不思議の国のアリス的な何か
【キャスト】
アリス →翠琉、由貴
アリスの姉 →緋岐
うさぎ →敦
イカレ帽子屋→蕎
ハートの女王→紗貴
開演5分前となりました。御着席下さい。
開演に先立ちまして、皆様にお願い申し上げます。会場内は禁煙となっております。
スマートフォンなど音の鳴る機器は、マナーモードにするか、または電源をお切り下さい。また、飲食は禁止されております。
ご協力、お願いいたします。
それでは間もなく開演です。開演まで、いましばらくお待ち下さい。
●昔、あるところにアリスという大変好奇心旺盛な少女がいました。
【緋岐】兄の俺が言うのも何だが、翠琉はそういうタイプじゃないぞ?
●アリスは、お姉さんが大好きで、いつも一緒です。
【緋岐】敢えて言わせてもらう。俺は“兄”だ!
●では、配役交代で……
【緋岐】Σ何!?
●アリスが【大好き】(強調)な姉役は…誰にしましょうか
【緋岐】いいです、俺です。姉でいいです。
●流石、シスコンですね。
【緋岐】一言余計だっ!
●今日もアリスは、姉の隣で本を読んでいます。(何の本かはご想像にお任せします)
【緋岐】よし、お茶にするか。持って来るから待ってなさい
【翠琉】かたじけない、兄様
【緋岐】何が食べたい?
【翠琉】佃煮
●少し古風なアリスですが、ツッコミがいないので(居るのは兄馬鹿一人なので)先に進めます。アリスは、姉が戻って来るのを待っていました。すると、目の前をうさぎが走って行くではありませんか。
【 敦 】急げ急げ!
【由貴】Σえっ俺がアリス!?ちょっ……
●翠琉がアリスのままだと、どこぞのシスコン……ゲフンゲフンガーディアンにより、どこにも行かず、話が終了するので苦肉の策です。
【 敦 】おおっ!いいとこにに人が!
【由貴】Σ……え?
【 敦 】バスケをしないか!?
【由貴】うわっ!追っ掛けて来た………って、立場逆だろ!?アリスがウサギに追い掛けられるなんて聞いた事ないんだけどっ
【 敦 】逃げるな、アリス!俺とバスケをしよ♪
【由貴】追ってくんな!馬鹿ウサギ(怒)……って…………ああぁぁぁあぁあ!!!!!!
●ウサギを追っていたアリスは、足を滑らして穴に落ちてしまいました。
【由貴】いたた……くそぉっ!敦のせいで、ひどいめにあったな……捜し出して、どつき回してやる……
●心細いアリスは、とにかくウサギを探すことにしました。道なき道を歩いていると、チシャ猫に出会いました。
【翠琉】ご苦労
【由貴】あ、翠琉!お前がちゃんとアリスしないから俺が女装なんて真似しなきゃいけなくなったんだぞ(怒)
【翠琉】……中々に似合っているぞ、そのヒラヒラ
【由貴】嬉しくないっ……嬉しくないから!
【翠琉】照れるな
【由貴】俺が「オカマ」って誤解受けるような発言は止めてくれっ!
【翠琉】とりあえず行くぞ。案内してやる
【由貴】え、マジ?ありがとうっ
●そして10分後。
【由貴】ここさっきも通ったよな?
【翠琉】うむ。迷った
【由貴】道案内になってないじゃん!
【翠琉】気にするな
【由貴】気にするよ!
●そう……チシャ猫はまさかの方向音痴だったのです。
【由貴】……あれ?誰かいる!助かったぁ~……
●アリスがさ迷っていると、変な帽子を被った青年が、長テーブルでティータイムを満喫していました。
【由貴】蕎じゃないか!
【 蕎 】ちゃうで。今ん俺は“イカレ帽子屋”や
【由貴】“怒れ帽子屋”?
【 蕎 】相変わらず残念な思考回路やな
【由貴】それより、敦知らない?
【 蕎 】敦やったら、城に行ったで
【由貴】ありがとう!
【 蕎 】……話、終わってないんやけど、走って行きよった……まあ、女王が誰かなんぞ行けば判るか。
●こうしてアリスは紆余曲折を経て、ウサギを追いハートの女王の元へ辿り着いたのです。
【由貴】すごいショートカットしたな……まあいいけど。ここが女王の居る城かぁ~……
【 敦 】来てくれたのか、心の友よ!
【由貴】敦っ(怒)!お前のせいで俺はっ……
【 敦 】ははは。何を怒っているのか知らんが、ハートの女王が御呼びだ、行くぞ!
【由貴】え?女王様……?
【紗貴】よく来たわねアリスちゃん?
【由貴】Σげげっ姉ちゃんっ!まずい……
●ハ―トの女王は、自分の庭を荒らしたアリスに、大変怒っておいでだったのです。
【紗貴】私のプ○チンプリン(いちごソース)食べたわね?
【由貴】いっ……いいいや、違うっ!これには深いわけが!
【紗貴】私が大切に冷蔵庫にしまっておいたのに(怒)食べ物の恨み、思い知りなさい!
【由貴】ぎゃあぁあ(絶叫)
END(?)
◆次回予告・赤頭巾裏話
【緋岐】いいか……バナナは魔よけや痴漢撃退の役割を果たす、素晴らしい食べ物だ
【翠琉】ほお……流石兄様、博識だな(コクコク)
【紗貴】いやそこ信じちゃダメよ!翠琉ちゃん!
【 敦 】明らかに、一人にしか効かない防犯グッズだよなぁ(笑)
【緋岐】あの馬鹿だけは、絶対赦さん……(真相は“赤頭巾ちゃん”にて)
お読みいただきありがとうございました!