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117話 武辺者の若き家臣、実家の危機 =後日談4=【再編集版】

用意してた文章が欠落した状態で公開しておりました。

そのために【再編集版】として再公開いたします。

 馬車が緩やかな丘を越えると一面に広がる大麦畑の中にぽつんと建物が見えてきた。レンガ造りの小さな蒸留所と大きな貯蔵庫。その隣には石造りの邸宅。小さな蒸留所にしては大きな煙突があるけど、煙も蒸気も上がってない。


「……あれ、稼働してないんだな」


 オレが思わずつぶやくと、トマファ様がそっと答えた。


「今日は休業日なんです。見学だけになりますがご了承ください」


 休業日ってやつにしてはちょっと空気が……止まりすぎてる。馬車が門前で止まると、玄関前に人影が二つ。作業服姿の若い男が帽子を軽く押さえている。隣にはきちんと背筋を伸ばした老メイド――ポントさんって人だろう。


「やぁ兄さん。来てくれてありがとよ」


 この人がドロテアさんだったか。声は軽い、けど良い声だ。トマファ様とはあまり似ておらず、兄弟と言われなければ気付かないだろう。だけど耳朶の形はそっくりだ。オレとドロテアさんは初対面だったけど、蒸留所から漂う空気と彼の表情を見ていれば焦りというのが見て取れる。そして馬車で言ってた立て直しが急務なのも察しがつく。


「ようこそ、エンノーラ蒸留所へ。エミリアさん」


 ポントさんが微笑みながら一礼する。動きがきっちりしてるのにやわらかい。


「プリスカちゃん。今日は御者?」


「はいっ、まだ仮免練習中です!」と即答するプリスカ。


 てか仮免の馬車に乗ってたのかよ、怖いよ!


 *


 ドロテアさんの案内で石造りの蒸留所玄関をくぐる、ひんやりとした空気が頬をなでた。中は想像してたよりもずっと静かで澱んだ空気がどこか痛々しい。木の梁がむき出しの熟成庫、銅のスチル、冷却器や仕込み用樽が並ぶ広間……けど、そのどれもが止まってる。作業の音がしない、蒸気の音も香りもしない。


 ふと、視線の先に見えたスチルポットの側面にはくすんだ緑青と点々とした錆びが浮いていた。そして開け放たれたマンホールから見えた底には焦げや汚れが残ってる。磨かないと味に影響が出るのに……。


「サーグリッド・フォレアルの失敗を懲りてさ。何から始めていいのかわかんなくて」


 ドロテアさんの声は自嘲混じりだった。「だから今は仕込み止めてるんだ」


 オレは返事もせず無言でスチルポットに近づいた。手のひらをそっと当てる、ひやりとしてた。 消えそうになってる作り手の気配とは裏腹に、こいつらは再稼働を今か今かと待ってるんだろうな。


「……ふーん」


 ポットの縁に指を沿わせながら、ぐるりと全体を見て歩く。設置位置、導線、蒸気の排出口、床の汚れ、脚立の位置、配管のつなぎ目。


「……することは、まずは掃除だ」


 ぽつりと漏れたオレの言葉に、ドロテアさんが振り向いた。


「失敗は誰にでもあると思う。だけど、次うまくやるためにまず出来る事から始めないと」


「でも、資金の問題もあってさ」


「やる気、あンの?」


 思わず声が大きくなる。


「アンタ、ここの工場長なンだろ!? やる気がないってんなら、もう潰しちまいなよ!」


「は、はい……」


 ドロテアがちょっとたじろいでいた。


 ……わかってる、オレの悪い癖だ。思ったことがあれば強く言いすぎる。あとで後悔するって分かってても止められない。そういうとこがある。口に出す前に、頭の中でブレーキをかけようとするんだけど、それを無視して思考と口調がどんどん加速しちまう。そこは父ちゃん譲りだと思ってるけど、頑固なとこは正直母ちゃんにも似だと思ってる。


