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9話 離れる距離
美湖と宏斗の間に距離ができ、話せないまま数ヶ月が経った。
まもなく1年が終わる。学年が変わるとクラス替えもある。話せなくてもいい。同じクラスでいたい…
『苦手な牛乳も毎日ちゃんと飲みます!
勉強も頑張ります!!だから、2年生になっても山野くんと同じクラスになれますように……』
美湖は毎晩星空に願っていたが、その願いも虚しく、4月には別のクラスになってしまった。
そういえば、小学5年生の時に始めて別のクラスになった時は絶望したな…
でも、彼は教室に来てくれて…
思いがけない出来事に、驚いたのと同時に嬉しくて胸が熱くなった日を懐かしく思い出していた。
流石に今の関係では、教室に来てくれることもないだろうし、ますます遠い存在になった事が切なく、その距離をひしひしと感じていた。