」であったことを記録しておく。
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【第四項】領主館からの反応
本件による爆煙はお昼すぎにキュリクス市街にて確認と報告。領主館上空にて視認可能な規模であったため、武官長スルホン様が現場に急行。場到着後、「爆破は洞窟で充分だと言ったはずだ!」と繰り返し、アニリィ殿に対し平手打ち未遂事件が発生。未遂に終わったのはアニリィ殿が「もう禁酒のストレスが限界でぇぇぇ!」と泣き崩れたため。
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【第五項】現時点での被害・再調整項目
木材:使用可能量50%減
設計:再設計の必要あり(トマファ注:残ってる図面は煤まみれ)
工期:2週間→「早くても1か月程度」へ修正提案
作業員:3名辞職申請、1名「石工って神職ですか?」という意味不明な退職理由
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【補記】現場にてクラーレ文官が述べた逸話が印象的だったため、ここに記す。
「私は、100年先に“この塔すごいね”って言われたくて働いてるんです」
「石を積んでる人もいれば、生計のために積んでる人もいる。でも私は“大聖堂を建ててる”って答えた石工みたいに働きたい」
この一言が、一部作業員の態度を改めさせたのは事実である。
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【結語】再建の道のりは遠く険しいですが、信頼できる文官と優秀な設計者の手で、やがて形になると信じております。ただし、アニリィ殿にはしばらく……現場監督を外していただくのが望ましいと愚考いたします。
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別紙添付:
・爆破後の現場図(ウタリ筆)
・爆煙の遠景スケッチ(テルメによる遊び心)
・アニリィ殿の禁酒ストレス診断表(オリゴによる記録)
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報告書を一通り読み終えた俺は、無言のまま紙束を机に放り投げ、大きなため息をついた。
「まったく……スルホンから『ちょっとした騒ぎ』とは聞いていたが、ここまでとはな」
またアニリィか――何度目の既視感だろうか。
酒を飲ませても暴れる。飲ませなくてもやっぱり暴れる。いったいどうすれば正解なのか。かつて国軍人事院から「停職一年」か「依願退官」かの選択を迫られたという逸話もある。今さらアニリィの事で驚く話ではないのかもしれないが。
「こうなったらもう、勤務時間外くらいは酒を飲ませておいた方が安定するかもな――」
「勤務時間内の飲酒が問題外なのですが――。それより“時間外だったら自己責任”と仰るつもりですか? 翌朝になっても酔いが抜けず仕事を休んだ実例がございますし」
「――ああ。あったな。ヴェッサの森から帰ってくる日、二日酔いで戻ってこなかったな。しかもエルフの連中らの窓口である雪兎亭の女将からも『深酒させないように指導してください』って嘆願書というかクレームが届いたしな」
もはや伝説である。
「病気だな」
「――ほとんど“ビョーキ”ですよ」
オリゴが涼しい顔のまま返してくるのが、また悔しい。こっちは胃が痛くてたまらんというのに――。
* * *
【第一項】再建工事の進行状況
【補記】現場にてクラーレ文官が述べた逸話が印象的だったため、ここに記す。
クラーレは帳簿と巻尺を手に、積み上がった木材の本数を指でなぞって数えていた。指定していたサイズと本数が合っているか、一本一本に目を通しながら、丁寧に『レ点』を書き込んでいく。季節は秋の入り口だというのに、昼の日差しはまだ容赦がない。じっとりとした汗が背中にまとわりつき、木の香りと混じった空気が肌に張り付いてくる。ふと耳に入ってきた声が、クラーレの手を止めさせた。