「まずは、いつでも稼働できるよう掃除から! どこになにがあって、なにが邪魔か。それを疎かにして何が失敗だ! 酒造りは足元から始めるんだよ!」


 するとトマファ様が静かに口を挟む。


「蒸留所は投資の回収に時間がかかる事業です。資金が足りないなら、再建案も用意してありますよ」


「だけど兄さん、それだって――」


 ドロテアの反論をさえぎるように、オレはスチルの縁に手を置くとかなり強めに言い放っていた。


「甲斐性のない男だねぇ。やンの? やンねぇでこの蒸留所、どっかに売り飛ばしたいの?」


「や、やります!」


 ようやく、腹の底から声が出たみたいだ。


「よし、まずは掃除だ! 最低限、人の目が届くところぐらいは綺麗にするぞ! 箒とモップ、ダッシュで持ってこい!」


 天窓から差し込む光がくすんだ銅の表面にあたって柔らかく反射した。スチルポットがちょっとだけ笑ってるように見えた。


「ようやく、動き出したみたいですね」


 俺の背中にトマファ様の声が届いた。


 *


 箒やモップを抱えてドロテアが戻ってきたのは十分ぐらい後だった。


「お待たせしました……あ、ポントがモップの場所を──」


「はいはい、貸して」


 オレは手早くモップを受け取ると蒸留室の入口からスチルポットの根元まで床の汚れを確かめながら歩き、特に汚れのひどい箇所を重点的にこすって回った。取れる汚れなら取る、無理なら適切な掃除道具は何か、足りない道具はどれか、メモしながら歩く。


「ドロテアさん、脚立は? あと、安全帽は?」


「脚立はそこに立てかけてありますが、さ、さすがに安全帽までは……」


「蒸留器の掃除は高所作業だよ。頭から落ちたら――死ぬぞ?」


 背後から「ひっ」と小声が漏れた。いつの間にか横で空モップを掛けていたプリスカだった。


「えっ、し、死ぬの!?」


「……この高さならそんな簡単には死なないよぉ。だけど頭の打ち所が悪かったら命に係わるし、どこかの骨がぽっきり折れる程度の労災にはなるから安全帽はマストだよぉ」


と、マイリスさんが笑いながら補足する。「エミリアさん、言い方がちょっと怖いです」


「現場ってそういうもんだろ? メイドさんだって天井からぶら下がる照明器具を掃除する時は安全帽ぐらい被るだろ?」


「はい、『鉄鉢(テッパチ)被ってたらなんとかなる』は領主軍の格言です! あと、高所作業は必ず二人一組でやるよう指導しておりますよ。――ねぇ、プリスカちゃん」


「はい! 腰より高い位置の作業は原則二人でって言われてます!」


 メイド隊は窓枠に足を掛け三階だろうが飛び降りてショートカットする者が多い。窓枠には『ショートカット禁止』と書かれた張り紙にもいくつかの足跡が付いており、見つけるたびに誰かが掃除してオリゴにバレないようにしているとか。それでも腰より高い場所の作業では安全帽を被り、原則二人以上で作業する事にはなっている。


「――っつう事だ。オレが居たリフエッツでもスチルポットの掃除中、はしごが滑って落下したなんて事故、ざらだったからな。事故が起きれば士気に係わる、ってのも工場長の責任と思いな」


「は、はいッ! すぐに探してはしごの近くに置くようしておきます!」


 その後、ポントさんがモップ絞りを持って来てくれたため改めて四人で掃除が始まった。


 プリスカが床掃きを担当。水モップを握って楽しそうに「ピカピカ大作戦!」と名付けて張り切っている。オレとドロテアさんはスチルポットの外側に取りかかり、マイリスさんは貯蔵棚の整頓を始めてくれていた。


「ここ、クモの巣があります!」


「退去をお願いしろ」


「ぎゃあああああっ!」


 ……うるせぇな、ドロテアさん。俺は黙々と磨く。作業机に置いてあったかぴかぴの三日月粉をそこらへんに転がっていた蒸留酒に溶かして硬めの金属フェルトで擦ってみたのだ。するとすこしずつだが緑青が落ちて、赤銅が顔を出してくる。やっぱこの瞬間だ。やってて一番気持ちがいいのは。


「おっと、大事な事忘れてた。――ドロテアさん、銅磨きの時は呼吸すンじゃねぇぞ、夜になって熱出すやつとかいっから」


「えっ! そうなんですか?」


 実は銅粉末には毒性がある。呼吸の時に吸い込んだ結果、胸が痛んだり咳き込んだり、たまに熱を出す奴もいる。だから本来なら防塵マスクと保護メガネを付けなきゃいけないのだがすっかり忘れてた。


「ところでエミリアさん、これってどのくらいかけてピカピカにするんですか?」


「最低でも今日丸一日。味を戻すなら……一週間から一か月くらいの掃除が要るかもな」


 プリスカが絶望の声を上げる。「一週間……」


「でもよ、酒ってのは手間をかけて裏切らないってオレは思ってる」


 ふと手を止めてマンホールからスチルの底を見た。底に焦げや焼けがこびりついてた。多分火の回し方が不均等だったんだろうし、温度管理が出来てないまま無理やり酒精を絞り上げようとした。それは……蒸留の基本を無視したやり方だ。そのあとの清掃もおざなりだったんだ。このスチルポットも悲しかっただろう、痛かっただろう。


