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世界迷作劇場  作者: 梨藍
15/16

裸の王様的な何か

【キャスト】

王  様  →由貴

仕 立 屋 →敦、蕎

大  臣  →紗貴

小さな子供→鋭、由樹


※ 鋭は敦の兄。由樹は鋭の友人で仕事上のパートナーでもあります。ちなみに、職業は警察官



開演5分前となりました。御着席下さい。

開演に先立ちまして、皆様にお願い申し上げます。会場内は禁煙となっております。


スマートフォンなど音の鳴る機器は、マナーモードにするか、または電源をお切り下さい。また、飲食は禁止されております。


ご協力、お願いいたします。


それでは間もなく開演です。開演まで、いましばらくお待ち下さい。


いつかの時代の、どこぞの国の王様の所に、仕立屋が訪れました。



【 敦 】ヤッホー、王様元気?


【由貴】え?いやもうさ、大臣が鬼でさぁ~


【 蕎 】姐さんに言うとったるわ


【由貴】やめて!殺されるッ!


【 敦 】っていうか、客だぞ?客。茶くらい出せよ


【 蕎 】せやな。ホットコーヒーもらおか


【由貴】え?それ茶じゃないじゃん



仕立屋は言います。

「王様、世にも珍しい反物が手に入りました」

「賢い人にしか見えない反物です」



【由貴】……どうしよう、俺見えない……


【 敦 】馬鹿だなお前。嘘でも“見える”って言えば、お前は賢いって思われるんだぞ?


【由貴】なるほどねッ!……いやぁ、実にいい生地だなぁ


【 蕎 】……素直なんもここまで来ると、ただのアホやな



ついに出来上がった、その世にも珍しい服を、王様はまずは大臣に自慢しました。



【由貴】どうよ!


【紗貴】……どうって言われても……貧相?


【由貴】……え……?


【 敦 】わわわッ!ちょっと大臣こっち来てよ!(ヒソヒソ)


【紗貴】なるほど、そういう事ね♪……あ~……まあ、似合ってるんじゃない?とっても。


【 蕎 】……毎度ん事やけど、また脱線しよるな……姐さん棒読みやし



服を大変気に入った王様は、街に出掛けました。

本当は裸(辛うじてパンツ着用)なのに、城の者は皆(面白がって)怖くて、本当の事を言い出せなかったのです。



【由貴】う~ん。何か注目を浴びてる気がする……そんなにかっこいい服なのかな?あ~あ、俺にも見えたらなぁ……



【 ? 】ちょっと待てやコラ



そこに現れたのは、嘘を付かない少年(?)でした。

皆、“馬鹿”だと思われたくない一心で「素敵なお召し物だ」と褒め称えましたが、少年は違いました。

「ねえ、何で王様は裸ん坊なの?」



【 鋭 】テメェ、何堂々と裸で歩いてやがる


【由貴】え?ちゃんと着てるじゃん……“賢い人にしか見えない服”……はっ!まさか、さと兄もバ……


【 鋭 】寝言は寝て言いやがれ


【由樹】はいはい、鋭……殺さないでよ?銃おろして


【 鋭 】……チッ……



そう、王様は騙されていたのです。

気付いても、もう既に時遅し。



【 鋭 】公然わいせつ罪の現行犯で逮捕する


【由貴】Σ!?ちょっ!これには浅い訳がッ!


【 由樹 】自分で“浅い”って言ってる辺り、終わってるよね……とりあえず、話は署で聞こうか?



こうして、王様は捕まってしまったのでした。

めでたし めでたし



【由貴】どこがッ!?



【END】


◆次回予告・うさぎと裏話


【由貴】ふはははは!!ついに、俺の時代が来たッ!!!


【 敦 】いや、俺だって負けないからなッ!!


【 蕎 】長距離走の意味、判っとるんか?



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