「ったく――こんなとこに塔なんか建てたってよ。誰が喜ぶんだよ」
まだ若い作業員だった。安全帽をだらしなくかぶり、暑いのか肩で息をしながら木材を抱えている。もう一人の若い作業員が応じる。
「提示された賃金は良かったけどさ、ギルドがどんだけ中抜きしてンだろうな――ほんとバカバカしいって」
クラーレはそのまま歩を進め、二人のそばに立った。安全帽の顎紐をそっと指で直し、自身の汗も拭いながら微笑みを浮かべる。
「――あの、少しだけ、いいですか?」
呼びかけに作業員たちは驚いたように顔を上げた。
「おやおや、領主館の文官様が、こんなクソ暑いとこくんだりしなくても事務所でお涼みになっててくれた方が――」
「いえ、現場は私にとっても大事な仕事なんですよ」
クラーレは少し目線を落としながら、言葉を選ぶように語り出した。
「――私、昔、こんな話を聞いたんです。三人の石工がいて、それぞれに旅人が『何をしてる?』って聞いたら――」
その声は、暑さの中にも不思議と涼やかで、風のように穏やかだった。
「一人目は『石を積んでいる』って不貞腐れながら答えたそうです。二人目は『生計を立てている』と黙々作業しながら――」
「でも、三人目は――『百年後にも残る大聖堂を建てているんだ!』って笑顔で!」
作業員たちは手を止め、静かにクラーレを見た。
「――私は、三人目の石工みたいに働きたいんです。百年先、誰かがこの物見やぐらを見て、“立派だ”って思ってくれたらそれって、とても意味のある、誇れる仕事だと思うんです」
「それは強要できません! ですが、あなたたち作業員さんがお孫さんが生まれた時に『これは儂が育てた』と言えたら素敵じゃないかな――って」
しばしの沈黙が流れる。
愚痴を漏らしていた作業員も他の作業員たちも何も言わなかったが、ほんの少しだけ、表情がやわらいだ。クラーレは再び顎紐を確認し、冗談めかして笑った。
「――だから、愚痴は休憩のあとでお願いしますね。作業は集中、安全第一です。――ご安全に」
そう言って帳簿を持ち直すと、また木材の山に向かって歩いていった。小柄な背中だったが、その歩みは真っ直ぐでどこまでも力強かった。これ以降、クラーレを慕う作業員が増えたと聞いている。
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【第二項】作業中の異常事象について
荷車がぶつかり、瓦礫が崩れる。
現場に一瞬の沈黙が戻ったころ、砂煙がようやく引いてきた。クラーレは額の汗を拭いながら、崩れた石材の数を睨みつける。トマファはというと、設計図を握ったまま項垂れて車椅子から崩れ落ちている。
その様子を見ながらアニリィが笑い声を漏らす。
「はーっはっはっ、いい解体っぷりじゃん? 私、良い仕事した!? ほら、これで瓦礫も片付いたってことで!」
「アニリィ様、それ、全部、まだ使う予定だった資材なんですけど――」
クラーレの声は笑っているようで、笑っていなかった。そんな彼女の顔をちらりと見て、ウタリが苦笑する。
「まったく! アニリィ殿は昔から雑だよな、あの時もそんなノリだったし。跳ねっかえりなのは相変わらずだな」
「?――、昔からってウタリさん、アニリィ様とお知り合いなんですか?」
「あぁ、クラーレっちはもう忘れたか。――っちの若い頃、ほら、北部ヴァイラ隊での酒場乱闘事件は覚えてるか?」
「えぇ、ウタリさんの上官だった中隊長が、研修で来ていたエラールの士官候補と大喧嘩になったんですよね」
* * *
冬のヴァイラ隊詰所はいつだって風の音がよく響いた。木組みの壁を越えて吹き込む隙間風は心までじんわりと冷やしてくる。クラーレは焚き火番の当番をこなしながら無意識のうちに頬をさすった。痣は昨日のもの。理由は「返事の声が小さいから」だったか「顔色が気に食わないから」だったか。もう思い出すのも面倒だった。
「──いいか、おまえら! 口答え一つすれば、次は歯を折るからな!」