「だけどここは、まだやれる。やれることをやろう」


 オレはそう思う。そう信じることにした。先ほどまでちんたら掃除してたドロテアさんの表情に覚悟がにじみ出てくるようになった。最近キュリクスで流行ってる『気合が入ってる』ってやつだろうか。


 昼までには汗だくで上衣の白シャツが汗を吸ってすっかり重くなってた。髪も帽子も汗を吸ってるし首筋から汗が流れる。スカートに至っては膝当たりが汚れてる。でも不思議と嫌じゃなかった。掃除なんて酒造りの“準備”に過ぎない。


「準備も整ってない現場で造られた酒、誰が飲むかって話なんだよ」


 オレはスチルの胴体をポンと叩いて言った。ぺいんと返事が返ってくる、彼も同調してくれたのだろう。その音を聞いてドロテアさんがびっくりしてこちらを覗き込んでいた。そんな時、ポントさんがお茶と冷やしタオル、そして簡単につまめるサンドイッチを用意して持ってきてくれた。


「皆さま、お疲れさまでございます。ちょうど陽が傾いてまいりましたね」


 外は盛夏らしくむわっとする暑さだったけど、この蒸留所の中には不思議と涼しい風が流れ込んできていた。テイデ山から流れてくる山風の通り道でもあるのか、汗ばむはずの空気がどこか落ち着いて感じられた。しかも日が傾いてきたので熱気を孕む風も落ち着きをも見せる。


「姉ちゃん。蒸留室の床、ある程度モップ掛けしておいたよ!」


 そう言うとプリスカがモップを持ってこちらにやってきた。汚れた手で顔を擦ったのか、頬あたりに黒い線が走る。しかし床の埃っぽさは消え、さっぱりとしたようにも見える。そしてモップをバー代わりに軽くステップを踏む様は――まるで母ちゃんだ。


「こちらも棚の片づけと掃除、終わりました。ドロテア様、空瓶やごみはこの箱に納めてありますので、捨てるなら言ってくださいね」


 マイリスさんは大きな木箱に詰めた汚い空瓶を床にことりと置く。マイリスさんは女性にしては大柄だが、こんな重そうな木箱を顔色一つ変えずに持ってくるってどれだけパワフルなんだろうか。


「あ、はい。あとで確認しま――いますぐやります!」


「ドロテアさん。けっこう働いてお疲れでしょうから、少し休みません? ポントさんがお茶とサンドイッチを用意して頂いたんですから」


 オレはそう声掛けた。


 ドロテアさんは、この蒸留所に来たときにはどこか諦めきったような、曇った表情をしていた。目はどこか泳いでいたし口元には覇気がなかった。それが今では、動きはぎこちないけれど目に希望の光が戻ってきている。額や顔に浮いた汗を拭う余裕もなかった様で、ひたすら手を動かしていた。正直、オレの叱り方はちょっとキツすぎたかと思わなくもない。でもこうして目の奥に“やるしかない”って気持ちが灯ってるのを見ると――ま、悪くなかったのかもな。だけど休む時に休まないと疲れてしまう。疲れは事故の元、ケガの()だ。


「そうですよー! お笑いと一緒、スベリとムチャは厳禁なんですよー!」


 プリスカはそう言うと、そこらへんの椅子にどかりと腰かけた。これだけ広大な部屋を一人モップ掛けてたのだから疲れているんだろう。ただ、椅子の足がダメになっているのかがたがたと音を立てている。マイリスさんはというと、相変わらず涼しい顔でにこにこして立っていた。訓練されたメイドは存在感が希薄になるというが彼女もそのクチだ。作業棚での作業は物音一つ立てていなかった。トマファ様は静かに手帳を閉じた。


「今日だけで、随分変わったように見えますね」


 疲れ切ったのか、ドロテアは床にへたり込んだままスチルを見上げていた。


「……ちょっと、光ってますね」


「そりゃそうだよ。だってオレとドロテアさんが愛情込めて磨いたんだから」


 オレは帽子をかぶり直し、笑った。


 *


 ポントさんが貯蔵庫の奥からずしりと重そうな樽を運び出してきた。


「お坊ちゃまたちの御先祖が若い頃、樽詰めしたものなんですよ」と言いながら、サンプラーグラスで火酒をすくい、テイスティングカップに注ぐ。この一杯があまり乗り気でなかった『エンノーラ蒸留所見学』の報酬だと思っている。


