19話 伝えた想い
夕陽が射し込む教室で、先に言葉を発したのは美湖だった。
「山野くん、あのね……、実は私も山野くんに話したいことがあって…」
意を決して、宏斗の目を見つめる。
宏斗は一瞬、驚いたように目を大きく見開くが、すぐににっこりと優しく目を細める。
「そっか……。お先にどうぞって言いたいところだけど、俺から先に言っても良いかな。」
美湖はコクンと頷く。
「あのさ……中学の途中から、なんか俺たち話さなくなったというか距離が出来たというか……、なんかそんな空気になったじゃん。それで、俺いろいろ考えて…このままじゃ嫌だなって。。。
それで、高校入って同じクラスになれたら伝えようって思ってた事があって……
俺、小学生の頃は、綿貫のこと、嫌いな牛乳から守ってやらなきゃって思ってたけど、牛乳とか関係なくこれからも守りたいって思うし、俺の隣でいつも笑っていて欲しい。
好きです。
たぶん、小学生の頃からずっと…」
思いがけない宏斗からの言葉に、美湖は驚きと嬉しさで胸がいっぱいになる。
そして、自分も気持ちを伝えるために言葉を紡ぐ。
「あのね!私も、今日伝えたいことがあって……
私も、山野くんが好きです。。。
たぶん、小学生の頃からずっと…」
そして、用意していたプレゼントを渡す。
「お誕生日おめでとう!」




