赤ずきん的な何か
【キャスト】
赤頭巾ちゃん→由貴
お母さん →正宗
おばあちゃん→翠琉
猟師 →緋岐
オオカミ →紗貴
開演5分前となりました。御着席下さい。
開演に先立ちまして、皆様にお願い申し上げます。会場内は禁煙となっております。
スマートフォンなど音の鳴る機器は、マナーモードにするか、または電源をお切り下さい。また、飲食は禁止されております。
ご協力、お願いいたします。
それでは間もなく開演です。開演まで、いましばらくお待ち下さい。
むかしむかし、あるところに、ちょっと(?) おバカな少年がおりました。
ちょっとおバカだったので、周りからは赤頭巾ちゃん改め“バカ頭巾ちゃん”というなんともキュートな愛称で呼び親しまれておりました。
【由貴】なんかさ、酷いよね?毎回、俺の扱い……
運命です。諦めてください。
ある日、バカ頭巾ちゃんはお母さんにお使いを頼まれました。
【正宗】良いか?バカ頭巾よ
【由貴】いやいやいや!ちょっと待って、これはおかしいだろっ!?じいちゃんが母役ってありえなくねぇ……?
【正宗】細かい事を気にするでない。禿げるぞ?ワシのように
【由貴】そして、何かサラッと自虐ネタ!?いやいや、ここは流されて「そうだね」って言っちゃダメな気がする、人として!
【正宗】お前は、難産じゃった
【由貴】しみじみ語らないでっ!信じちゃいそうだから!
とまあ、軽いジョーク(8割本気)は横において置きまして。
【由貴】そこ!ナレーションもサラリと爆弾発言しないっ!
お母さんに、お使いを頼まれたバカ頭巾ちゃんは、早速おばあさんのところへ出掛けて行きました。
【由貴】何だろう……人として大切なものを、今失くした気がするよ。翠琉、入るぞ?
【翠琉】ちょっと待っ……
バカ頭巾ちゃんは、バカだったので、返事を待たずに襖を開けてしまいました。
【由貴】うっ……うわあああぁああぁ!!!
バカ頭巾ちゃんの絶叫が、響き渡ります。そう、何とおばあさんは着替えの途中だったのです。
本当ならおばあさんが悲鳴を上げる場面なのですが、如何せんおばあさんは、そういった事にはとんと疎かった為、スタスタとバカ頭巾ちゃんの方へと歩いて来ました。
【翠琉】五月蝿いぞ。何か用か?
【由貴】……案外、大きいんだな……じゃなくって!頼むからっ//////頼むから、ちゃんと襟を閉めてくれっ//////
【翠琉】ああ、すまない……おっ?
動揺して真っ赤になって慌てふためくバカ頭巾ちゃんは、おばあさんの方へ倒れこんでしまいました。
【翠琉】重いのだが?
覆い被さる様に、おばあさんを組み敷くような態勢になった赤頭巾ちゃん。
それは、一見ギャグではあるまじき濡れ場シーンの1カットのようです。あられもない姿を晒しながら、ちょっと不機嫌そうに言うおばあさん。
いやいや、そこはもうちょっと怒ろうよ……そんな、天からのツッコミが起きそうな状態です。
そう、バカ頭巾ちゃんが実は、オオカミだったのです。
【由貴】違うって!誤解だって!
【紗貴】へえ?この状況の、どこをどう見たら誤解なのかしら?
そこに、本当のオオカミさんが帰ってきました。
(最早、原作の面影すらありませんねwww)
【由貴】ねっ……姉ちゃん聞いてくれっ!
【紗貴】問答無用っ!
バカ頭巾ちゃんは、オオカミに食べられて……
―― いえいえ、投げられてしまいました。
【由貴】あぁああぁあ!!!!!!
【緋岐】大丈夫か!? さっきの悲鳴は何だ!
偶然にも立ち寄った、狩人がバカ頭巾ちゃんのピンチを聞きつけて助けに来てくれました。
【翠琉】無理やり、話を戻そうとしたな?
そんな文句を言いつつも、おばあさんはしっかりと着物の着付けを完了させたようです。
【緋岐】一体、何があったんだよ……
【由貴】……いっ……いや、何でもない
【翠琉】いきなり、襖を開けられて着替えを見られた
【由貴】すっ‥‥翠琉サン?
【翠琉】その拍子に、押し倒された
【由貴】そっ……それ以上は……
【翠琉】ついでに“思ったより大きい”と言われた
【由貴】……(滝汗)
【紗貴】いつの間に、そんなケダモノに成り下がっちゃったのかな?ゆきりんこは(絶対零度の微笑み)
【緋岐】お前、人の妹によくもっ……いい度胸してんじゃねえか。ちょっくら、ツラ貸せや(怒)
この後、バカ頭巾ちゃんがどうなったか……誰も知らない。
口は災いの元ですね。という教訓のお話。
【由貴】もう赤頭巾ちゃんじゃないじゃん!
【END】
◆次回予告・裏雪姫
【紗貴】よし!じゃあ今回はクジでキャストを決めるわよ~……あ、由貴は良いから
【由貴】え!? 何でだよっ!仲間ハズレはやだよ!
【 敦 】馬鹿だな……そんな事するわけないだろ?
【紗貴】アンタは主人公の“姫”に決まってるでしょ?
【由貴】Σ何で!? そこは翠琉が“姫”で俺が“王子”なんじゃ……
【緋岐】誰がお前と可愛い妹をイチャコラさせるかこのスケベ馬鹿!
お読みいただきありがとうございました!