 樽の天板には酒の経歴がびっしりと書かれていた。蒸留した日、ニューポットの酒精63.5度、そしてリフィル(樽の詰め直し)日の天気や温度まで書かれていたのだ。そして末筆として樽詰者のサイン『チグラファ・フォーレン』と書かれていた。この方がトマファ様やドロテアさんの曾祖父なんだろう。


 オレはドロテアさんが差し出したその液体をじっと見つめ、香りを嗅ぎ、一口含んだ。

「……色はまるでカラメルだな。味は……びっくりするくらい優しくて、柔らかい」

 一呼吸おいて、鼻を鳴らした。

「でも香りは――楢樽のバニラ臭が強すぎる。正直、“臭い”って言っていいくらいだな」


「ですよね。旨いんですけど……うーん」とマイリスさんが首をひねる。


 香りの癖が強すぎるし味はマイルドを通り過ぎて平坦だ。酒精だけを天使が選り好みして吸い上げたのかと思うほどである。


「でも“50年の重み”って感じした! 猫が火のまわりで寝てそうな味!」とプリスカが笑顔で感想を口にする。


「どんな味だよそれ」

「猫ってなにかしら?」


 ドロテアさんもポントさんも感想を漏らすとふっと吹きだした。


「なんかね? 焚火の香りと猫の香りがする!」


 ん? 焚火の香り……?


「ポントさん、チェイサーってありますか? できれば仕込み水が嬉しいんですが」


「えぇ、すぐに汲んできますよ」


 しばらくしてポントさんが水差しを持って来て、新たなカップに注いで差し出してくれた。そしてオレはチェイサーを口に含む。――すると強すぎる香りの癖が一つ一つ分解を始めていく。黒糖を煮詰めに煮詰めた深く甘い香りの中にナッツとバニラ臭が顔を出す。そして焼いた甘イモ、黒糖蜜、そして最後に優しい穀物の甘さが顔を出す。


「なによ、これ!」


 これがサーグリッド・フォレアルの本気だ。トマファ様やドロテアさんもチェイサーを口に含んだ瞬間に表情が一変したのだから、この原酒の底の深さが判ったのかもしれない。


「――こんな酒、作ってみたいスね」


 ドロテアさんがまるで他人事のように口走る。


「作るんですよ、あなたが! そのためにもエンノーラ蒸留所を守らないと!」


 思ってた事はすぐに口にしてしまうのはいい癖だとは思わない。だけどこの酒はクリル村の、果てはキュリクスにとっても宝だと思う。金儲けのためにこの蒸留所を買い上げ、酒造哲学もない金持ちが道楽で経営するなんて許せるはずがない。


「だ、だけど、僕は――」


「あぁー!! 男のくせにぐじぐじと甲斐性ない! なんならオレの知ってるディスティラーやモルトマン紹介してやっよ! ――あ」


 何熱くなってるんだ、オレ。

 冷静になった瞬間、周りを見渡せばトマファ様もドロテアさんも、マイリスさんやポントさん、プリスカまでオレの顔を覗き込んでいたのだ。


「すんません。いろいろ言い過ぎてしまいました。不快な思いさせてしまいましたよね」


 俺は被っていた帽子を目深に下げる。


「いえ、全然?」


 ドロテアさんが声を上げる。「むしろ、僕がごめんなさい。一回の失敗で完全に諦めてたのは僕ですから。本当ならこのクリル村も、畑も、蒸留所も守らなきゃいけないのに」


 ドロテアさんは床に膝を付くとふぅと息を吐きだした。そしてオレを見据えるとこういった。


「給料や待遇はなんとかします。ですからエミリアさん、エンノーラ蒸留所に来ていただけませんか? 兄さんの再建策が軌道に乗った時こそエミリアさんの知ってる方を招きましょう。そして、この50年の酒を将来に作りましょうよ!」


 オレはこの時、なんて応えたか覚えてない。だけど今では――


 *


「工場長、ソース上がったぞぉ」

ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります。


現時点でも構いませんので、ページ下部の☆☆☆☆☆から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください。




よろしくお願いします。



・作者註

『スベリやムチャはだめ』


厚生労働省が真面目に作ったポスターが元ネタ。

https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/content/contents/001198297.pdf


中の人はつねにスベッてます。じきに労災事故を起こすと思います

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