詰所の奥から上官の怒鳴り声が響いてきて、クラーレは本能的に身を縮める。ここの上官は口よりも手が早い。言い訳も釈明も関係ない。ただ殴る。今日も何人かが殴られた音が聞こえた。誰かはわからない。クラーレも含め、誰も目を合わせないようにしている。
気配を殺して薪を足しながら、クラーレは小さく息を吐いた。
やってられないよ――。
奨学金目当てで入隊したけど、殴られるなんておかしいよ。
――と、そのときだった。
詰所の扉が派手に開かれた。凍てつく風が吹き込んできて巻き上がった雪に目を細めると――そこにいた。背の高い女兵がずかずかと詰所に入ってくる。背中に短弓、腰には長い剣。長い髪を無造作に結び口元には緩んだ笑みを浮かべていた。誰も見たことのない顔だったが透明感のある人だなとは思った。
「あー、寒い寒い。こっちでいいのか、北部ヴァイラ隊ってのは」
誰も答えない。目の前の女のあまりの堂々っぷりに誰も反応が追いついていなかった。女は詰所の真ん中にある火のそばまでずかずか入ってくると、ぐるりと辺りを見渡し――ポイ、と何かを火に放り込んだ。
「っ!?」
クラーレは思わず身を乗り出した。火にくべられたのはさっきまでクラーレ自身が管理していた補給計画のメモだった。今日の食料、明日の分隊ごとの割り当て、どれも今週分をまとめた大事な書類だ。
「あっ、あんた今──!」
「ん? こんな紙きれ、あったってあったまらないだろ? ついでにこれもな!」
女はごそごそと背嚢から酒瓶を取り出し、火の横にどすんと腰を下ろす。そしてあぐらをかくと当然のように一人で封を切りぐいっと呷る。唖然としているクラーレの横で他の兵士たちがざわめき出す。誰だ、あれは? 何者だ? 補給係が暴れてるのか? と。
と、そのとき扉が開いて、ウタリ隊長が顔を出した。
「おい、騒がしいぞ――って、何をしてるんだ貴様は!」
女は気にも留めず、瓶を片手に笑って言った。
「今日から士官候補でこっちに配属だ。よろしくウタリ隊長殿閣下さんよ」
* * *
「まさか、あれが王国軍の士官候補だなんてね」
夜営地近くの酒場でクラーレはぬるくなった湯割りをちびちびやりながら隣の戦友にそう漏らした。
あの日から三日、問題児の士官候補はまともに上官の言うことを聞かないし、補給係のくせに帳簿もろくに読めないのか私たちに帳簿の読み方を聞いてきた。しかし一度聞いたことは二度は聞かなかったし失敗はしなかった。ただいつも笑顔で軽口を叩くので誰も強く出られなかった。
しかし伝達ミスで失敗してもあまりに堂々としていて、むしろにこにことしていた。しかし弓と剣の腕は一級品。下手に関わると痛い目を見そうな空気を纏っていた。あの上官に殴られても笑顔を絶やさない士官候補はいつしか殴られなくなっていった。
──ふと前を見ると、件の上官が酒に酔って私の目の前にいた。
「おい――クラーレ、聞いてるのかっ!」
不意に怒鳴られて思わず背筋が伸びる。湯呑をこぼしそうになりながらクラーレは敬礼の姿勢を取る。
「はい、申し訳ありませんっ」
「ちっ、気の抜けた返事だな。おまえのその情けない面がイラつくんだよ。ったく、北部のエリート女兵隊と聞いてたけどこんな腐れ兵しかおらんのか。これじゃ娼婦兵団のほうがよく働けそうだな」
グダグダと愚痴を垂れる上官の前には空になった杯が五つも転がっていた。隣のテーブルでは別の兵士が居ずまい悪そうな顔で距離を取る。
(ああ、また私が殴られるのかな――)
そんな予感が脳裏をよぎる。ウタリ隊長がいたら制止してくれただろうけど今日は巡察で席を外していた、悪いタイミングだ。上官が腰を上げる。ふらふらとした足取りで酔いの勢いのままどうやら近くに座っていた若い女兵士のほうに向かっている。
「おいそこの雑魚――ちょっと来い。表で話がある」
嫌な予感が確信に変わったときクラーレの目に入ったのは、奥の席で独り飲んでいた笑顔の士官候補の姿だった。
椅子をゆっくり引き、立ち上がる。手には瓶。
「おい、クソ上官」
店内が静まり返る。上官がぐるりと振り向く。「なんだ貴様――誰に向かって口を聞いてるんだ!」
その瞬間だった。
ガツンッ!
