マッチ売りの少女的な何か
【キャスト】
少女 →由貴
母親 →紗貴
優しい村人→緋岐と愉快な仲間
開演5分前となりました。御着席下さい。
開演に先立ちまして、皆様にお願い申し上げます。会場内は禁煙となっております。
スマートフォンなど音の鳴る機器は、マナーモードにするか、または電源をお切り下さい。また、飲食は禁止されております。
ご協力、お願いいたします。
それでは間もなく開演です。開演まで、いましばらくお待ち下さい。
あるところに、少女が意地悪なお母さんと住んでいました。
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【紗貴】全くなぁんで、あんたはこんなに馬鹿なの!?
【由貴】ごめんよぅ……姉ちゃん
【紗貴】いい?この問題全部解き終わるまで帰って来るんじゃないよ!
【由貴】そんなぁ……テスト明日なのに、こんなに無理だよ(汗)
【紗貴】つべこべ言わずにやって来い(怒)
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こうして可哀相な少女は、意地悪なお母さんに「マッチを全部売るまで帰って来るな」と、寒空の下に放り出されたのでした。
行く宛てもなく、少女はとぼとぼ歩いて行きました。
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【由貴】よしっ!先輩んとこ行って、答え聞こう!
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「マッチはいりませんか?」
少女のか細い声が、雑踏の中に消えて行きます。
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【由貴】先輩!せぇーんぱぁーい!
【緋岐】うるさい(怒)近所迷惑だろ!?
【由貴】マッチ一本火事の元
【緋岐】言いたい事は、それだけか?
【由貴】Σはっ、思わず。いやいや……この問題教えて!
【緋岐】この問題、この間教えてやったばっかりだろーが!思い出して自力で解け(怒)
【由貴】仕方ない……敦ぃ!
【 敦 】すまん……自力で頑張れっ!
【由貴】蕎!助けて……
【 蕎 】あんじょう頑張りや。
【由貴】……みんながっ……冷たい(涙)
【翠琉】紗貴さんから「由貴に手を貸さないでやってね」という密命が出ているからな
【由貴】なっ、あんまりだ……ひど過ぎる!
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マッチは、一本も売れません。
夕闇が近付く刻限……寒さは一層厳しくなるばかりです。
それでもマッチは一本も売れません。あまりの寒さに耐え兼ねた少女は、思わずマッチに手を出しました。
「暖かい」
仄な温もりが、少女の冷え切った手を照らします。
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【由貴】よし。こうなったら、「困った時のGoo○le先生」だ!光る液晶画面だけが今の俺の味方だぜ!まずは…ふんふん…ああ、これはこうか!なるほど♪
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「後もう一本」
少女は、マッチの見せる甘美な夢に惑わされ「後もう一本だけ……」そう自分に言い聞かせながら、マッチに火を灯し続けました。
―― そして……
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【由貴】ふっふっふっ、この問題が終われば完璧だ!
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最後の一本を灯した時、大好きだったおばあさんが優しい微笑みを浮かべて少女の目の前に現れたのです。
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【紗貴】由貴……(微笑)一体何をしているのかな?
【由貴】Σえっ!?
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「おばあさん!私も連れて行って……」
少女はおばあさんに抱き着いて懇願します。
「一緒に、行こうか……」
おばあさんは可愛い孫の頭をそっと撫でながら、頷きました。
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【紗貴】誰が、いつ、ずるをして良いって言った?
【由貴】それは……その……
【紗貴】(微笑)一度人生やり直してきなさい!(右ストレート)
【由貴】あぁぁぁあぁ(空の彼方へ)
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こうして、少女は大好きなおばあさんと天国へ旅立ったのでした。
【 敦 】……ナレーションと現実が違いすぎじゃねーか?
【 蕎 】気にしたらアカン。負けやで
【閉幕】
◆次回予告・アリス裏話
【紗貴】今日のオヤツはプリン♪しかも!限定いちごソース味!宿題済んだら食べようっと
~それから10分後~
【由貴】お腹すいたー……ってプリン発見♪ラッキー!それじゃあ早速いただきます!
※悲劇の様な茶番劇のハジマリハジマリ
お読みいただきありがとうございました!