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世界迷作劇場  作者: 梨藍
7/16

白雪姫的な何か

【キャスト】

白雪姫 →由貴

王 様 →緋岐

お妃様 →翠琉

大 臣 →敦

鏡の精 →蕎

狩人  →正宗

ドワーフ→紗貴



開演5分前となりました。御着席下さい。


開演に先立ちまして、皆様にお願い申し上げます。会場内は禁煙となっております。


スマートフォンなど音の鳴る機器は、マナーモードにするか、または電源をお切り下さい。また、飲食は禁止されております。


ご協力、お願いいたします。


それでは間もなく開演です。開演まで、いましばらくお待ち下さい。

昔々あるところに、大変おバカなお姫様がいました。



【由貴】またそういう流れ!?



余りにも馬鹿だった為“馬鹿由貴姫”と呼び親しまれていました。



【由貴】Σちょっ!?



そんな可愛らしい、愛嬌たっぷりの姫を嫉妬している者がいたのです。



【 敦 】王様、お妃様、お呼びですか?


【翠琉】ああ、良く来たな大臣


【緋岐】実は、あの馬鹿由貴のせいで、戦争が起きそうなんだ



そう、何と姫を心良く思っていなかったのは、王様とお妃様だったのです。



【 敦 】いきなり国交問題か……重いな、王様。姫のせいってのが引っ掛かるんだけどね?


【緋岐】ああ……この間来た某市国の使節団の前で、とんでもない暴言を吐きやがった


【 敦 】えっ……まっ……まさか……


【翠琉】そのまさかだ。『バカチンだなんて、可哀相な名前ですね』と、大まじめに宣ってくれた


【 敦 】うーわー……ついこの前、テスト間違ったばかりなのに


【翠琉】全くだ。可哀相なのはあいつの中身だ


【 敦 】可哀相っていうか残念だよなぁ~


【緋岐】今、何とか穏便に済ませる為に話し合っている最中なんだが


【 敦 】っていうか王様。それより深刻且つ大変身近な問題が


【緋岐】何だよ?


【 敦 】王がお継ぎになった当初、王家支持率は78%を超える大人気でした!


【翠琉】流石、兄様だ。人気者だな


【 敦 】因みに、内訳としては……


―――――――――――――――――


容姿端麗だから →36%

8等身だから  →13%

頭脳明晰だから →11%

統治能力有りそう→10%

その他     →8%


―――――――――――――――――


……以上です!


【緋岐】素直に喜べないのは、何でだろうな……


【 敦 】しかし! 最近支持率が急降下しているのです!! このグラフを見て下さい


―――――――――――――――――


【翠琉】36%……また、生々しい数字だな……


【 敦 】64%の不支持理由の内訳がこちら!


―――――――――――――――――


世継ぎの姫が馬鹿過ぎ→42%

王様がシスコン   →8%

その他       →10%


―――――――――――――――――


……となっています。


【緋岐】シスコンの何が悪い!!


【 敦 】いやいや、憤るとこ違うから。世継ぎ問題見てよ!


【翠琉】つまり、国民の大半が馬鹿由貴姫の馬鹿さ加減に愛想を尽かし掛かっていると。私のように


【 敦 】ホントにぶっちゃけちゃったよ。まあ、そういう事なんだけど


【翠琉】よし、判った。ならば私に任せてもらおう



そう言って王妃が取り出したのは、何の変哲もない普通の手鏡でした。



【 敦 】王妃様、それ何だよ……


【翠琉】王家に伝わる秘宝“苦しいときのカガミ頼みクン”だ


【 敦 】全然秘宝っぽくないんだけど


【翠琉】鏡よ鏡……どうすればこの苦難、乗り越える事が出来ようか?



王妃様が、そう鏡に問い掛けると、何と鏡が人へとその姿を変えたのです。



【 蕎 】「どうすればええか?」んな簡単な事も判らへんのか……


【 敦 】かっ……鏡の精が関西弁。って蕎!何だよ、そのピーター○ンみたいな不思議ピチピチタイツは


【 蕎 】仕方ないやろ。役の衣装や


【 敦 】怖い!怖いよ妖精さん!無表情なところが尚怖い!


【 蕎 】とにかく、問題解決やったら簡単や……


【緋岐】何!?


【 蕎 】教育し直すんや……スパルタ式でな


【緋岐】そんな事ならいくらでもしたさっ!


【 蕎 】スパルタのエキスパートに頼んだらええんや


【緋岐】まさか……


【正宗】お呼びかの?


【緋岐】やっぱり。大丈夫なのか?


【正宗】ほっほっほっ……年の功というやつじゃ、わしに任せぃ!たっぷりしごいてやろうぞ(ニヤリッ)


【翠琉】……教育係というよりも、獲物を狙うハンターだな



そうです。なんと、鏡の精の答えに従い、王とお妃様は姫に狩人を放ったのです。



【由貴】やばい。しごかれる!捕まってたまるかよっ!



王達の陰謀、そして狩人の存在を知った姫は、森へと逃げて行きました。



【由貴】何か、疲れた。だいぶ走ったもんなぁ……


【紗貴】あら、こんなとこで何してんの?


【由貴】いやぁ~、ちょっと……



森で出会ったのは心優しいドワーフでした。



【紗貴】うちにおいてあげる代わりに、キリキリ働きなさい!まずは……そうね、掃除をしてもらおうかしら


【由貴】Σえぇっ!一人で!?


【紗貴】……文句ある?


【由貴】アリマセン。ボク、お掃除だぁい好き



こうして、馬鹿由貴姫とドワーフ紗貴の楽しい生活が幕を明けたのでした。



【シンデレラ】に続く



【由貴】Σちょっ!?続くの!?



……こうご期待!



【つづく】


◆次回予告・裏シンデレラ


翠琉がお妃様から王子にジョブチェンジ。

アイテムガラスの靴を手に入れた!


蕎が鏡の精から魔女にレベルアップ。

カボチャの馬車が生成出来るようになった!


緋岐「逃げられると思うなよ馬鹿由貴。絶対に捕まえてやる(怒)」


王様は、馬鹿由貴姫を指名手配した!

由貴が“白雪姫”から“指名手配犯”にレベルダウン。



お読みいただきありがとうございました!

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