乾いた音が響いた。士官候補の拳がまっすぐ上官の顔面に突き刺さった。ぐらりと揺れた上官は、次の瞬間木の柱に頭をぶつけて倒れた。
一拍、間。
「――は?」「おい殴ったぞ!」
「誰か止め──」「わあああああっ!」
兵士たちの間に緊張が走る。あわや乱闘の空気。
「ストップ!」
その混乱を割って怒号が響いた。ウタリ隊長だった。肩で息をしながら扉の前に立っている。目線を巡らせて倒れた上官、そして瓶を持ったまま仁王立ちしている士官候補を見て頭を押さえた。
「――ついにやっちまったか……!」
「あぁ、やっちまった」
クラーレはその場に座ったまま、混乱の渦中にいた。
(やった、やったよ……この人、本当にやってくれた……!)
そう思う一方で、
(でもこれ、絶対ヤバいことになるよね)とも、冷静な自分が囁いていた。
* * *
翌朝の空は、灰色にくすんでいた。昨夜の一件が嘘みたいに風もなく静かだった。クラーレは兵舎の裏で水桶に顔を突っ込んでいた。寝不足と二日酔いと昨夜の衝撃で脳がまだまともに働かない。お風呂に入りたい。
(あれは……夢じゃないよな)
士官候補があの上官をぶん殴った。酔っ払ってたけどあれは現実だった。そしてぶっ倒れた上官を見下ろしてニヤッと笑って――「あ、上司に話しかける時は敬礼だったわ」って言ってた。
――なにそのセリフ。伝説級のバカじゃない。
ふらつく足取りで表に出ると、訓練場がざわついていた。
「聞いたか?」「ほんとに軍法会議だってよ」
「えっ、あの士官候補のことじゃなくて?」
「いや、あのクソ中隊長がだよ! 部下殴ってた件で正式に告発されたって!」
その瞬間、クラーレは「うぉおおおおおおっ!」と心の中で吠えた。
(やった……やった……!)
昨夜の騒動で、どうやらいろんな証言が噴き出したらしい。
ウタリ隊長が真顔で報告をまとめて上層に提出したと聞いた。あの人、マジで有能。
中隊長は拘束されて取調べのために駐屯地を離れた。軍法会議はほぼ確定。一方の士官候補はというと──
「酒盛りの件と殴打の件で、謹慎処分。エラールへ戻れ、だってさ」
別の兵士が、どこか惜しむような口調でつぶやいた。
(あー……それはまあ、そうなるか)
正直、士官候補が戻ると知って私は少し寂しかった。
ほんの数日だったけど、あの人がいるだけで、空気が違った。
訓練中もぎすぎすしない、なんだか静かだった。
夜営地の不穏さも陰鬱な空気も、一撃で吹き飛ばすような。
その日の午後、クラーレは兵舎の裏手で荷物をまとめる士官候補を見つけた。
「――行くんスね」
「えぇ、ちょっとばかり反省文書いてこいって。何行書けばいいと思う?」
そう言って笑った士官候補は、やっぱり全然反省してなさそうだった。
「本当は……もうちょっといてほしかったです」
「お前、昨日のこと全部見てたのか?」
「全部見てました。スカッとしました。最高でした」
士官候補は背嚢を肩に引っかけて、ふっと笑った。
「ま、次の上官がクソならお前がぶん殴る番だ」
「無理です。私は普通の人間なんで」
「だろうな。お前はそういう顔してる」
そう言い捨てて、士官候補は片手を軽く挙げた。
それが、私が最後に見たその士官候補の姿だった。
(また来ないかな、あの人)
そう思いながら、私は水桶の前に戻って、反射で敬礼の構えを取った。
(上司に話しかける時は敬礼だったわ)
あのセリフを、心の中でもう一度なぞる。
* * *
「んで、その士官候補が――この、アニリィ殿」
「えっ? ……えぇぇえええっ!?」
クラーレが目を見開き、両手で頬を押さえる。ウタリが肩をすくめ、アニリィは自分の顔をぺたぺたと触った。
「そんなに顔変わったかな? ほら、髪も切ったし、ちょっと日焼けもしてるけどさぁ」
「あの頃のアニリィ様は、笑顔の奥に棘があったというか、こう――斬撃みたいな笑顔で」
「なんだよ斬撃みたいな笑顔って!? 傷つくよ? 泣くよ?」
とぼけるアニリィに、ウタリが苦笑しながら崩れた資材の上に腰を下ろす。
「でもまぁ……何の縁かな。こうしてまた一緒に仕事してるって、ちょっと不思議だよな」
「えぇ。私、あの時ウタリ隊長が先に辞めてたら、間違いなく私も辞めてました」
クラーレがしみじみと答える。するとアニリィが、どこか遠い目をして口を開いた。
「私はなぁ、そもそもあいつの噂を聞いた日から、理性が飛んだ時にぶん殴る覚悟決めてたけどね」
「――アニリィ様は、お強いですから」
そう言ってクラーレが微笑むと、アニリィはもうどうでもよさそうに地面にごろんと横たわった。
「人間ってなぁ、本当に強い奴は手なんか出さないんだ。――弱いから、出る」
ぽつりと、意外にも静かな口調だった。
「私さ、ヴァルトア様からぶたれたこと、一度もないんだよ」
「じゃあ、オリゴさんからは?」
「彼女からはしょっちゅう。ガチで強い奴は、手も刃物も容赦ないぞ」
三人の笑いが、しばしの間、瓦礫の上にふわりと広がった。
その向こうで、崩れ落ちたまま項垂れていたトマファが、うっすらと顔を上げる。
「ーーそんな会話してる場合じゃ、ないんですけどぉおぉ……!」
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(とある新任女兵士、ネリスの日記)
入隊30日目
この前の短槍トーナメント模擬戦のことがまだ頭から離れない。
相棒のクイラ訓練生が優勝した。納得の強さだった。構えに隙がなくて踏み込みも速い。私は初戦で当たって、負けた。でも――たった一本だけ、取れた。だけど三本目で足払いくらってコケた。その時、手を貸してくれた彼女がぽつんと呟いたのが聞こえた。
「年季明けたら辞める子だと思ってた」
たぶん、独り言だったんだろう。でも、あの一言が、胸に刺さった。
きっと入隊した頃、彼女は私のことを“すぐ辞める子”だと思っていたんだ。悔しいとか、腹が立つとかじゃなくて、不思議と納得した。訓練についていけなくて足を引っ張ってばかりだったから。今だって正直、自信なんてない。
でもクイラ訓練生は違う。あの人はたぶん最初から任期制兵士なんかじゃなくて職業軍人としてここに来てるんだ。だから誰よりも真面目で手を抜かない、彼女なりの覚悟があるんだ。そのことに気づいた時ほんの少しだけ自分が恥ずかしくなった。
最近、夕鐘が鳴って訓練が終わってもすぐには隊舎に帰らない。あと一つ、もう一つ鐘が鳴るまで練兵所の外周を走ることにしている。私以外にも二人が走っている。一人は大柄で一人は小柄。どっちも速い、全然追いつけない。名前もわからないけれど勝手にライバルだと思っている。いつかきっとあの背中を追い越す、そう決めている。追い越されないように必死に走るのも忘れてないよ。
今日の訓練。
休憩中、カタラナ訓練生が「私は看護隊希望です。短槍訓練は不要だと思います」と古参兵さんに言い出した。それを聞きつけたメリーナ小隊長はにこっと、いつもと変わらない笑顔でくるりと振り返った。だけどその目元だけがほんの少し冷たかった。
「うん、いいじゃん♪ ボクも看護隊の子だって、戦闘訓練は大事だと思ってるよ。でもさー、ちょっとだけ、想像してみて?」
「もしね、隊が壊滅して、援軍も来なくて、あんたひとりになったとするじゃん。その時さ、敵の兵隊が十人くらいで、にやにや笑いながら近づいてきたら――、 短槍も短剣もなかったらどうやって逃げる?」
「え、でも、捕虜の待遇に関する国際条約がありますよね」
「あるよー! でも現実はね、そんなに甘くないよー?」
「降伏しても、武器を捨てても、女の兵士ってのはね――“娯楽”にされるの。 “戦利品”ってやつ? 持ち帰って奴隷として売り飛ばされることもあるし、その場で回されることもある」
「脱がされて、押さえつけられて、笑われながら―― “女”としてじゃなく、“穴”として扱われるんだよ」
「泣いても、叫んでも、誰も止めてくれないの。だってそこ、戦場だからね」
「看護隊でもメイド隊でも、戦地にいるってことは『戦場に立ってる』ってこと。降伏したら終わり。ボクが教えたいのは、それだけ」
「しかもカタラナ訓練生が希望通り看護隊へ行けるかはまだ決まってないんだよ? だから、今は訓練、短槍を握っていてほしいな。誰かを守るためだけじゃなく、自分の身体と尊厳を、守るためにも」
誰も何も言い返せなかった。てか、その話を聞いてたみんながきっとこう思った。『怖い』って、私もぐっと拳を握ってうなずいた。メリーナ小隊長はすぅと一息吐くとこう言った。
「――ボクはみんなに、そうなってほしくないだけなんだ」
私は任期制兵士として3年だけ頑張るつもりだった。
奨学金が貰えるだけの腰掛け。
だけど最近、それでいいのかなと思うようになった。
こんな葛藤してるの、私だけなのかな。
私も、もっと本気でやらなきゃいけない。そう思った。
それから今日、もう一つ、嬉しいニュースを聞いた。
隊舎の中で、みんなが噂してた。
――明日、武官のアニリィ様が視察に来るって!
本当に? 本当にあのお姉さまが来るの? 入隊するのを反対してた両親を説得に来てくれたアニリィお姉さまが!? ……明日は、いつもより気合い入れていこう。
※勝手に給与天引きは禁止
「修繕費用を勝手に給与天引き」→違法です!
従業員に損害賠償の義務が生じたとしても、会社が一方的に給与からその金額を天引きすることは労働基準法第24条および第17条で禁じられています。
会社はまず給与の全額を従業員に支払い、その後、別途損害賠償を請求する手続きをとる必要があります。天引きする場合は、従業員の自由意志でなければダメです。『俺の意思を無視して天引きされた』と主張されるとめんどくさいですので要注意!
というのか、どうして給与天引きは禁止になってるの?
労基法24条第1項には賃金支払いの5原則『通貨払い、直接払い、全額払い、毎月1回以上、一定期日払い』が定められてます。
(ただし例外が3つある)
従業員の賠償義務に給与天引きさせると「直接払い・全額払い」の原則に反します。
「だけどプリスカが業務中に屋根瓦を割ったんでしょ?」
というプリスカに重大な過失があったとしても、ここで問題となるのは労働基準法第17条、『前借金相殺の禁止』です。プリスカが「屋根瓦を弁済する」と申し出たり、領主館が「弁済させる」と決定したりした場合、『屋根瓦の賠償義務』が、同法で禁止されている『前借金』と同様の性質を持つことになります。
(領主館が勝手に弁済しろと決めた場合は別の犯罪になるわ)
そして前借金の返済分の賃金からの控除は賃金支払い五原則の例外に該当しません。そして従業員の賠償義務の弁済も、就業規則や労働契約書の定めによって当然に合法化されるものではないのです。
=豆知識=
※賃金支払い5原則の例外3つ
・法令に別段の定めがある場合
→(所得税などの源泉徴収・社会保険料)
・労働協約に別段の定めがある場合
→『労働組合と使用者の間』で、労働関係のルールについて、『書面で取り交わされた約束事』(テストに出します)
・厚生労働省令で定める一定の方法による場合
→銀行振込は「労働者が確実に受け取れる方法」として省令で定めがある
…これ、中の人のツマミになる話。
「バイトのA子、私の娘なの。その娘のバイト代を私の通帳に振り込みなさい」って言ってきた毒親がいた。全額払いの原則に反するので、例えその娘さんが未成年でもダメです!――って説明しても親がバカなら聞かない理解しない(笑) A子さんはいい子でよく働いてくれたんだけどなぁ。
…あと、中のすべらない話。(その2)
「遅刻の罰金は給与全額払いの原則に反するだろ!」
と、言った遅刻常習魔のB君。賃金から差し引かれた罰金に、さらに慰謝料まで上乗せして請求する事案となったことがある(笑)
当時中の人がいた会社では『上長に無断で30分以上遅刻した場合は罰金○○円』と労働協約がきちんとあったため、裁判所の判断でも遅刻罰金の制度は有効だった。『就職先の労働協約は必ず確認しよう! てか、社会人なら遅刻するなホンズナス!』と思ったのでした。
★三人の石工の寓話
P.F.ドラッカーのマネジメントが初出だけど、元ネタはイソップ物語。
この話をすると『根っからの社畜根性の鑑』と言われるから用法容量は注意しよう。
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